弁当日記

ADACHIの行動記録です。 
青年海外協力隊で2006年4月からバングラデシュに2年間住んでました。

バングラデシュのニュース(2014/12/07)

2014年12月14日 | バングラデシュのニュース
◆イベント情報◆
・いかに消費者の嗜好、隠れたニーズや購買心理を理解し、商品を売るか 12/11
 https://allianceforum.smktg.jp/public/seminar/view/26
・吉田亮人 写真展「Brick Yard」 | コニカミノルタ 12/6~
 http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2014december/gallery_b_141206.html
・Uttoron Bangladesh Cultural Group 26周年記念コンサート 12/14
 http://community.skynetjp.com/ekushe__ft.pdf
・世界銀行セミナー:「バングラデシュ人出稼ぎ労働者の安全確保」 12/15
 http://www.worldbank.org/ja/events/2014/12/15/jsdf-dialogue-series-safe-migration-for-bangladeshi-workers
・バングラデシュの学校に給食室を建てて子供達に給食を届けたい! 1/28まで
 https://readyfor.jp/projects/jbcea

■見出し(2014年12月07日) No2014-64
◯バングラデシュ 東京・紀尾井町の新大使館が起工
 設計はケイパートナーズアーキテクツ、施工は村本建設
◯来日ビジネスマンの主張=バングラデシュ投資庁 海外調査部次長
 レシュナ・アーメッド氏 日本企業のバングラデシュへの直接投資
◯アクティオ 海外売上高500億円へ 東南アに3拠点 北米進出も検討
◯南アジア 中印、主導権争い激化 支援狙う小国両天秤
◯岐阜大・静岡大 アジア2カ国と農学研究で提携
◯味の素 世界の栄養テーマに 都内でフォーラム
◯活路を求めて 四国の輸出・進出戦略(38)=香川県さぬき市 キャスコ ゴルフ用品
◯山形県自動車販売店リサイクルセンターが受け入れ
 バングラデシュから研修生 工場やショールーム見学も
◯タムラ製作所 ミャンマーに合弁会社 トランスやコイル、温度ヒューズ生産
◯ユネスコスクール大会前に 海外の高校生と安達高生交流
◯鈴江コーポレーション トルコ・バングラデシュ 2国船社と提携覚書 合弁設立視野に
◯バングラデシュ 栄養不足改善へ有機農業を普及
◯カジュアルのヨシダユウ キャラクター衣料で直営店
 バングラデシュ工場使い短納期供給
◯Asia EXPRESS バングラデシュ
 アパレル輸出大国、再び脚光 安全体制の整備へ
◯アパレル輸出大国 バングラデシュの挑戦(上)=縫製業の規模はミャンマーの20倍
◯アパレル輸出大国 バングラデシュの挑戦(中)=日系縫製工場 技術、品質でリード
◯アパレル輸出大国 バングラデシュの挑戦(下)=広がるグローバル展開の可能性

■バングラデシュ 東京・紀尾井町の新大使館が起工
 設計はケイパートナーズアーキテクツ、施工は村本建設
 (日刊建設工業新聞 2014年11月10日)

バングラデシュ政府は、東票・紀尾井町で新大使館の建設工事に着手した。.7日
に現地で地鎮祭を開いた。設計はケイパートナーズアーキテクツ、施工は村本建
設が担当。15年11月の完成を目指す。
建設地は千代田区紀尾井町3の47(敷地面積714平方メートル)。建物はS・RC造地下
1階地上5階建て延べ1707平万メートルの規模。4~5階は大使の住居として使用す
る。目黒区にある既存の大使館から機能を移転する。
神事では、ケイパートナーズアーキテクツの北川雄史代表取締役が鎌を、バング
ラデシュのマスード・ビン・モメン全権大使が鍬を、村本建設の村本吉弘社長が
鋤をそれぞれ入れ、工事の無事を祈願した。
神事後、マスード全権大使は「08年に新大使館建設のために土地を購入して以来、
工事の開始を心待ちにしてきた。施工者には無事に工事を遂行してほしいしとあ
いさつした。
北川代表は「バングラデシュの人々と日本人との間に絆をつくることを目指し、
デザインのコンセプトにバングラデシュの伝統的な刺しゅう『ノクシカンタ』を
取り入れた。新しい大使館をべースに、両国の交流が深まることを期待する」と
述べた
村本社長は「持ちうる技術を結集し、立派な施設を工期内に無事故で完成させ、
引き渡す。施工者として両国の良好な関係に貢獄することを期待して工事に当た
りたい」と意気込みを語った。
「当社として大使館施設を手がけるのは初
めて。文化の違う人が使う施設だということを念頭に置き、気遣いして工事に当
たりたい」。



■来日ビジネスマンの主張=バングラデシュ投資庁 海外調査部次長
 レシュナ・アーメッド氏 日本企業のバングラデシュへの直接投資
 (エルネオス 2014年11月1日)

かつては「世界最貧国」とされたバングラデシュが最近、注目を集めている。経
済成長が順調で人口も多い同国は、製造拠点としても消費市場としても有望なの
だ。同国の経済状況、有力企業の動向や日本企業との関係について専門家はどう
見ているか―。

バングラデシュは、米ゴールドマン・サックス社からBRICsに次ぐ新興経済国「ネ
クスト11」の一つに挙げられるなど注目を浴びているが、最近の経済成長は実際
にはどうなのか。アーメド氏我が国は過去約十年間以上、約六%台の経済成長を維
持している。昨年度の実質成長率も六・一二%を達成し、安定した経済発展を遂げ
ている。堅調な経済発展の背景には、比較的バランスの取れた産業構造、輸出産
業の力強い成長、農業セクターの安定した成長が挙げられよう。とりわけ、アパ
レル製品輸出と海外で働くバングラ人からの送金が急速な経済成長の大きなファ
クターになっている。

我が国はゴールドマン・サックスだけでなく、JPモルガン、スタンダード&プアー
ズなど、多くの国際的金融機関や格付け機関からも新興経済国として高い評価を
得ており、かつての"世界最貧国"のイメージはすでに払拭されている。
日本でも最近、「メイド・イン・バングラデシュ」と記された衣料品をよく見か
けるようになっているが、アパレル製品の主な輸出先はどこか。

<安倍首相の訪問をバングラは高く評価>

アーメド氏 
現在のところアパレル製品の輸出先の七割以上が欧米向けだ。このため、輸出先
の多角化を図る必要があり、実際、日本、中国、ロシアなどに向け、さらに多く
の輸出が可能になるよう、さまざまな方策が立てられている。
我が国の縫製産業は非常に伝統があり、裾野が広い。紡績、染色、裁断、縫製な
どの技術水準は世界的である。
実際、輸出実績に優れた縫製工場は国内に六千以上あり、日本への輸出を拡大す
るための態勢は十分に整っていると思う。日本向けアパレル製品輸出は着実に増
えており、今後もこの傾阿が継続されると確信する。

―九月初めに安倍晋三首相がB本の首相どしては十四年ぶりに貴国を訪問したが、
バングラではどのように評価されているか。

アーメド氏
安倍首相の訪問は二日聞の短い日程だったが、我が国の主要メディアが連日大き
く報じた。特に日本・バングラデシュ・ビジネス・フォーラムで安倍首相が行っ
たスピーチは、今後の両国の投資・貿易関係の強化を強調したもので、我が国産
業界は非常に高く評価している。
とりわけ、バングラの今後の経済発展の鍵となる「ベンガル湾産業成長地帯構想」
に日本が協力を約束し、向こう約五年間に最大六十億ドルの支援を安倍首相自ら
が表明されたことは我が国の産業界を非常に勇気づけるものだ。
日本の支援によってさらなる産業振興のためのインフラが整備され、投資環境が
改善されることは疑いない。

<インフラ整備と電力で日本の技術に期待>

―具体的にはどのような部門の整備が必要と考えているか。
アーメド氏
より具体的に言えば、運輸・交通部門のインフラ整備、電力・エネルギーの安定
的供給確保、民閥金融部門の整備拡充といった分野で日本の技術やノウハウに期
待する点が非常に大きい。
例えば、バングラのマタバリの火力発電所建設に日本は四億ドルの円借款や技術
協力を供与してくれているが、これはまさに日本の優れた技術力が生かされたケ
ースである。このようなインフラ面を中心とする協力が今後さらに進み、日本か
らの投資が促進されることを我が国は強く望んでいるし、そのために最大限の努
力をする決意である。

―日本企業の進出は増えているのか
アーメド氏
日本企業の進出は年々、着実に増加する傾同が顕著だ。現地法入や支店など形態
はさまざまだが、昨年末の時点で我が国に進田したB本企業の数は約百八十社に上
る。五年前と比べると倍増した。
今年に入ってからも日本企業の進出が続いており、すでに二〇〇社を上団ってい
るはずだ。

―業種別では主にどのような分野に日本企業が進出しているのか。

アーメド氏
製造業への進出が目立っている。製造業分野には日本企業が約七十社進出してい
るが、約六割はアパレル製造だ。
それ以外には、工業製品の製造の進出もある。全般的には、労働集約的な業種が
多く、玩具、LED電球、自動車部品、発光ダイオード、ゴルフシャフト、OA機器用
部品、皮革製品など、かなり幅広い業種で日本企業の活躍が目につく。

<日本の直接投資はまだ上位十カ国圏外>

―日本企業の直接投資で特筆すべきものは何か。

アーメド氏
少し前にさかのぼって見れば、NTTドコモが四年ほど前にバングラの携帯電話事業
大手の株式を約三〇%取得した。またKDDIもバングラのインターネット企業に大型
投資を行っているし、東レとマツオカ・コーポレーションによる合弁会社も設立
された。
最近では、ホンダがバングラに二輪車の新工場を建設する計画を明らかにした。
味の素、ロート製薬、オムロン、ユニクロといった大手企業の投資にも大きな関
心を払っている。
しかし率直に言って、日本企業のプレゼンスはまだバングラでは決して十分とは
いえないだろう。対バングラ海外直接投資の上位国は、韓国、サウジアラビア、
米国、アラブ首長国連邦、英国、ノルウェー、マレーシアなどで、日本は上位十
力国にも入っていない。

―日本企業の直接投資を呼び込むためには何が必要か。

アーメド氏
電力・ガス、交通等インフラ面の整備・改善が不可欠だろう。加えてさまざまな
手続きの煩雑さを改善せねばなるまい。
先の安倍首相の訪問には、IHI、清水建設、三菱重工業など約二十社の代表が同行
されたほか、年内には新たに日本から経済ミッションが派遣される計画もある。
こうした日本企業の関心と期待に応えるためにも、我が国は投資環境改善に全力
で取り組む決意であることを強調しておきたい。



■アクティオ 海外売上高500億円へ 東南アに3拠点 北米進出も検討
 (日刊建設工業新聞 2014年12月01日)

建機レンタル大手のアクティオ(東京都中央区、小沼光雄社長)は、海外事業の拡
大を図る。現在、タイやマレーシア、台湾などアジアを中心に事業を展開し、売
り上げ規模は約100億円。15~16年度に東南アジアに新たに3拠点を設ける予定で、
17年度には海外事業全体で200億円への拡大を目指す。将来的には北米への進出も
検討。長期的には500億円規模に成長させたい考えだ。

14年12月期の連結売上高の目標は1800億円で、ほぼ達成できる見通し。このうち
海外事業は、国内の海外事業部門と海外子会社合わせて約100億円を想定。総売上
高に占める割合は5%程度にとどまっている。
現在、15年の営業開始を目指しバングラデシュとインドネシア、15年末か16年の
営業開始を目指しミャンマーの計3拠点を新たに設ける準備を進めており、17年度
までの3年間でアジアでの事業をさらに強化する方針だ。リースする油庄ショベル
は、国内で償却期間を終えたものを利用する。
小沼社長は日刊建設工業新聞の取材に、「国内のリース事業は2020年東京五輪関
連で盛り上がっているが、18年度くらいを境に成長が鈍るだろう。海外事業は将
来を考えた時に重要性を増す」との見方を示した。
長期的には米国への事業展開も検討。現地のリース会社を買収し、連結子会社化
する手法が有力だ。小沼社長は「米国は日本以上に建設機械のリース文化が進ん
でおり、魅力的な市場だ」とする一方、「東南アジアとは環境基準が全く異なる
ため、機種の選別を行う必要がある。ビジネスモデルでも米国流を学なければな
らないだろう」と課題も示した。
長期的な目標については、「海外事業だけで売上高500億円計上できるようになる
のが理想。達成までには10年程度はかかるのではないか」と述べた。



■南アジア 中印、主導権争い激化 支援狙う小国両天秤
 (南日本新聞 2014年11月29日)

ネパールで26~27日に3年ぷりに開かれたインドと周辺7力国が加盟ずる南アジア
地域協力連合(SAARC)の薗脳会議で、インドは加盟国との結束礁認を目指した。南
アジアでは近年、中国がインド以外の加盟国との関係強化を進めており、地域の
主導権をめぐる中印の攻防が激しさを増している。

「南アジアほど、結集した努力が直ちに必要な地域はない」。インドのモディ首
相は26日、首脳会議での演説で周辺国との連帯を訴えた。
SAARC加盟国の中で、総人口の約75%を占めるインドは経済力、軍事力で突出して
いる。過去に戦火を交えたパキスタンと、国内で長く戦乱が続くアフガニスタン
を除く各国に外交・安全保障面で伝統的に強い影響力を保持してきた。

過去10年のシン前政権下で高い経済成長を遂げたインドは、世界の大国を目指す
姿勢を鮮明化。インド市場の開拓を狙う欧米や日本など先進国との関係を強化す
る一方、「周辺の小国への関与が弱まった」(インド研究者)との指摘がある。
その間隙を埋める動きを活発化させたのが中国だ。潤沢な資金によるインフラ投
資で南アジアへの影響力を拡大。市場開拓や資源輸送のシーレーン(海上交通路)
を確保するとして、インドを包囲するように港湾拠点を整備する真珠の首飾り」
戦略を進めてきた。
9月には「21世紀の海上シルクロード」の建設を提唱する習近平国家王席が南アジ
アを歴訪。スリランカとモルディフで発電所や道路、橋などの建設支援を約束し
た。10月末に訪中したアフガンのガニ大統領には、2017年までに総額20億元(約3
85億円)の無償援助を行うと表明。今月にはバングラデシュなどの首脳を集めた会
議で、インフラ投資のための「シルクロード葵讐に400億ドル(約4兆7千億円〉を
拠出すると発表した。中国は安全保証面でも関与を強めている。スリランカには
習氏の訪問以降、通常型潜水艦が2度寄港。バングラデシュが中国から潜水艦の購
入を検討しているとの報道や、中国軍がカシミール地方でパキスタン部隊の訓練
をしているとの報道もあり、中国はインド側の神経を逆なでしている。
インド当局者は「南アジアでのインドの支配的な地位が侵食されている」との現
状認識を示す。
モディ首相は、5月の就任武にSAARC加盟国薦風を招待。就任後最初の訪問国にブ
ータンを選んだ後、ネパールをインド首相として17年ぷりに公式訪問、近隣田外
交の立て直しを始めた。
一方、インドを除くSAARC加盟国は、虫剛のはざまで双方から経済支援を引き出そ
うと、したたかに立ち回っている。バングラデシュ高官は「経済発展を目指すわ
れわれが中国、インドと事を構える余裕はない。どちらからも支援が必要だ」と
語った。



■岐阜大・静岡大 アジア2カ国と農学研究で提携
 (日刊工業新聞 2014年11月24日)

【岐阜】岐阜大学は静岡大学と運営する博士課程の大学院連合農学研究科で、12
月~2016年3月にインドネシアとバングラデシュに現地提携大学との共同研究室を
開設する。文部科学省の支援を受けて関連機器を配
置するほか、教員や学生を派遣する。アジアの他の提携先大学9校にも開放し、教
育と研究の国際化を進める。12月1日にインドネシアのボゴール農科大学に天然物
化学の共同研究室を開設する。蒸留や濃縮、精製などの装置を導入。インドネシ
ア産の薬用植物の応用などを研究する。15年4月には同国スブラス・マレット大学
に環境科学の研究室を、16年3月までにバングラデシュのダッカ大学に生化学の共
同研究室を開設する。同研究科はインドネシア、タイ、ベトナム、インド、中国、
バングラデシュの大学計12校と提携。共同研究や学生の相互教育に取り組んでい
る。



■味の素 世界の栄養テーマに 都内でフォーラム
 (食品新聞 2014年11月24日)

味の素は15日、「第5回味の素グループサステナビリティフォーラム」を都内で開
催した。フォーラムは味の素「食と健康」国際協力ネヅトワーク(AIN)プログラム
の15周年記念企画として「ニッポンの栄養が世界を変える!」をテーマに開かれた
もの。講演やディスカッションを通じ、世界に広がる栄養課題とその解決の道を
探る一方、日本の役割の大きさを再確認する場になった。
主催者としてあいさつした味の素の大野弘道取締役常務執行役員はフォーラムに
ついて「世界と日本の栄養に関する大きな潮流と栄養の持つ力を共有する場とし
たい」と語った。
「日本政府の健康・医療戦略と栄養の位置づけ」をテーマに特別メッセージを寄
せた内閣官房健康・医療戦略窒の飯田圭哉次長は、世界的な栄養改善の取り組み、
特に官民連携を通じた事業の国際展開についてワーキンググルーブを設渡し、異
体的な検討を進める考えを示した。
「日本の栄養政策の強みと世界への貢献」をテーマに基調講演を行った神奈川県
立保健福祉大学の中村丁次学長(日本栄養士会名誉会擾)は「低栄養も過剰栄養も
経験し、世界一の長寿国を維持し続けている日本はもっと世界に貢献できるはず」
と強調した。
その後、GAIN(グローバル・アライアンス・フォー・インプループド・二ュート
リション)のビルギット・ポーニアトフスキ連携事業部長が世界の栄養不良の現状
と打開策しをテーマに基調講演を、ハンガー・フリー・ワールドの西岡はるな海
外部長兼アドポカシー担当が「持続的な栄養改善の実践―バングラデシュにおけ
るAINプログラム事例」をテーマに事例報告を行った。
味の素の木村毅取締役常務執行役員は「味の素グループの栄養改善に向けた取り
組みしについて報告。AINプロジェクトやガーナ栄養改善プログラム、日本での低
栄養改善に向けた取り絹みなどを紹介するとともに、アミノインデックス技術の
栄養改善への応用について検討していること、低栄養と過剰栄養に加え、個別化
栄養へも対応していきたい考えを示した。



■活路を求めて 四国の輸出・進出戦略(38)
 =香川県さぬき市 キャスコ ゴルフ用品
 (徳島新聞 2014年11月19日)

ゴルフ用品メーカーのキャスコ(香川県さぬき市)は独自の技術を生かし、高付加
価値のボールやクラブを展開する。新たな販路を求め、40年以上前から海外に進
出。当初は欧米中心だった販売先をアジアに絞り、タイや台湾などで高いシェア
を誇る。視認性を高めた蛍光色ボール「KIRA(キラ)」。強い反発力を生む独自開
発の素材「スーパーハイテン」を使ったクラブー。キャスコの商品の多くは、他
社にはない技術とアイデアが光る。海外営業を担当する北川佳樹さん(51)は「地
方企業、しかも後発。価格競争では勝てないから技術を磨いてきた」と話す。
手袋メーカーとして創業し、1972年に海外進出。米国でゴルフ用手袋を販売した。
県内の手袋メーカーが早くから生産拠点を求めて海外へ進出していたため、同社
も海外へ打って出ることにためらいはなかった。米国に販売会社を設立後はタイ
などに生産拠点を構え、89年には台湾にも販売会社を立ち上げた。その後は有名
メーカーがひしめく上、市場が縮小傾向にある欧米から、ゴルフが市民権を獲得
し需要が拡大し始めたアジアに軸足を移した。
アジアの国々へは、欧米メーカーに先んじて進出した格好となり、「キャスコ」
ブランドも浸透しやすかった。また、「体格が日本人に近いことも利点」と北川
さん。海外用に改良する必要がないため、ラインアップを充実させやすく、キャ
スコの専門店があるタイでは国内シェア上位を誇る商品もある。
手袋などを生産するタイやバングラデシュでボールやクラフも手掛けれはコスト
を抑えられるはずだが、高い技術力を要する商品は、今も国内での製造にこだわ
る。北川さんは「技術こそが全て。ポリシーとしてそこはこれからも変えない」。
国内市場を切り開いたスタイルを海外でも貫く構えだ。



■山形県自動車販売店リサイクルセンターが受け入れ
 バングラデシュから研修生 工場やショールーム見学も
 (日刊自動車新聞 2014年11月07日)

山形県自動車販売店リサイクルセンター(遠藤栄次郎社長)は10月30日、バングラ
デシュから研修生3人の受け入れを発表した。同日に鶴岡市内の同社庄内事業所で
「入所式」が開かれ、遠藤社長を始めとする同社役員・行政関係者など計50人が
参加した。
受け入れは、経済産業省による政府間開発援助によるもので、海外産業人材育成
協会(HIDA)が実施する「新興市場開拓人材育成支援事業」に同社が協力するかた
ちで実現した。「バングラデシュで流通している車両の9割が中古の日本車。アフ
ターマーケット市場が確立されておらず、廃棄車両が野積みされ適切に処理され
ていない」(同社)という事情も背景にある。
今回来日したのはアニスール・ラフマンさん(31)、ハフィジュール・ラフマンさ
ん(25)、ミラン・アリさん(23)の3人。母国で同じ自動車整備工場に勤務していた
が、同国で行われた募集に応募し選抜されて来日が決まった。
入所式で挨拶に立った遠藤社長は「バングラデシュにおける日本車のリサイクル
パーツ需要拡大が見込まれている。研修を通じて学ぶことは同国の発展につなが
るもの」と述べて研修生を歓迎した。研修生3人は「日本に来られてよかった。整
備された道路事情に驚いている」「リサイクルの工程を学び後々に生かしたい」
「将来、母国でリサイクルビジネスを起こし、現状を改善したい」などと感想を
述べた。
3人は来年3月25日まで鶴岡市に滞在、同社同事業所で自動車の構造やリサイクル
の工程について学ぶ。研修期間中には近隣の自動軍ディーラーを訪問、整備工場
やショールームなども見学する予定。



■タムラ製作所 ミャンマーに合弁会社 トランスやコイル、温度ヒューズ生産
 (電波新聞 2014年11月05日)

タムラ製作所はミャンマーに現地法人・EIM社と合弁で新会社「Earth Tamura
Electronic (Myanmar)」(前田弘之代表)を毅立した。資本金は約170万ドルでタム
ラが60%、EIM社が40%の比率。トランス、コイルや温度ヒューズなどを生産する。
中国に代わる一大量産拠点として育成していく。

合弁パートナーとなるEIM社は、96年からタムラグループの協力工場として、パワ
ートランス、スイッチングトランス、各種コイルおよび温度ヒューズなどを生産
をしてきた。EIM社との18年間にわたる協力関係を通じて、同社製品の生産ノウハ
ウを熟知しているとともに、ミャンマーにおける有数の現地資本企業として同国
内の事情に精通している。

生産体制強固に
今回合弁会社として関係をさらに強化することにより、人件費や運営面において
魅力的なミャンヘマーの生産体制を一段と強固にすることになる。
同社のグループの大規模生産拠点は中国に箋中。最近では労働賃金の高騰をはじ
めとするチャイナリスクを抱えている。リスクを回避するチャイナ・プラス・ワ
ンの取り組みの一環として、EIM社と設立した合弁会社を活用していく。
同社は今回のミャンマーでの合弁会社のほか、バングラデシュでも電子部品の生
産体制を増強している。バングラデシュの工場は、子会社の光渡がLED関連を製造
する拠点としてチッタゴン富の輸出加工区で98年から操業している製造子会社。
この工場を電子部晶の生産拠点として活用。アダプタや電源関連を蟹産している
が、さらに電子部品の生産体制を強化するために、工場棟を増築した。
ミャンマー、バングラデシュへの生産シフトを進める一方で、中国拠点では地産
地消への取り組みに集中。自動化などによる人件費抑制や業務効率化を推進して、
タムラグループとしてトータルにグローバル競争力を高めていく。



■ユネスコスクール大会前に 海外の高校生と安達高生交流
 (福島民友 2014年11月05日)

岡山市で6、ワの両日開かれるユネスコスクール世界大会高校生フォーラムを前に、
同フォーラムのプレイベントとして東北地区の地域交流会が4日、二本松市の安達
高で開かれた。
同フォーラムに参加するフランスやレバノン、ペルー、バングラデシュの高校生
ら20人が訪れた。同校の佐藤恵美生徒会長(17)が英語で歓迎あいさつし、代表の
ペルーの高校生から同校に記念品が贈られた。参加した各国の高校生らは書道や
剣道、茶道の授業を見学したり実際に体験し、日本文化の一端に触れた。
世界大会は「国連持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」の最終年に合わせ、
ESDに関するユネスコ世界会議の一つとして開かれる。同フォーラムにはユネスコ
スクール認定校として同校も参加し、原田悟さん(16)ら2年生4人が「風評被害か
ら福島の未来を考える」と題し、英語で発表する。
原田さんは「発表を通して福島の現状を伝えるとともに、海外の高校生から多く
のことを学んできたい」と抱負を語った。



■鈴江コーポレーション トルコ・バングラデシュ 2国船社と提携覚書 合弁設立
視野に
 (日本海事新聞 2014年11月04日)

鈴江コーポレーション(横浜市、鈴江孝裕社長)は10月鈴日、トルコ船社系物流企
業のTRKシッピング(本社・イスタンブール)とバングラデシュ船社HKCシッピング
(同・ダッカ)それぞれと、物流事業の提携強化と盒π会社設立を念頭に了解覚書
(MOU)を締結したと発表した。両国での新物流ルート開発、輸送サービスの拡大な
どを通じ、中東。アジア地域での事業強化を図る。
トルコのTRKシッピングとは10月23日付でMOUを締結した。同社はコンテナ船社で
ある「ターコン・ライン」グループ内の物流企業。中東・地中海―北米・欧州へ
の幅広い輸送ネットワークを有する。ターコン・ラインとTRKシッピングを傘下に
置くターコン・ホールディングス(同・イスタンフール)は、両社以外にも造船、
用輪船舶代理店などの海事関係企業を保有している。
バングラデシュのHRCシッピングとは9月2日にMOUを締積周社は首都ダッカに本社
を置くHRCグループ傘下のコンテナ船社コチッタゴン港を申心に隣国への海上輸送
を手掛けるほか、通関などの物壌婁蓄行っている。同グループはほかに船舶代理
贋金融(銀行・保険・信託)、不動薩開発、紅茶一貫生産販売などの企業も抱える。

鈴江コー求レーションにとって今回の海外インフラ整備は、申国、ベトナム、タ
イ、マレーシア、インドネシア、ミャンマーと、提携先のあるアラブ首長国連邦
(UAE)、南アフリカに次ぐもの。トルコと周辺国では日系企業の進出が続き、バン
グラデシュでも日本の開発援助などの貨物増加が期待される申㍉日本ど両国との
間の物流需要取り込みを図る方針だ。



■バングラデシュ 栄養不足改善へ有機農業を普及
 (日本農業新聞 2014年11月02日)

飢餓撲滅を目指す非政府組織(NGO)のハンガー・フリー・ワールド(HFW)が、バン
グラデシュで有機農業の普及に力を入れている。米と川魚を主体とする伝統的な
食生活に"異変"が生じているからだ。来日したHFWバングラデシュ支部のアタウル
・ラーマン・ミトン事務局長に聞いた。
報告によると、同国人ロ(1億5250万人)の8割が農村で生活している。その多くが
10日以上、魚や肉などを全く食べることができず、十分な栄養分を摂取していな
い。貧困に加え、貴重な栄養源となっていた川魚が捕れなくなっているからだ。
米の増産を優先し、大量の肥料や農薬を使用したことが背景にあるという。
同国の伝統的な主食は米と川魚。1970年代に同国で始まった大懲の肥料投入によ
る「緑の革命」の影響で、米の生産量は2000年代に10アール200キロ(精米ベース)
と倍増した一方、川魚は姿を消した。
そこでHFWは改善策として、同国北部と西部の2カ所に有機農業センターを設立、
化成肥料や農薬を使わない有機農業を普及している。現在、23村の400農家と連携
し、家畜ふん尿や植物由来の虫よけ剤などを活用した農業を実践。種も自家採種
している。
ミトン氏は「女性や子どもほど栄養不足が悪化する一方。有機農業を通じて壊れ
ていく伝統的な食生活を取り戻し、国民の健康を守りたい」と強調する。



■カジュアルのヨシダユウ キャラクター衣料で直営店
 バングラデシュ工場使い短納期供給
 (繊研新聞 2014年11月25日)

カジュアルカットソーメーカーのヨシダユウ(大阪、吉田裕紀社長)は、キャラク
ター物のカジュアル衣料や雑貨を扱う直営店「キャラクター・バスケット」(仮称)
を15年3月をめどにオープンする。当面は約33平方層の東京・浅草店、66平方渚の
お台場店の2店舗の予定で、中国や東南アジアからのインバウンド(訪日外国人)需
要を主に狙う。
商品は「ピーナッツ」「グレムリン」「ローリングストーンズ」「KIRIMIちゃん」
など既に展開しているブランドのほか、「クールジャパン的な」日本のアニメ関
連のキャラクター物も数多く並べる考え。様々なライセンサーと話し込みを進め
ている最中だ。自社契約商品に限らず、他社からの仕入れも増やす。アンテナショ
ップとして各ブランドの知名度を高め、既存の卸販売との相乗効果も創出する。

長くキャラクターのライセンス生産商品を量販店などに販売してきたが、価格対
応が求められる上、イベントなどで一気に売れることも多い。これに対応し、09
年にバングラデシュに設立した自社縫製工場「バングラジヤパン」を活用して短
納期で供給する仕組みを完成した。第1、第2工場合わせて約800人に陣容が増えた
バングラジャパンに素材をストック、工場への発注から最短10日間で店頭に投入
する。軌道に乗れば、インバウンド需要が見込める都市に店舗を広げ、将来はア
ジア展開も視野に入れる。
同社の事業の柱はライセンス商品の販売とOEM(相手先ブランドによる生産)。グル
ープ企業として、バングラデシュ工場のほか、同国やミャンマーへの進出に関す
るコンサルティング事務所、中国・杭州に素材貿易会社、タイにデザイン会社を
持つ。年商は国内11億円、バングラデシュ650万ドル、中国150万ドルなど。



■Asia EXPRESS バングラデシュ
 アパレル輸出大国、再び脚光 安全体制の整備へ
 (繊研新聞 2014年11月13日)

アパレル生産地としてのバングラデシュが再び脚光を浴びている。13年4月のラナ
・プラザの事故により、一時は欧米が工場の安全性などに疑問を持った。その後、
EU(欧州連合)やILO(世界労働機関)などと工場の安全性や労働者に関する協定を結
び、欧州のファストファッションブランドなどが生産を拡大している。日本も中
国でのコストアップに加え、円安傾向を受けて大手のアパレル企業や小売業がシ
フトを強めつつあり、日系縫製業は設備や人員を増強している。

低い人件費
バングラデシュでのアパレル生産のメリットは、労働コストの低さと、アパレル
輸出では世界第2位の「大国」である、という点が大きい。人口は1億5000万人を
超え、若年層も多く、ジェトロ(日本貿易振興機構)ダッカ事務所は「15年頃から
人ロボーナス期に入る」としている。同機構の13年の調査では、日系企業の賃金
(基本給・月額、製造業作業員)は中国の5分の1程度で、インドネシアの3分の1強、
ベトナムと比べても半分強と低い。
現地に進出している日系縫製業に聞くと、ダッカから遠いTMテキスタイル&ガーメ
ント(東レとマツオカコーポレーションの合弁)で80-100ドル、ダッカに近い小島
衣料の合弁、コジマ・リリック・ガーメントは残業代込みで平均120~130ドル程
度。EPZ(輸出加工区)にある丸久のマルヒサ・パシフィックは「当初は実質60~7
0ドルだったが、最低賃金が上がり、現在は残業込みで100ドル程度」という。
アパレル製造は同国の主力産業で、輸出額は中国とは大きく差が開いてはいるが、
世界第2位を占めている。12年年度(12年7月~13年6月)の輸出総額(FOB11本船渡し
価格)は11・3%増の270億ドルで、うち衣料品は215億ドルと約80%を占める。内訳
は布吊の既製服が110億ドル、ニット製品が105億ドル。世界市場でのシェアは中
国の37・3%に対して4・8%だ。13年年度も輸出総額302億ドル、衣料品は81%を占め
る245億ドルに拡大している。産業の規模は「5200社。労働者は400万人で、ミャ
ンマーの20倍」(伊藤忠商事)を誇る。ただ、事故や火災、労働者の保護など規制
強化の影響もあり「1000社が倒産する」(ジェトロ、商社など)とも言われている。

また、原料は輸入に頼るが、設備は「世界でも最新鋭設備」(BKMEA=バングラデシュ
・ニツト製品製造・輸出業協会)を備え、カットソーであれぱ生地の80%を国内で
調達できる。ただ、布吊生地は80%程度を輸入に頼り、「日本メーカーの進出に期
待」が高い。加えて、駐在員が口を揃えるのが「大変な親日国」であるというこ
と。特に、日本政府が60億ドルの経済協力を約束するなど関係が深まり、日本の
技術や資本を活用した経済発展、衣料品で言えば品質向上など高度化への期待は
高まるばかりだ。

日系工場が頼り
一方、衣料品輸出に占める日本向けのシェアは12年度2・2%、13年度も2・3%に過
ぎず、「せめて10%にしたい」(伊藤忠)という。ユニクロやイトーヨーカ堂向けな
ど、大手のアパレルや小売業向けのカットソーやジーンズなどは拡大しているが、
各商社の扱いはまだ数十億円程度。日本のアパレルや小売業は「日本から見ると
タイやミャンマーより西は遠く、意外に深い断絶がある」(丸紅)と見ており、バ
ングラデシュへの関心を高めるための方策を検討している。
また、イスラム教徒が大半を占め、日本との文化的な違いも大きい。電力や道路
などインフラ整備の遅れなども懸念材
料だ。国政も短期間に政権が交代し、長期的な産業政策に欠ける。一方、時には
死傷者も出るハルタルと呼ばれる反政府抗議活動は「最近は再び増えているが、
数年前と比べれば頻度も規模も縮小」(丸紅)している。
また、現地企業は欧米向けが中心で「輸出先の90%は欧米」(BKMEA)。多品種小ロ
ット生産が主力の日本向けはなじみが薄い。また、韓国や、最近は日本向けに慣
れた中国の縫製企業も進出はしているが、「東南アジアと違い、華僑ネットワー
クが薄い」(日系縫製業)。対日輸出には「一部、欧州ブランドのドロップシップ
も含まれているのではないか」(丸紅)とみられるが、主力は日系に頼らざるを得
ない。
ジェトロの調べでは、日系アパレル製造業は現在、20社近くが進出しているが、
「撤退も多い」という。その中では、カットソーを一貫生産する丸久のマルピサ
・パシフィックは年内に2500人規模への増設を終え、現在のTシャツ換算月産80万
枚を25%程度拡大する。小島衣料の現地合弁で、スーツなど婦人重衣料全般を中心
に生産するコジマ・リリック・ガーメントは毎年設備や人員を拡大し、現在は人
員1550人、月産最大12万着を誇る。以前から現地に進出しているマツオカコーポ
レーションと、東レの合弁による機能インナーウエァを一貫生産するTMテキスタ
イル&ガーメントはすでに3000人以上の規模だ。
現地への製造業の進出では「EPZ(輸出加工区)以外では、合弁以外は事実上難しい」
(コジマ)という問題もあった。EPZは独資可能で、無税で輸出入もできる。しかし、
EPZ外はBOI(投資委員会)の認可のほか、輸出入に関わるライセンスを取得するた
めにBGMEAやBKMEAに加入する必要があり、「スーツなど高付加価値品以外は、基
本的には外国の独資は受け付けない」(ジェトロ)仕組みがある。土地の収用など
も自ら行う必要がある。

日本の技に期待
最近は、日本との経済協力の強化に合わせ、アパレルの対日輸出強化へのかじが
切られた、全国に8カ所あるEPZのうち、ダッカやチッタゴン周辺はすでにいっぱ
い。そこで、EPA内にレンタル工場ビルを作り、日本企業に優先契約権が付与され
ている。また、BGMEA、BKMEAともに「独資であっても日本企業であれば歓迎する」
という姿勢に変わってきた。
また、対日輸出だけでなく、欧州向け輸出の可能性や条件も広がる。検品のPQC(
パシフィック・クオリティー・コントロールセンター)は「工場経営も検品も、小
売業もグローバル化していく必要がある」と指摘する。日系縫製業も「市場開拓
は難しいが、欧米向けもトライアルしている」(小島衣料)、「すでに一部取り組
んでおり、増設により拡大したい」(丸久)としている。



■アパレル輸出大国 バングラデシュの挑戦(上)=縫製業の規模はミャンマーの
20倍
 (繊研新聞 2014年11月18日)

縫製工場が入る商業ビル、ラナ・プラザが崩壊して多数の死傷者を出してから1年
半。バングラデシュがアパレル生産国として再び注目を集めている。日本では円
安が続き、為替はードルーー110円を超えた。中国から生産を移転している東南ア
ジアにおいても、人件費上昇が続き「ベトナムやイン下ネシアでもコストが合わ
ない」といった悲鳴が上がる。ライバルのミャンマーではヤンゴン周辺の人手不
足が表面化しており、消去法でなくともバングラデシュの競争力が浮かび上がる。
日本向けのアパレル生産・輸出の拡大には課題も多いが、アパレル輸出で中国に
次ぐ世界2位という「大国」への期待は高まっている。

フル稼働、増設ヘ

ダッカ中心部から渋滞と工事中の道路を車で約2時間。郊外のアダムジーEPZ(輸出
加工区)にたどり着く。09年に進出した丸久の現地工場、マルヒサ・パシフィック
は「一時は政治的な問題や(ラナ・プラザの)事故の影響でイメージは後退したが、
現在は順調」(山本周治社長)に生産を拡大している。同社は子供服で知られるが、
現地では日本の大手GMS(総合小売業)向けを主力に、婦人や紳士を含めてカットソ
ーの編み立てから染色、プリント、縫製まで一貫生産し「縫製はフル稼動」の状
態が続く。最近増えているのはSC向けの専門店チェーンなど大手企業だ。
受注増に対応して工場の増設を続けており、2200人体制から第4期となる今年12月
には2500人へと拡大。現在の生産量はTシャツ換算で月間80万枚だが、増設によっ
て25%程度増える。これを機に、「今までは多品種少量生産が主力だったが、量産
も可能になり、欧州向けも拡大したい」考え。受注増や年間を通じた生産の平準
化は、本社の営業活動があってこそだが、現地でも「アクリルを使った製品も開
発中で、客先の拡大につながる」と努力を重ねている。
近代的なビルも多いビジネスの中心地、グルシャン2に拠点を構える伊藤忠商事ダ
ッカ事務所。現地の日本商工会会頭も務める岡本壮史所長は「日本の繊維やファ
ツション分野の企業がもっとバングラデシュに注目して欲しい」と呼びかける。
安倍首相が60億ドルの経済支援を表明したこともあり、内外から「プラントやイ
ンフラ関係の来客は多い」。だが、アパレル輸出となると商社の扱いもまだ数十
億円程度にとどまる。

繊維企業集めて会合
そこで最近初めて、商工会で繊維関連の企業を集めた会合を開いた。縫製やアパ
レル関連の企業が集まり、「キャラクターやタレントも使い、ダッカ発のイメー
ジを日本に発信」するなど対策を話し合った。
バングラデシュはイスラム教徒が多く、日本との文化や習慣の違いが大きい。政
情が不安定で、以前は毎月のように反政府デモ(ハルタル)が行われ、時には死傷
者も出る。こうした事情も背景にはあるが、製造業の「ラスト・フロンティア」
ともいわれるミャンマーへの関心の方が高くなっていることが大きい。
しかし、現地の関係者は異口同音に「バングラデシュとミャンマーでは繊維・ア
パレル産業の規模が違う」と強調する。ジェトロ(日本貿易振興機構)が作成した
資料によれば、輸出志向の縫製工場はバングラデシュ5600対ミヤンマー150~200、
縫製労働者は400万人対12万~15万人と大きな差があり「日本では同列視されるが、
20倍以上の開きがある」(岡本所長)。
物流のリードタイム(船便)はミャンマーやカンボジアなどと同様に17~18日程度。
現地で委託が可能な工程は、バングラデシュでは編み立て、染色、裁断、プリン
ト、縫製まで一貫生産が可能。しかし、ミャンマーはCMPと呼ばれる裁断と縫製だ
け。賃金は地域によっても差があるが、ほぽ同水準だ。

日中韓向けを半分に
13年度(13年7月~14年6月)のバングラデシュからのアパレル輸出は13・8%増の24
5億ドルに達した。同国の輸出総額の81・1%を占め、世界市場でのシェアは12年に
4・8%。中国の37・8%とは差が大きいが、世界第2位を占める。
しかし、日本向けのシェアはこれまで2%前後でしかない。岡本所長は「せめて5倍
の10%程度にはしたい」と言う。BKMEA(バングラデシュ・ニット製品製造業・輸出
業協会)のモハメド・ハテム副理事長も「現在の輸出先は90%が欧米向けだが、10
年後には日本や韓国、中国向けなどが半分程度を占める」と期待する。
ただ、欧米向け主力に発展しただけに、多くの現地工場は日本向けに不可欠な多
品種・少量生産、高品質のアパレル生産は不得手だ。ハテム副理事長は「現地企
業は少量生産にも対応できるが、日本の企業が信用していない」ことが問題とい
う。
一方、岡本所長は「(現地の)繊維業界全体が日本仕様になる必要がある」とみる。
そのためには、日本企業がもつ素材開発力、品質管理、技術の導入が欠かせない。
まだしばらくは、日系縫製業が対日輸出拡大のリード役を務める必要がある。



■アパレル輸出大国 バングラデシュの挑戦(中)=日系縫製工場 技術、品質で
リード
 (繊研新聞 2014年11月19日)

アパレル輸出では世界第2位のバングラデシュだが、生産品目はカットソーやジー
ンズが中心。付加価値の高い重衣料の生産は珍しい。そこに10年8月、小島衣料が
現地企業との合弁で婦人重衣料中心のコジマ・リリック・ガーメントを設立。BG
MEA(バングラデシュ縫製品製造・輸出業協会)から12~13年度の外資系合弁部門の
最優秀縫製工場として表彰された。
工場はダッカの北、ガジプールにあり、生産開始は11年11月。現地に駐在する小
島高典常務は「合弁でなければ新興国への参入が難しい。しかも、EPZ(輸出加工
区)以外では合弁以外に選択肢がなかった」と振り返る。バングラデシュでは、輸
出入に関わるライセンスを得るため、現地の縫製やニットの協会に加入する必要
がある。しかし、当時は日系といえども独資での加入は難しかった。

他国とすみ分けも
それから丸4年。毎年のように増設を重ね、現在は24ライン。人員は1550人体制で
月産最大12万着、平均10万~11万着を生産している。日本の大手GMS(総合小売業)
や紳士服チェーン向けが多く「コスト高の中国で縫えない製品がどっときている」
。ライバルはベトナムで「リードタイムでは負けるが、コストでは勝てる」と言
う。ただ、「ファッション製品は在庫ビジネスと違って計画生産が難しい。ピー
ク時はパンパンだが、2~4月は閑散期」となる。
小島衣料は今年6月、ミャンマー工場も稼働した。GMS向けなどを徐々に移し、バ
ングラデシュでは「百貨店や専門店向けの難しい商品にも挑戦する」考え。パタ
ーン修正や技術力向上で多品種・少量生産への切り替えを進めている。現在の生
産効率は「中国の70~75%だが、あと1年で90~100%に高める」方針だ。

品質は工場の利益
ガジプールからさらに工事中の道路を2時間近く。バルカにあるのがTMテキスタイ
ル&ガーメント。農村の小道を進むと、近代的な工場が姿を現す。早くから現地に
進出していたマツオカコーポレーションと、東レとの合弁で10年4月に縫製、同年
8月に編み立てと染色が稼働した。増設も進み、日系では最大規模の体制で、大手
SPA(製造小売業)向けの機能性インナーウエァを編み立てから縫製まで一貫生産し
ている。
進東正弘社長は「不良品を出さなければ、工場の利益になり、収入が増える。客
先のためだけではない」と従業員に徹底している。要望があれば第三者検品も行
うが、基本は自前で全量を検品し、取引先からの信頼も厚い。しかも、日本人の
駐在は2人だけで、1人は東レからの生地の担当。中国人スタッフも生地担当で「
縫製部門は全てローカル」だ。生産性は「品質を考えなければ、中国並みも可能。
検査の工程が多い分、効率は落ちる」という。
品質管理は技術面だけでなく、生活習慣にも及ぶ。現地では食事を手で食べる習
慣があるが、社員が使用する食堂ではスプーンの使用を徹底。手洗いも作業前だ
けでなく、作業中も定期的に実施。工場に虫が入らないよう、建物は2重3重にガ
ードし、敷地内に雑草さえ生やさない徹底ぶりだ。



■アパレル輸出大国 バングラデシュの挑戦(下)=広がるグローバル展開の可能

 (繊研新聞 2014年11月20日)

バングラデシュではラナ・プラザの事故以来、国や業界を挙げて工場の安全や労
働者保護の対策を進めてきた。しかし、TMテキスタイル&ガーメントでは、それら
は「何の影響もない。もともと鉄骨作りで、安全対策や衛生面も徹底している」
(進東正弘社長)と強調する。
安全対策は危険予知など「50年以上の実績があるタイ東レの活動に学び、縫製工
場でここまで必要なのか、と言われるほど徹底している」。社員食堂の厨房はま
るで日本のように衛生管理が行われ、飲料水には東レの逆浸透膜を使う。医務室
には医師が常駐し、自前の救急車まで用意。有資格者のいる託児所まで設け、CS
R(企業の社会的貢献)として工場周辺の道路整備などにも資金を供出している。

欧州向け拡大へ
日本へのアパレル輸出拡大では、こうした技術や品質など様々な面でリードする
日系企業の役割が大きく「対日輸出の大半は日系工場と欧州ファストファッショ
ン」(丸紅)が占める。しかし、工場の「新規進出には数億円単位の投資が必要」
(コジマ・リリック・ガーメント)で、中小が多い日系企業の進出は限られる。新
規進出の一方で「撤退も多い」(日本貿易振興機構ダッカ事務所)という。
一方、輸出先は日本だけとは限らない。ある関係者は「韓国企業は欧米向けで財
を成し、オーナーが自家用ジェットで世界を飛び回っている」という。日系工場
の欧米向けは「工場の規模が小さく、一度やれば(欧米仕様のもの作りに)全て染
まってしまう」と二の足を踏む傾向も残るが、各社とも増設により力を入れる考
えだ。

中国系活用も制約
もう一つは、東南アジア同様、中国系などの工場を活用する方法だ。途上国の検
品を行うPQCの柴原敏宏会長は「東南アジアへの生産シフトと言うが、多くは中国
や韓国系企業の進出に伴うもの」と指摘する。日本で発注可能な企業も多く、対
日に慣れた利便性は高い。ただ、現地では事情が違い「インド商人の影響力が大
きく、華僑のネットワークはそれほど強くない」(コジマ)ことが難点として挙げ
られる。

現地企業と組んで
製造業であれば、日本以上に大きな欧米市場を意識するのが当然だ。そうなると、
日本向けのアパレル生産は日系や中国、韓国系の企業に頼る構図を変える必要が
ある。現地企業との取り組みをどう拡大するかが大きな課題となっている。
バングラデシュ・ニット製品製造業・輸出業協会のモハメド・ハテム副理事長は
「(現地企業も)日本向けは対応できる」という。しかし、それには「やればもう
かる」(伊藤忠商事)という実績を積み重ねていく必要がある。日本がアパレル生
産で頼ってきた中国は「日本の企業が技術や品質管理を教えてきたが、バングラ
デシュの企業は、最初から欧米向け」で、大ロットの計画生産型だからだ。
そのため、産業が「草の根から日本向けに変わる必要がある」(丸紅)という指摘
は多いが、日本側も変わる必要がある。コスト最優先の発想を変え、安定供給に
向けた品質管理や生産計画を根本から作り直す。それができれば、アパレル輸出
で世界2位というバングラデシュの実力を生かし、日本企業もアジア市場を中心と
したグローバル展開が可能になっていくはずだ。



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