気侭に

その時々で気の向くままに

電車の中で

2017年09月11日 | 雑記

 

 私は普段あまり電車に乗る機会は有りませんが、たまに乗る時には一つの楽しみがあります。それは人を観察することです。

 電車にはそれこそ老若男女はもちろんのこと。学生も子どもも主婦もいれば様々な職業の人もいるという、いわば人生の縮図です。

 目の前に座っている人を見る場合、まず目を見るとその人の性格が手に取るように分かってきます。体の他の部分と違って、目は脳に直結していますから、その人の今考えていることが最も顕著に表れます。普段ある人と会話をしている時、いくらその人が謙遜した物言いをしていたとしても、目の動きを良く見ているとその目から傲慢さが見えてくるものです。

 目の前の列に座っている人々の目を順番に見ていくと、神経質そうな人もいれば気の弱そうな人もいて、また気が短そうな人もいれば、とても心の澄んだ人もたまに目にすることができます。そのような人と目が合うと私はつい微笑んでしまいますが、逆に目をそらされてしまいます。きっと私を危ないおじさんだと思ったのでしょう。

 顔の相にも性格が見えてきます。別に私は易者ではありませんから顔の相についての専門的な知識は全くありません。でも、肉付きや皺の様子に、その人の普段の精神状態が見えてきます。眉間に皺や細かな盛り上がりが縦に見える人は心に余裕の無い人に見えます。口の両端に通じる頬の肉が下がり気味な人は内向的で気が弱いくせにプライドに固執する頑固な人のようです。

 他にも顔の骨格にもその人の年輪が刻まれていますし、体全体の肉付きの場所にも性格が表れます。

 身に付けているものにも様々な性格が表れます。自分の感覚よりも流行に流されやすい人もいれば、一見アンバランスな取り合わせであっても、頭からつま先まで、配色やアクセサリーなどをうまく利用して個性を引き出している人もいます。もちろん、ファッションなど無関心で、寒ければ適当に暖かそうなものを着て、暑ければ涼しい服を適当に着ていると言った人もいます。

 指を見るとその人の生活習慣も見えてくるのですが、すっかり目が悪くなった私には、もう両隣に座っている人のそれを見るくらいしかできません。

 

 世の中には、あのシャーロックホームズみたいに全てを見抜けるような人もいるかもしれませんが、人間観察が必要だった芝居をやっていた頃とは違い、また探偵稼業をしているわけではありませんので、この程度で充分です。それだけでも、良い友を選び、口先だけで心の濁った人は排斥できますからね。

 

 ただ、最近は人の観察も少し難しくなってきました。私の目が悪くなっただけでなく、なにせ車内に乗っている人の7割の目はスマホに向かっていますから。

 電車の中は様々な人々の人生の縮図です。皆さんも時には電車の中ではスマホから目を離し、乗客を観察しながら想像の世界を楽しんでみてはいかがでしょう。

 

 



コメントを投稿