2005/11/21(月)星宿海への道
宮本輝「星宿海への道」。読み終わった。やはり、宮本輝の作品はいい。
中国旅行中にタクラマカン砂漠近郊の村から、自転車に乗ったまま忽然と姿を消した瀬戸雅人。彼の帰りを待つ千春と幼子のせつ。血のつながりのない弟、紀代志がその足跡を辿るうちに明らかになる兄の人生ーーー。
瀬戸内海で千春が体験する夜景、「島と海とは点在していたが、それは仄かな濃淡の差で判別がつくのではなく夜空の星の映り具合によって、どれが島でどれが海なのかわかるのだった。けれども再び湯気が立ちのぼると、光の加減は変化して、島だったはずの陰影に星が映り、海面だったはずのところの波光は黒く静まりかえって樹木の密生する島と化し、その絶え間ない変化はいつまでも繰り返された。」
この文章を読むと、その光景が目に浮かび、まさに自分がそこに居て、自分がこの夜景を体験しているような気持ちになる。
自分の体験と、創造と何かが交じり合って、そのように感じるのだろうか。
宮本輝「星宿海への道」。読み終わった。やはり、宮本輝の作品はいい。
中国旅行中にタクラマカン砂漠近郊の村から、自転車に乗ったまま忽然と姿を消した瀬戸雅人。彼の帰りを待つ千春と幼子のせつ。血のつながりのない弟、紀代志がその足跡を辿るうちに明らかになる兄の人生ーーー。
瀬戸内海で千春が体験する夜景、「島と海とは点在していたが、それは仄かな濃淡の差で判別がつくのではなく夜空の星の映り具合によって、どれが島でどれが海なのかわかるのだった。けれども再び湯気が立ちのぼると、光の加減は変化して、島だったはずの陰影に星が映り、海面だったはずのところの波光は黒く静まりかえって樹木の密生する島と化し、その絶え間ない変化はいつまでも繰り返された。」
この文章を読むと、その光景が目に浮かび、まさに自分がそこに居て、自分がこの夜景を体験しているような気持ちになる。
自分の体験と、創造と何かが交じり合って、そのように感じるのだろうか。
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