蝉の声もいつの間にか聞こえなくなり、だんだんと涼しさも増してきました。
9月もまもなく終わり、来週から10月になろうとしていますが、実は統計的にこの時期から12月にかけて交通事故が増えていくそうですから、皆さんもお気をつけください。
ということで、今回は、その交通事故にまつわるネットで拾った小話を一つ紹介します。
■ 老紳士が運転していた車と中年の男が運転していた車との事故の話
2台の自動車がフリーウェイで正面衝突した。
2台とも大破したが、どちらの運転手も無事だった。
先に車から這いだした老紳士が他方の車に駆け寄り、運転していた中年の男を助け出してから柔らかい物腰で言った。
「お怪我はありませんかな?」
男は、相手の意外なほどに紳士的な態度に驚き、丁寧に答えた。
「ええ。あなたは?」
「私も無事です。 いやはやこんな危険極まりない所が野放しにされているとは、行政にも困ったものです」
「いや、まったくです」
「それにしても、こんな事故なのにお互いに怪我一つしないなんて、奇跡としか言えませんな」
そう言うと老紳士は、内ポケットから小瓶を取り出して男に差し出した。
「こんなときは気を落ち着けるのが一番ですぞ」
「おお、これはありがたい」
男は小瓶を受け取り、中身のウイスキーを半分ほど飲み干した。
「さあ、あなたも」
男が返した小瓶を受け取ると、老紳士は小瓶の蓋を閉めて内ポケットにしまい、皺だらけの顔で微笑んだ。
「ええ、私は警察の事故処理が終わってからでもゆっくりと」
いやはや、この老紳士は食わせ物ですね。
皆さんも事故に巻き込まれてしまった時は、どうぞお気をつけください。