弁当日記

ADACHIの行動記録です。 
青年海外協力隊で2006年4月からバングラデシュに2年間住んでました。

バングラデシュのニュース(2019/10/14)

2019年10月15日 | バングラデシュのニュース

■見出し(2019年10月14日) No2019-44
〇河井法務大臣が,バングラデシュ海外居住者福祉厚生・海外雇用省大臣による
 表敬を受けました 
〇2018/2019年度に過去最大の税収額を見込む
〇2018/2019年度の経済成長率は8.1%、アジア大洋州で最高とADB
〇バングラデシュの一部に対する危険情報が引き下げに
〇バングラデシュ、世界銀行の投資環境ランキングで大幅改善の見込み
〇ガス価格の引き上げとガス効率化への取り組み
〇19年のアジア新興国5.4%成長に引き下げ ADB予測
〇JERA、バングラ発電最大手に2割出資 350億円
〇医療とAIで、途上国に医療革命を。新たな世界は「つなぐ」ことで訪れる。
 Healthcare 酒匂真理
〇札幌の調和技研、バングラデシュでAI開発 IT企業と提携
〇掃海母艦「ぶんご」、バングラデシュ海軍と親善行事・親善訓練を実施
〇海上自衛隊はバングラデシュ海軍と親善行事と訓練
〇100年のアジア美術巡る 「福岡アジア美術館」開館20年記念展が開幕
〇バングラデシュ食業界の今とこれから
〇グラミン銀行創設でノーベル賞受賞のユヌス氏に逮捕状、バングラデシュ
〇ノーベル平和賞のユヌス氏に逮捕状 首相との確執背景か
〇商業には本来、人をひき付ける力がある ファストリ・柳井正氏(16)
〇バングラデシュの学校にトイレと井戸を寄付した久保田さんから現地の
 報告が届きました 
〇中・ミャンマー・バングラが3つの共通認識に達する

■河井法務大臣が,バングラデシュ海外居住者福祉厚生・海外雇用省大臣による
 表敬を受けました 
 http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho06_00715.html
 (法務省 2019年10月9日)

 令和元年10月9日(水),河井法務大臣は,バングラデシュのイムラン・アフマド海
外居住者福祉厚生・海外雇用省大臣による表敬訪問を受けました。概要は以下のとおりで
す。

 河井法務大臣は,アフマド大臣の来省を歓迎するとともに,本年8月に署名した在留資
格「特定技能」に係る協力覚書に基づく協力や共生社会の実現について意見交換を行いま
した。

 

■2018/2019年度に過去最大の税収額を見込む
 https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/09/e13be8693a4e80ef.html
 (日本貿易振興機構 2019年9月27日)

 バングラデシュは、2018/2019年度に前年度比8.5%増の2兆2,389億タカ(約2兆9,106
億円、1タカ=約1.3円)と過去最大の税収額を見込んでいる(添付資料参照)。税収の構
成としては、直接税の所得税が32.1%に対し、関税や付加価値税、補足税などの間接税が
66.4%を占めている。税収の伸び具合をみると、所得税は11.2%増、付加価値税は14.6%
増と大幅な伸びを見せる一方で、関税は0.9%減、ぜいたく品の消費などに課せられる補
足税は2.7%減という。

日本の財務省によると、日本の直接税と間接税の比率である「直間比率」(2016年実績額
ベース)は66対34となっており、他のOECD諸国でも直間比率は、米国78対22、英国57対43
、ドイツ54対46、フランス55対45と直接税の比率が高い傾向にある。バングラデシュの直
接税の比率は過去10年で微増しているものの、直接税の徴税能力を低さが課題と指摘され
る。

一方、徴税の現場では、所得税法施行規則93項4〔Income Tax Ordinance 1994. 93(4)
(b)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕に基づき、歳入庁は過去6年間の所得
税を確認することができるため、進出日系企業に対しても、歳入庁が過去の年度の所得税
額を見直して追徴課税を課す問題が発生している。歳入庁から通告が来た場合には、事実
関係を証明するなど、適切で迅速な対応が求められる。

 添付資料PDFファイル(53 KB)
 https://www.jetro.go.jp/view_interface.php?blockId=29216758

 

■2018/2019年度の経済成長率は8.1%、アジア大洋州で最高とADB
 https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/10/8c6b5db72f005e4f.html
 (日本貿易振興機構 2019年10月11日)

アジア開発銀行(ADB)は9月25日、「Asian Development Outlook 2019 Update」PDFファ
イル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。ADBはアジア大洋州地域
における各国の経済見通しを年2回発表しており、今回の発表では、バングラデシュの
2018/2019年度(2018年7月~2019年6月)の経済成長率を8.0%から8.1%に上方修正し、
続く2019/2020年度の経済成長率を8.0%と予想した。これはADBの調査対象のアジア大洋
州地域の全45カ国・地域で最高だった。

バングラデシュが高い経済成長率を達成できている背景として、ADBは、(1)ODAによる
インフラプロジェクトを中心とする公共投資、(2)輸出額の8割を占める縫製品の輸出増
加、(3)海外労働者からの送金によって支えられている堅調な内需があると分析する。

報告書によると、2018/2019年度のバングラデシュの輸出は、これまでの主要な輸出先で
ある欧米諸国から日本を含む新興市場の開拓が進んだことに加え、米中貿易摩擦の影響で
バングラデシュが生産代替地の1つとなったことで、2018/2019年度は輸出金額が10.1%
増加したと分析。実際に米国のバングラデシュからの縫製品の輸入額(1~6月)は前年同
期比12.6%増加している(表参照)。今後も米中貿易摩擦の影響により、ADBは2019/
2020年度の輸出額が前年度比10%程度増加すると見込む。

2018/2019年度の輸入は、食料品や消費財の輸入が減少した結果、前年度比1.8%増にと
どまったとした。2019/2020年度には、インフラプロジェクトの実施や設備投資の増加、
液化天然ガス(LNG)の輸入により10%程度の増加を予想する。

貿易収支については、2017/2018年度の185億ドルの赤字から155億ドル(2018/2019年度
)の赤字へと縮小した。また、海外労働者からの送金は、送金手数料の減少と無許可業者
への取り締まり強化などにより、2018/2019年度は164億ドルと高い水準となった。その
結果、経常収支は、2018/2019年度は53億ドルの赤字(GDP1.7%相当)となり、前年度の
96億ドルの赤字(GDP3.5%相当)から大幅に改善した。

ADBは、2018/2019年度の物価上昇率について、好調な農業生産と国際食料価格の安定、
石油価格の低下などにより5.5%になったとしたが、2019/2020年度はガス料金や電気料
金の引き上げ、付加価値税(VAT)の課税範囲の拡大、通貨タカ安などにより前年度を上
回る5.8%になると見込む。

 

■バングラデシュの一部に対する危険情報が引き下げに
 https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/10/2126a83e6fb6c354.html
 (日本貿易振興機構 2019年10月07日)

日本の外務省は10月4日、バングラデシュの一部地域に対する危険情報を引き下げた。
2015年10月に北部ロングプールで発生した邦人殺害事件、2016年7月に首都ダッカで発生
し邦人7人を含め外国人が殺害されたテロ事件以降、バングラデシュ全土で危険情報がレ
ベル2(「不要不急の渡航はやめてください」)の状態が継続されていたが、今般、ダッ
カ、チッタゴン丘陵地帯を除くバングラデシュ全土で、危険情報がレベル1(「十分注意
してください」)に引き下げられた(添付資料参照)。ただし、在留邦人や日系企業の多
くはダッカにおいて活動するため、引き続き警戒が必要とされる。

2016年のテロ発生以降、バングラデシュの治安当局による大規模かつ集中的な捜査や警備
強化もあり、外国人の被害を伴う新たなテロ事件は発生していない。一方、ダッカにおい
ては、2019年4月に発生したスリランカのテロ事件以降、バングラデシュの警察官などを
標的とする爆弾テロ事件が複数回発生しており、治安当局によるテロ組織の掃討作戦も継
続して実施されていることから、引き続きの警戒が必要だ。特に宗教関連の祝祭日やイベ
ントなどについては一層の注意が欠かせない。

バングラデシュ進出日系企業においても、駐在員の居住地域の制限、夜間の外出や外食を
控える、車での移動を徹底するなどの対策を継続的に行っているところがあり、同様の安
全対策は今後も求められるだろう。国外からバングラデシュに出張する際には、「たびレ
ジ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に登録し、常に最新の現地情報を入手す
るなどが必要だ。

 添付資料PDFファイル(95 KB)
 https://www.jetro.go.jp/view_interface.php?blockId=29273390

 

■バングラデシュ、世界銀行の投資環境ランキングで大幅改善の見込み
 https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/10/d9a4f816bf51aa07.html
 (日本貿易振興機構 2019年10月04日)

世界銀行は9月27日、各国の投資環境ランキング「Ease of Doing Business」(以下、
Doing Business)の2019年版(「Doing Business 2020」)において、大きくスコアの改
善を達成した20の国・地域を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。バン
グラデシュは、この20カ国・地域に名を連ねた。ここ数年はランキングの改善はみられな
かったが、最新のランキングでは大きな改善がみられるもようだ(表1参照)。国・地域
別のランキングと各国別の調査結果の詳細については、2019年10月24日午前9時(日本時
間:同日午後11時)に発表の予定だ。

Doing Businessは、世界銀行が法人設立、建設許可、電力事情、不動産登記、信用供与、
少数投資家保護、納税、輸出入、契約執行、破綻処理の10分野において、各国・地域の現
況を調査し、手続き数、時間、コストなどの観点で評価する。バングラデシュは、直近の
Doing Business2019では、全190カ国・地域中176位と低位にあり、投資環境改善が急務に
なっており、政府は2021年までに99位以内入りすることを目標に投資環境の改善を急いで
いる。

なお、今回の世界銀行の発表によれば、バングラデシュの投資環境改善のポイントとして
は、以下の点が評価された(表2参照)。特に、日系企業の進出・活動に関わる法人設立
における改善がされたことは評価できる一方、今後は、納税、輸出入分野における改善と
、より一層の行政手続きの簡素化、オンライン化が必要となるだろう。

 

■ガス価格の引き上げとガス効率化への取り組み
 https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/1fce00381af74d9b.html
 (日本貿易振興機構 2019年10月01日)

バングラデシュは天然ガスの産出国であるが、経済成長により産業用、民生用ともに需要
が増えており、2018年にはカタールから液化天然ガス(LNG)の輸入を開始した。今後も
ガスの需要は増加する一方で、2020年以降は国内ガス生産が減少すると予想されている。
特に発電用エネルギーの約7割は天然ガスに依存していると言われており、ガス公社は
2019年7月から国内ガス価格を引き上げた。天然ガスの埋蔵量も限界がある中で、日本企
業が円借款事業で天然ガスの効率化を進める取り組みを行っている。

一気に引き上げられたガス価格
バングラデシュでは、政府の要請に基づき、ガス公社が2019年7月からガス価格を引き上
げた。産業用では価格変更前と比べて37.9%、家庭用でも38.5%(メーター利用時)上昇
し、収益や家計を圧迫する要因となっている(表参照)。国内の天然ガスの埋蔵量は2020
年以降減少するという推計があり、海外からの天然ガスの輸入が増えれば、ガス代のみで
なく、電気代への影響も出てくることが予想される。

プリペイドメーターによるガス消費の効率化
こうした情勢の下、バングラデシュで家庭用ガスの利用効率化に取り組む日本企業がある
。株式会社ヘリオス・ホールディングス(本社:愛知県豊橋市、以下ヘリオス)は、2017
年から国際協力機構(JICA)の円借款事業として天然ガス効率化事業 (コンプレッサー、
ガスパイプラインおよびプリペイド式ガスメーター)の1つである、プリペイド式ガスメー
ターの設置を進めている。すでにこのプリペイドガスメーターは、ダッカで20万世帯、チ
ッタゴンでは6万世帯に導入された。円借款事業の施主であるガス公社は、2020年、ダッ
カにおいて追加で12万世帯へ導入したいと表明している。

現在、ダッカで都市ガスが開通しているのは250万世帯と言われ、毎月定額を支払う方式
が一般的だ。月額800タカ(約1,040円、1タカ=約1.3円)を払えば、ガスは使い放題とな
るため、ガスコンロの火を消さずに、つけたままにする家庭があるなど浪費が横行してい
る(2019年7月以降は975タカに値上がり)。今回、ヘリオスが導入しているメーターは、
プリペイド式で、指定の店舗でカードに入金を行い、ガスメーターにタッチをすると、チ
ャージした分だけが利用できるシステムだ。現在、ガスが定額制であることがモラルハザ
ードを生じさせ、ガス料金を割高にする要因と考えた上での対策といえる。プリペイドガ
スメーターを導入することは、ガス利用の効率化ならびにガス料金の節約にもなる。ヘリ
オスの山下斎(やましたひとし)国際事業部長は「ガスメーターを利用している家庭に対
してヒアリングを行ったところ、ガス料金が導入前の800タカから2~4割安くなった」と
いう声が多いという。

現在導入を進めているのは、ダッカ市内の北西部のミルプール(10万世帯)、北部のウッ
トラ(2万世帯)、東部ランプーラ(2万世帯)、西部カントンメント (1万世帯) 、東部
ボシュンドラ (1万世帯)など、中間層が居住するエリアだ。プリペイドカードにチャージ
できる店舗は120カ所で、当初の計画より70カ所増やして利便性を高めている。チャージ
に際しては、地元銀行が運用する「Uキャッシュ」という決済システムを利用している。

事故防止で安全面も強化
ガスメーターの導入は、安全強化にも貢献する。ヘリオスによると、現在1日につき、50
カ所で500台のメーターを設置しているが、その過程で作業者がガス漏れに気付くことが
あり、ガス管の補修や減圧のためのレギュレーターを交換することで、ガス漏れを解消で
きることもあるという。さらには、地震発生時などに感震器が作動しガス供給を停止でき
るといった防災上の効果も期待できる。日本では計量法において、ガスメーターは7~10
年に1度の検査を求められているが、今後はバングラデシュでも同様の法整備を進めてい
く必要があるとみられる。

また、ダッカ市内では、違法なガス供給ラインもこれまでに1,000件以上発見されており
、本事業は、ガス会社が対応しきれていなかった盗ガス対策にも寄与している。

システム統合がガスメーターと効率的なガス利用普及へのカギとなるか
今回のプロジェクトでは、ダッカの都市ガス世帯の約10%をカバーすることになるが、今
後は都市高速鉄道(MRT)で日本のフェリカの技術が利用されることが決まっており、料
金決済を可能とするための役割を果たす「クリアリングハウス」の設立と並行し、ガスメ
ーターとMRTの決済システムを統合し、カードの共通化が進めば、バスや鉄道、ガスが1枚
のカードで利用可能になる。これは、ガスや交通機関を利用する顧客にとっては、カード
へのチャージができる拠点が爆発的に増え、利便性が非常に高まるだけでなく、メーター
の普及やガスの効率的な利用も一層進むと期待される。

現在、バングラデシュでは経済発展を支えるエネルギー関連事業が活発に展開されており
、JICAはLNG浮体式貯蔵再ガス化設備(FSRU)への融資を行っている。バングラデシュ政
府には、円借款で開発中のマタバリ商業港を拡張し、将来的にLNG、液化石油ガス(LPG)
の受け入れターミナルを設置する計画がある。今後、産業の多角化や消費市場の拡大に対
応するには、資源利用の効率化を並行して進めていく必要がある。今後は省エネの技術や
機器などに強みを持つ日本企業が、こうした設備投資をサポートする形でバングラデシュ
市場に参入する余地は大きいといえるだろう。

 

■19年のアジア新興国5.4%成長に引き下げ ADB予測
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50172310V20C19A9EAF000/
 (日本経済新聞 2019年9月25日)

【マニラ=遠藤淳】アジア開発銀行(ADB)は25日、2019年のアジア新興国(アジア大洋州
の45カ国・地域)の国内総生産(GDP)の前年比伸び率が5.4%になる見通しだと発表した
。7月時点の予想から0.3ポイント下方修正した。米国と中国の貿易摩擦が激化しているこ
とから、輸出国を中心に引き下げた。

19年の見通しは01年(4.9%)以来の低い伸びとなる。日本は対象に含まれていない。東南
アジアは4.5%成長と、0.3ポイント下方修正した。世界貿易の影響を受けやすいシンガポ
ールを1.7ポイント下げて0.7%、タイを0.5ポイント下げて3.0%とした。

香港は0.3%成長と、2.2ポイントの大幅な下げとなった。世界貿易の低迷に加え、「逃亡
犯条例」改正案を発端とする抗議活動が経済の重荷となる。中国は米国との貿易摩擦が直
撃するものの、内需が底堅く政府支出が下支えするとして、6.2%と0.1ポイントの下方修
正にとどめた。

半導体市場が好不況を繰り返す「シリコンサイクル」もアジア経済への影響が大きいとい
い、足元で続く調整局面が影を落とす。半導体産業を屋台骨とする韓国は2.1%成長と見込
み、0.3ポイント下方修正した。日本の貿易管理を巡る日韓対立の影響は織り込んでいな
いものの、「20年以降に影響が出てくる可能性がある」(ADBの沢田康幸チーフエコノミ
スト)。

20年のアジア新興国の伸びは5.5%となり、やや持ち直す見通しだ。内需が堅調なインドは
7.2%でバングラデシュの8.0%に次ぐ高い伸びとなる。鈍化傾向が続く中国にかわり、南ア
ジアが成長のけん引役として存在感を高めそうだ。

ADBは毎年4月ごろに加盟国・地域の経済成長予測をまとめた「アジア経済見通し」を発表
し、四半期ごとに見直している。

アジア新興国のGDP伸び率は、中国の高成長を原動力に10年に直近のピークの9.2%を付け
た。中国経済の減速を受けて12年から6%台の成長が続き、18年に5.9%に鈍化していた。

 

■JERA、バングラ発電最大手に2割出資 350億円
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50699760X01C19A0TJ2000/
 (日本経済新聞 2019年10月7日)

東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資するJERAは7日、バングラデシュ発電事
業者で最大手のサミット・パワー社に出資したと発表した。約350億円を投じ、同社の発
行済み株式の22%を取得。JERAは国内火力発電の最大手だが、人口減少で日本の電力需要
は縮小傾向にある。バングラデシュは経済成長で電力需要が伸びており、海外事業を伸ば
したい考えだ。

サミット・パワー社はバングラデシュの複合企業、サミット・グループ傘下の企業。ガス
や石油火力を中心に同国の発電容量の12%に相当する約183万キロワットの発電設備を運営
しており、足元ではさらに約59万キロワットの発電所の建設を進めている。JERAは同社に
役員や社員らを派遣し、現地の発電所の効率的な建設や運営を支援する。

JERAは2019年に入り、同国での事業を拡大している。バングラデシュは11~18年の電力需
要が年平均で10%伸びたとされているためだ。

19年9月には日本企業として初めて、バングラデシュでの発電事業に参画すると発表した
。インドの発電会社のリライアンス・パワーと共同で、首都ダッカ近郊にガス火力発電所
を新設する。稼働開始から22年間にわたって全量を国に売電する長期契約を結んだ。JERA
は今後も電力需要が伸びるとみて、同国での事業を強化する方針だ。

 

■医療とAIで、途上国に医療革命を。新たな世界は「つなぐ」ことで訪れる。
 Healthcare 酒匂真理
 https://wired.jp/waia/2019/06_mari-sakoh/
 (WIRED 2019年10月4日)

かつて農学の研究者を目指していた酒匂真理は、いま人工知能(AI)などのテクノロジー
を用いることで、バングラデシュの医療体制を根底から変えようとしている。大きな転換
をもたらそうとしている彼女自身もまた、自らの生を何度もラディカルに問い直していっ
た人物だった。なにしろ池袋の路上でスカウトされたのが転機だったというのだ。そこか
ら現在にいたる道筋とその理由を知ることは、イノヴェイターの生き方を知ることにもつ
ながってくる。
 

人工知能(AI)を用いた検診・遠隔医療システムを途上国へと広めていく──。そんな“
硬質”ともいえる事業内容とのギャップに驚くほど、miupを率いる酒匂真理は向こう見ず
な心性をもち合わせている人だった。確かな見識をもつ一方で、インタヴューの後半で語
られた波乱万丈の日々、激動の変化を生きる喜びを、彼女はいま噛みしめている。

──miupはAIなどを用いた検診・遠隔医療システムの研究開発を進めています。どういっ
た仕組みなのか、またどのようにバングラデシュで広めていこうと考えているのか、最初
に教えていただけますか。

わたしたちがバングラデシュに進出した当初から取り組んでいる事業なのですが、バング
ラデシュの農村部は1,5000人の住民に対して医師が1人しかいないような状況なんです。
その一方で、ジェネリック医薬品が主要生産国でもあることから大量生産されて流通して
おり、薬局の数もとても多いので安価で手に入れられます。ただ、きちんとした資格もな
く処方している薬局も多く、どんな症状であろうと抗生物質を処方するようなことは日常
茶飯事で、抗がん剤のような命にかかわる薬であっても、ノンプロフェッショナルかつイ
リーガルな薬局で売買されてしまうことがあるんです。

WIRED Audi
INNOVATION
AWARD 2018
優れた発想力と革新によって「新しい未来」をもたらすイノヴェイターたちを支えるべく
、『WIRED』日本版とAudiが2016年にスタートしたプロジェクトの第3回。世界3カ国で展
開されるグローバルプロジェクトにおいて、日本では世界に向けて世に問うべき"真のイ
ノヴェイター"たちと、Audiがもたらすイノヴェイションを発信していきます。

こうした事態に対してわたしたちは、もともとAIを用いて人的コストを削減しながら、症
状やヴァイタル値から統計的処理を行い、罹患している可能性の高い疾患や処方箋を示唆
する診断補助システムや、遠隔医療のシステムといったものの開発を進めてきました。い
まはここからさらに発展して、国際協力機構(JICA)のSDGsビジネス助成制度で支援いた
だきながら、機械学習を用いた“予測”の領域に踏み込んで、実証実験を進めています。

──“予測”のシステムとは、どのようなものなのでしょうか。

患者さんたちの大量かつ詳細なヴァイタルデータや問診の結果を分析した上で、その相関
を機械学習にかけ、将来の健康リスクを計算し、改善をアドヴァイスするシステムです。
というのも、バングラデシュではいま、糖尿病といった慢性疾患が爆発的に増えているん
ですよ。それなのに健康診断は普及していませんし、慢性疾患は自覚症状が出てから対処
するのでは、すでにかなり進行してしまいがちです。そこで精度の高いシステムによって
、これらの慢性疾患を早めにスクリーニングすることを目指しています。

──慢性疾患が広がっている背景には、バングラデシュが経済的に発展していることもあ
るのでしょうか。

そうだと思います。わたしが事業を始めたころは、田舎に行ったときも、そこら中に生え
ているヤシの実を切って、ココナッツジュースでおもてなししてくれたんです。でも最近
は、太陽光パネルなどが普及して電気が通るようになったので、キンキンに冷えたコーラ
を出されます(笑)。貧しくて栄養失調になって結核になることも多かったのですが、い
まではみんな、本当にマンガみたいな山盛りのご飯を食べていますから。

そうしたなかでわたしたちmiupは、先ほどお伝えしたような遠隔医療やスクリーニングの
システムの研究開発を進めています。他方で収益源にしているのは、都市の中産階級以上
の富裕層向けのデリヴァリー式の検診サーヴィスや、医療機関向けの臨床検査センター運
営というBtoBのサーヴィスですね。


──そもそも酒匂さんは、バングラデシュともAIとも縁が薄かったと思います。最初に途
上国への関心が芽生えたのは、13歳で単身海外に飛び出してからとのことでした。家族も
親戚も医者である環境から距離を置きたい、という思いだったそうですが。

はい。小さいころから医者になれ、病院を継げと言われ続けていたことにすごく嫌気がさ
しまして……。中学生のときに海外に出て、高校のときはニュージーランドの学校に通っ
ていたんですが、日本に帰りたくない夏休みとかにアジアの途上国をバックパッカーみた
いに巡っていたんです。そのときに、自分が無知だったことを痛感しました。現地で友達
になった同い年ぐらいの女の子が、毎日ゴミ捨て場にアルミ缶を拾いに行って、家族を養
っていて……。

それから国際機関が支援しているNGOで、フェアトレード商品を先進国に売るお手伝いを
するようになったんです。でも、頑張って“想い”を広げようとしても、巻き込める人が
少ないなあ、と感じたんですね。もう少し資本主義の、ビジネスの仕組みにのっとったや
り方でないと、広がらないんじゃないか、って。

でも、わたしの家系にはビジネスパーソンがひとりもいなくて……。そこで大学では研究
者を目指して、気候変動に対処して安定的な食糧増産を達成するために、未来を予測して
モデリングするという研究をしていました。

──そこから現在まで、どんな転換があったのでしょうか。

実は大学4年生のとき、池袋の路上でスカウトされたのが大きなきっかけなんですよ。

──……どういうことでしょうか?

夏に院試を受けて、無事に合格したんです。単位もとれていたので、あと半年の自由な時
間をどうしよう、と思っていたんですね。アルバイトもそれまで家庭教師ばかりで、いわ
ゆるビジネスには触れておらず、世界の潮流である“資本主義”を知らないまま研究者の
道に行くのもどうなんだろう…と悩んでいました。そうして池袋の街を歩いていたら、怪
しげなスカウトの方に熱心に勧誘されたんです(笑)

いや、わたしはこういう道に進むことを決めているので……と断りかけたときに、ふと名
刺を見たら「代表取締役」と書いてあって。ハッとしました、まさに周りにいなかったビ
ジネスパーソンですから。「半年くらいスタッフとして働かせてくれませんか」と、わた
しから逆にお願いしたんです。

──怪しげな相手に対して、ものすごい行動力と決断力ですね(笑)

そうですよね。その人は、自分のところはスタッフとして働くには適した環境じゃないか
ら、知り合いに声をかけてみると言ってくださって。後日、「あなたに興味があるという
会社の社長さんがいたので紹介しますね」と連絡があったんです。でも、どういう人かわ
からないので、オープンカフェで待ち合わせて、いつでも逃げられるようにスニーカーで
会いに行きましたけど……(笑)

そのときに出会ったのが、のちにアプリ化して大流行したウェブサーヴィスを運営してい
る企業の創業者だったんです。高卒で、そのウェブ・サーヴィスにいたるまでにもいくつ
も会社をつくってはバイアウトしていた方でした。当時は立ち上げ直後だったサーヴィス
を、これからアプリ化してPVを伸ばすんだという話も、何から何までわたしには新鮮だっ
たんです。自分の家族は死ぬまで医者として働くのが普通でしたし、わたしもひとつの研
究をずっと続けていくと思っていましたから。

サーヴィスの内容ではなく、そうしたあり方に惹かれて、「一生懸命に働きますから、弟
子にしてください!」と、インターンのようなかたちで半年間働きました。PV数は爆発的
に伸び、取引先も大手IT企業や広告代理店になりましたし、わたしも海外の拠点立ち上げ
を現地で手伝いました。わずか数人のスタッフでも、ITにはこんな可能性があるんだと知
って、考えが変わっていったんですね。途上国の人たちの生活も、この力で変えられるん
じゃないか、と。

──そうした変化を体験し、研究生活から一般企業への就職も経て、2015年にmiupの立ち
上げにいたったわけですね。

はい。共同創業者の長谷川嵩矩くんは大学時代の同級生で、以前から知り合いでした。彼
はバイオヘルスインフォマティクスなどが専門で、高度な統計モデルを扱っていた一方で
、わたしの研究分野でも統計やシミュレーションモデルなどを扱っていました。農学と医
学で学問は違えど、多くのデータを解析して未来を予測するという意味では共通で、この
ような技術を用いて社会実装できないかと議論を重ねていったんですね。AIなどの情報技
術も、ともに近い領域でした。

長谷川くんも研究が社会に実装されるまでの長い道のりに、葛藤を抱えていました。ふた
りでアイデアを出すなかで固まっていったのが、冒頭にお話ししたようなビジネスの原型
なんです。立ち上げにあたってアフリカやアジアをまわりましたが、人口密度が世界で最
も高いといわれながらも医療不足のバングラデシュに可能性を感じて決断し、いまにいた
ります。バングラデシュは人口密度が高くてPDCAを回しやすいというのも理由です。

──ビジネスの観点から判断してバングラデシュを選んだ結果、思わぬ出来事に出会った
ことはありますか。

それは……テロですね[編註:2016年のダッカ・レストラン襲撃人質テロ事件]。会社を
つくったあとにIS(自称・イスラム国)の活動がバングラデシュでも表面化してきたので
すが、あのレストランは、わたしが住んでいたところから数分。おいしいケーキも売って
いて、しょっちゅう行っていたんです。精神的にすごくショックを受けてしまって、しば
らくは外にも出られず、仕事も全然進まなくて……いったん帰国するしかなくなってしま
いました。

──途上国の人々を助けようとするなかで直面したのが、あの悲劇だった、と……。

はい。また現地に行こうとしたら、親もショックを受けて倒れてしまって。ここまで心配
をかけてまでやるべきか悩んだのですが、現地人のスタッフたちが「あきらめないで。マ
リが戻れるようになるまで、わたしたちが支えておくから」と。前に進もう、と言ってく
れたのは現地の方々でした。それでまた、頑張ろうかなと思えたんです。

──酒匂さんはいま、AIを含めた情報技術を用いる医療ビジネスへといたったわけですが
、結果として医療に携わることに抵抗はなかったのですか。ご家族とはいまは“和解”さ
れているそうですが。

かつて「医者にだけはならないぞ」と思って海外に飛び出したわけですから、途上国と相
性がいいということは頭ではわかっていても、最初は正直とても嫌でした。サーヴィスを
構築する上で臨床の知識が必要なのですが、医者の皆さんはとても忙しいですし、環境も
恵まれていますから、わざわざリスクをとってヴェンチャーに力を貸してくれる方も当初
はなかなか見つからなくて……。「ああ、親の言うことを聞いて医者になっていたほうが
よかったのだろうか」と、すごく悩みましたね。

でも、医者もAIの専門家も、あるいは現地のオペレーションなども、そうしたものをつな
いでいかないと、新しいものってできないじゃないですか。わたしが医学教育だけずっと
受けていたら、たぶん途上国に興味をもたなかったでしょうし、ITもわからなかったはず
です。そうしたことを薄く広く学んだ経験を生かして何をするのか──それらを「つなぐ
」ことで、どんな世界ができるだろうと考えるのが、自分の仕事だと思えるようになって
いきました。いろいろ紆余曲折はあったからこそ、いまの視点が得られたんだなと、肯定
できるようになったんですね。

──まさにいまは、ひとつのあり方というよりは、刻一刻と見える世界が変わる日々を生
きている、ということなのだと思います。

すごく楽しいです。こんな世界と出合えてよかったな、って。わたしは田舎の閉鎖的な環
境で、昔からラディカルなことばかり言っているような子で、ずっと自分のことを社会不
適合者だと思って生きていましたから。むちゃくちゃ荒れていたころは、金髪に舌ピアス
でしたし(笑)。「あまり笑わないね」と言われていたくらい自分の感情を表に出さない
ようにして、そうやって社会に適応しようとしていました。

それが毎日状況がコロコロと変わるなか、自分もどんどん変化するヴェンチャーの世界に
やってきて……。「居場所ができた!」と思っています。いまは本当に心地いいんですよ

 

■札幌の調和技研、バングラデシュでAI開発 IT企業と提携
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50200430V20C19A9L41000/
 (日本経済新聞 2019年9月25日)

北海道大学発スタートアップの調和技研(札幌市)は25日、バングラデシュを拠点にソフ
トウエアを開発するBJIT(東京・港)と業務提携したと発表した。12月にダッカ市内に拠
点を出し、人工知能(AI)を開発する。ダッカ大学とも提携し、AIの人材育成や共同で研
究も進める。AIの需要が拡大するのに伴い、人材を確保する。

ダッカのBJITの施設にAI開発拠点「AI SAMURAI JAPAN」を開設する。開設にあたり現地で
技術者を募集したところ、約300人が応募した。まず10人規模で研究や実証実験を進める
。政府や大学と連携してAI技術者を育てるプログラムも用意する。

需要の拡大に伴い、2030年に日本国内で約12万人のAI技術者が不足するとの試算がある。
バングラデシュは新卒採用コストが日本の半分以下で、数学の素養に優れた人が多いとさ
れる。政府も法人税の一部免除などを掲げ、AI企業を誘致している。

 

■掃海母艦「ぶんご」、バングラデシュ海軍と親善行事・親善訓練を実施
 https://flyteam.jp/news/article/116242
 (FlyTeam 2019年10月10日)

海上自衛隊は2019年10月6日(日)と10月7日(月)の2日間、掃海母艦「ぶんご(MST-464)」と
掃海艇「たかしま(MSC-603)」によるバングラデシュ海軍との親善行事、10月8日(火)は親
善訓練を実施しました。このうち親善行事は、表敬、艦内公開、バングラデシュ海軍施設
研修、レセプション、チッタゴン戦争墓地への訪問、献花が行われました。

親善訓練はバングラデシュ人民共和国・チッタゴン港とその周辺海域で、掃海艇「たかし
ま」とコルベット「プロトイ」、哨戒艇「ダージョイ」と通信訓練と戦術運動を実施しま
した。訓練を通じ、バングラデシュ海軍との相互理解と信頼関係の促進、海自の戦術技量
の向上を図りました。

 

■海上自衛隊はバングラデシュ海軍と親善行事と訓練
 https://portal-worlds.com/news/asean/19373
 (アセアンポータル 2019年10月10日)

海上自衛隊の海上幕僚監部は、バングラデシュ人民共和国に寄港し、バングラデシュ海軍
との親善行事と親善訓練を10月6日から8日の日程で実施したことを発表した。

今回の親善行事と訓練を実施した目的は、バングラデシュ海軍との相互理解及び信頼関係
の促進並びに海上自衛隊の戦術技量の向上のためとなり、バングラデシュのチッタゴン及
び同周辺海域で実施された。

親善行事は10月6日と7日にかけて実施された。実施された行事は、表敬・艦内公開・バン
グラデシュ海軍施設研修・レセプション・チッタゴン戦争墓地への訪問・献花などとなる

親善訓練は10月8日に実施された。訓練に参加した部隊は、海上自衛隊からは第3掃海隊司
令1等海佐が率いる掃海母艦「ぶんご」と掃海艇「たかしま」、バングラデシュ海軍から
はコルベット「プロトイ」と哨戒艇「ダージョイ」、となる。実施した訓練は、通信訓練
と戦術運動となる。

 

■100年のアジア美術巡る 「福岡アジア美術館」開館20年記念展が開幕
 https://www.nishinippon.co.jp/item/n/548600/
 (西日本新聞 2019年10月4日)

 アジアの近現代美術を専門に紹介する「福岡アジア美術館」(福岡市博多区)の開館20
周年記念展「アジア美術、100年の旅」(西日本新聞社など主催)が5日、同館で開幕する
。アジア美術の特色を表す絵画や彫刻、版画など約350点を紹介する。

 同館は1999年に開館。アジア23カ国・地域の約3千点を収蔵し、9割超が1900年代以降の
もの。所蔵品の1割近くを一挙に公開するのは初めてという。

 西洋の技法で描いた中国やインドネシアの風景画から、パキスタンの映画ポスター、バ
ングラデシュの自転車タクシーを彩る「リキシャ・ペインティング」まで、幅広く光を当
てた。中国の新年画やインドの仏画など、政治・宗教色を帯びた作品も多い。

 4日に開会式と内覧会があった。11月26日まで。一般千円。

 

■バングラデシュ食業界の今とこれから
 https://www.povertist.com/ja/bangladeshfoodnf/
 (THE POVERTIST 2019年10月1日)

GDP成長率は毎年6%を超え、日本の4割の国土に1億6千万人以上が住むバングラデシュ。
2015年には世界銀行による分類上「貧困国」から「低所得国」へ、2018年には国連の定め
る後発開発途上国の卒業基準を達成し、2024年にも正式に中所得国入りを果たす見込みの
世界で最も勢いのある国の一つだ。しかし、外貨収入はユニクロやH&Mをはじめとする縫
製業、海外の労働者による送金が9割近くを占め、一層の経済成長を実現するための産業
の多角化・競争性の向上が求められている。そんな中、変革に向けた救世主として、今注
目を集めるのが食品加工を中心としたアグリ・フード業界だ。密かに、けれども確かに成
長を遂げるバングラデシュの食品産業についてレポートする。

「食」取り巻くこれまでの課題と対応
雨季には国土の4分の1が水没することもある自然環境の中、人口1億6千万人のお腹を満た
すべくまず政府が取り組んだのは、主食のコメの生産性向上だ。1970年以降、開発援助機
関などの支援を得つつ、高収量品種の開発や灌漑施設の整備を通じた生産の効率化のため
の対策を講じてきた。その甲斐あり、2010年代にはコメの食糧自給率100%を概ね達成。そ
の後に発生した自然災害にともなう収穫量減少に対して政府は一時輸入米の関税を引き下
げる措置を取ったものの、現在では生産量は持続的自給が可能なレベルまで回復している
と言ってよい。

世帯収入と市場規模からみた食品加工産業の成長可能性
コメの自給を達成したバングラデシュの人々が次に求めたのは、コメ・イモ・野菜・果物
等の原材料に加えこれらを加工した多様な食品だ。首都ダッカのスーパーマーケットのラ
インナップを観察することで、海外からの輸入品や国内で生産された加工品に対する消費
者の嗜好をおおまかに掴むことができる。ボストンコンサルティング社によれば、特に世
帯収入が400ドルを超える中間所得層の割合は2015年時点で全人口の約11%相当の約1,800
万人、2025年には約3,400万人に増えるとのこと。またEuromonitor社によれば、2013年に
は98憶ドル(約1兆円)であった加工食品市場の規模が2018年には212億ドル(約2.3兆円
)に2倍以上増加したのではと試算している。経済成長につれ所得が増加し、中~高所得
者層がバングラデシュ国内のトレンドを形成し消費を牽引していること、また市場規模を
示すデータからも食品加工業界が成長産業の一つであることが見てとれる。

加工食品のトレンド
2014~2018年の食品総売り上げ伸び率(下記表)を見ると、乳製品、ベビーフード、菓子
、麺・パスタが上位にランクインし、加工食品のニーズが高まりつつあることがわかる。
乳製品は輸入粉ミルクの需要が年率19%以上の割合で増加し急速に伸びているにもかかわ
らず、BRAC dairy and food社等大手数社のヨーグルトや牛乳を除き、多くが外国産もし
くは輸入脱脂粉乳を使用した製品だ。菓子は輸入品に加え、ローカルの人々に愛されるス
ナック菓子Chanachurの他、PRAN社、Danish社のパウンドケーキやドライケーキ(パウン
ドケーキを焼いたもので、ラスクに近い)、Golden Harvest社のアイスクリーム等が国内
で生産されている。さらに働く女性の増加を受けてか、手軽に調理可能な即席麺やパスタ
の売り上げも伸びている。
 
健康を脅かす食品安全の問題
そんな食品加工業界において昨今最も話題となっているのは食品安全にまつわる問題だ。
現地主要紙では少なくとも週に1回以上の高頻度で食品安全に関するニュースが掲載され
ている。原材料や加工品の品質の検査を所轄するバングラデシュ検査基準機関(BSTI:
Bangladesh Standards and Test Institution)が行った微生物検査の結果を踏まえ政府は
、異物混入や不衛生な水を販売したとする製造メーカーに対して販売資格のはく奪や販売
停止命令を下した。また牛乳製造メーカー10社の製品から重金属混入や抗生物質の残留も
確認され、原因は乳牛に与えたエサや薬、搾乳後の運搬段階における汚染であると指摘し
ている。これら事案は、食品安全分野の取り組みというのは、加工段階のみならず、生産
・運搬・販売に至るバリューチェーン全体で講じる必要があることを物語っている。この
ような状況を受けバングラデシュ政府は、省庁横断的に生産、加工、小売、輸出入といっ
たバリューチェーン全体における食品安全を統括する省庁として新たに2015年に食品安全
庁(Bangladesh Food Safety Authority: BFSA)を設立した。現在BFSAは法制度の整備、
関係省庁との役割や機能の調整、フィールドで実施する監査システムの構築に向けた準備
を進めつつある。

スーパーで見かけた意外な製品
昨今、スーパーマーケットで明らかに商品の種類と数が増えているのは冷凍食品と乳製品
である。冷凍食品は陳列コーナーが拡張され、商品もパラタ現地で食される薄手のパン)
やサモサ(肉や野菜を入れた揚げ物)やシンガラ(カレー味のジャガイモを入れた揚げ物
)だけではなく、冷凍ソーセージ、冷凍肉までバリエーションが増しつつある。またアイ
スクリームの種類も増え、価格も20タカ(40円程)と庶民向けだ。これら冷凍食品の躍進
は、大手Golden Harvest社などが冷凍庫や物流含めたコールドチェーンの整備を推進して
いることも影響している。さらに驚いたのは、バングラデシュ国内産チーズが販売されて
いたことだ。インドのパニールに食感が近い点が好まれるのか、ハードタイプよりもモッ
ツァレラチーズをはじめとしたウォッシュタイプが主流だ。世間を賑わす食品安全問題の
が頭をよぎり、食べたいような食べたくないような複雑な気持ちになり筆者はいまだ手が
出せずにいる。しかしいつの日か、イタリア、フランスなどと並んでバングラデシュ産チ
ーズが世界に出回る日がくるのかもしれない。

 

■グラミン銀行創設でノーベル賞受賞のユヌス氏に逮捕状、バングラデシュ
 https://www.afpbb.com/articles/-/3248872
 (AFP通信 2019年10月10日)

貧困層に無担保小口融資を行うグラミン銀行(Grameen Bank)の創設者で、ノーベル平和
賞(Nobel Peace Prize)受賞者のムハマド・ユヌス(Muhammad Yunus)氏(79)に対し
、バングラデシュの裁判所が逮捕状を出したことが10日、分かった。従業員の解雇をめぐ
る出廷命令に応じなかったためという。

 司法筋によるとユヌス氏は、会長を務める情報技術会社グラミン・コミュニケーション
ズ (GC) の元従業員から、労働組合の設立を理由に解雇されたとして訴えられている。
首都ダッカの裁判所が9日、ユヌス氏に逮捕状を出したという。

 AFPの取材に応じたこの司法筋は、ユヌス氏は海外におり出廷しなかったと説明。GCの
最高経営責任者(CEO)と経営幹部1人は出廷し、保釈を認められたと述べた。一方、ユヌ
ス氏の弁護士によれば、同氏の出国前に出廷命令は出ておらず、帰国次第、適切な法的手
続きを取るつもりだという。

 経済学者のユヌス氏は、1983年にグラミン銀行を創設。地方の貧困地域の人々が自ら小
規模ビジネスを立ち上げる際に無担保小口融資を提供した功績で、2006年にノーベル平和
賞を共同受賞した。

 しかし、ユヌス氏は一時政界入りした2007年以降、バングラデシュのシェイク・ハシナ
・ワゼド(Sheikh Hasina Wajed)首相と対立している。2011年にグラミン銀行総裁を解
任されたのも、ハシナ氏が背後で動いていたとみられている。

 ユヌス氏は総裁解任に異議を唱え、最高裁まで争ったが敗訴。グラミン銀行は現在、ハ
シナ氏が指名した経営陣によって運営されている。

 

■ノーベル平和賞のユヌス氏に逮捕状 首相との確執背景か
 https://www.asahi.com/articles/ASMBC5256MBCUHBI01R.html
 (朝日新聞 2019年10月11日)

 貧困層に無担保の小口融資をする「グラミン銀行」をバングラデシュに創設し、200
6年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏に対し、同国の裁判所が9日、逮捕
状を出した。従業員の解雇をめぐる裁判で出廷命令に応じなかったためだが、ハシナ首相
との確執を背景にした政治的な動きとみられる。

 地元メディアによると、ユヌス氏は自身が会長を務める会社の従業員から今年7月、労
働組合を組織したために解雇されたと訴えられた。裁判所からユヌス氏に出廷命令が出た
が、海外にいたため応じなかったという。

 ユヌス氏側の弁護士は「正式な出廷命令は裁判所から出ていなかった。知らされたのは
最近だ。帰国後に適切な手続きをとる」と地元メディアに語っている。

 ユヌス氏は11年、創設したグラミン銀行総裁職を解任された。国内外で高い評価を受
け、政界入りを目指したユヌス氏を脅威とみたハシナ首相が政治的な圧力をかけたためと
されている。その後、脱税や名誉毀損(きそん)などの疑いもかけられていた。

 

■商業には本来、人をひき付ける力がある ファストリ・柳井正氏(16)
 http://www.sankeibiz.jp/workstyle/news/191008/wsa1910080705001-n1.htm
 (SankeiBiz 2019年10月8日)

服で世界を変えていく

 〈バングラデシュの首都ダッカ近郊では2013(平成25)年、商業ビルが崩壊して
1千人以上の労働者が犠牲になる事件があった。ビルの中には縫製工場もあり、過酷な労
働環境の実態が世界に伝わり、国連の専門機関が改善の必要を指摘した〉

 ユニクロは全ての商品の生産をアジアの工場に委託し、自社工場は持っていません。日
本の技術者や生産管理者約460人が、海外6カ所の生産事務所に常駐しています。主要
な取引先工場の従業員から直接相談を受け付ける制度を上海やダッカなどに2017(同
29)年、開設しました。深刻な人権侵害に対して、取引先工場が是正勧告に応じなけれ
ば、社内の人権委員会で審議を行って対処します。

 〈平成29年には取引先縫製工場、昨年11月からは、それまで「企業秘密」としてい
た主要な素材工場のリストも公表した〉

 やはり、大企業に対する不信がありますよね。規模が大きいほど、「こいつら何か悪い
ことやっているんじゃないか」と。欧州などの企業はそうした見方に対応する仕組みにな
っている。企業は、ビジネスマンのための会社ではなく、社会のためにある組織だという
考え方です。そのために、企業には情報開示など透明性も求められる。行き過ぎた物質主
義から戻ろうとしている。日本についても、人間中心の社会になっていく過程にあるのだ
と思います。

 〈2020年東京五輪・パラリンピックでは、スウェーデンの代表選手や大会関係者に
ユニホームなどの衣類を提供する〉

 五輪やパラリンピックに来る人に、スポーツだけではなく、日本の伝統とか、本当に素
晴らしい物や事に触れてもらう機会をもっとつくるべきです。最高の頭脳と感性を持った
人が日本に来て、日本で仕事をしたいと思うきっかけにしてもらいたい。観光だけで終わ
ってしまっては意味がないですよね。

 〈東京・銀座にあるユニクロの旗艦店などは、外国人客で盛況だ〉

 商業には本来、人をひき付ける力がある。でも、小売業も繊維業もアパレル業も、昔の
姿に固執している。日本はグローバル社会の一員ですよね。だから、共存共栄して、世界
中の優秀な人が日本に来て仕事したり研究したり、日本人も世界中に出かけていくことが
必要だと思います。

 〈10年前の取材では「2020年の売上高5兆円達成」を掲げたが、道半ばだ〉

 あれはホラですから(笑)。規模のことばかりを言っていると笑われてしまう。北欧に
行くと、一番の関心事は環境とかサステナビリティー(持続可能性)で、民度が高い。「
あっ、これが先進国だ」と思いました。自分の事業そのものが、本当に世界にプラスにな
る、そういう企業に変えるということが今後の主眼だと思い始めました。社内で数字の目
標を共有するのは良いけれど、社外への発信では内容が重要。服であらゆる人の生活をよ
り豊かに、より快適にして、世界を変えていきます。

 

■バングラデシュの学校にトイレと井戸を寄付した久保田さんから現地の
 報告が届きました 
 https://www.kobegakuin.ac.jp/news/56ede6514cbe41a032ec.html
 (神戸学院大学 2019年9月25日)

 「バングラデシュトイレ建設プロジェクト」で、バラボ・モデル・スクール&カレッジ
にトイレと井戸を寄付をしたプロジェクトメンバーの久保田智也さん(経営学部3年次生)
から、現地の報告が届きました。
 久保田さんは「とにかく喜んで頂けたので、頑張ってよかったと思いました。寄付され
た場所は、都市部のダッカから車で2時間程離れた農村部の小学校と専門学校が隣接され
た場所でした。今まではトイレがないと言う理由で、学校を辞めてしまう女の人も多くい
たそうです。そんな場所にトイレが建設されて、学校生活も快適になったと校長先生が言
ってくれてとても嬉しかったです。また、トイレが理由で学校を辞める人を1人でも減ら
したいという思いも強くなり、とても勉強になりました」と話しています。

 

■中・ミャンマー・バングラが3つの共通認識に達する
 http://japanese.cri.cn/20190924/63191562-b2fc-7780-3877-6b6062b1febd.html
 (中国国際放送局 2019年09月24日)

 ニューヨークの国連本部で現地時間23日、王毅国務委員兼外交部長は中国、ミャンマー
、バングラデシュ3カ国の非公式会合を主催しました。ミャンマーのチョウ・ティン・ス
エ国家最高顧問府大臣、バングラデシュのA.K.アブドゥル・モメン外相、国連でミャンマ
ー問題を担当するクリスティン・ブルゲナー特使が出席しました。

 王外交部長は、中国、ミャンマー、バングラデシュは去年から今年にかけて3回の非公
式外相会合を行い、毎回進展を遂げてきたとして、「中国はミャンマーとバングラデシュ
の共通の友人として、問題解決にできる限りの協力をしたい」との考えを示しました。

 今回の会合を通して、各側は3つの共通認識に達しました。それは、1つ目に、本国送還
の早期実現は三国の強い政治的願いであり、政治上の重要な共通認識であるということ。
2つ目に、中国、ミャンマー、バングラデシュ合同作業グループの体制を構築し、ミャン
マーとバングラデシュが主体となり、中国がそこに参加し、三国の外相によるリードの下
で送還の関連作業を実施することで一致を見たということ。3つ目に、ラカイン州問題を
解決する根本的なルートは「発展」であり、三国はラカイン州およびミャンマーとバング
ラデシュの国境地域での雇用を拡大し、国民生活を改善し、当該地域の安定と発展を実現
するための環境作りに助力するということです。

 

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