やまびこ

日々感じたこと、思ったこと等を、撮影した写真とともに、徒然に日記風に書いています。

郵政民営化と競争条件

2005-02-11 14:45:50 | Weblog
 2005/1/27の日本経済新聞の「大機小機」欄に次のような記事が載っていました。

 「郵政民営化と競争条件」(要約)

 小泉首相は施政方針演説で、「昨年9月の政府の基本方針に基づいて」法案を提出すると明言したが、現行サービス水準の維持を基調とするとする12月の「自由民主党」の「申し入れ」の取り込みが、新会社の経営を束縛し、ひいては民間経済発展の基礎である「自由な競争条件」を阻害し続ける結果となることも「懸念」される。

 今後の作業では、競争条件確保の見地からの「点検」が欠かせない。

 郵政民営化の成否は単に国営事業の「官から民へ」の転換にとどまらず、民間経済の自由化の問題である。郵政事業は圧倒的な規模の存在であるだけに、自由経済原理で行動することが重要なのである。
 
 郵政事業に対する公共的な要請は、できる限り直接的な規制によるのではなく、市場原理により実現するよう努めなければならない。

 郵政民営化の1つの理由は、金融面に顕著な「見えない国民負担」を廃止し、民間との「イコールフッティング」を確保することにあった。ペイオフ全面解禁を迎え、民間金融機関の経営環境が厳しさを増す中で、「貯金・保険」の民営化は必然的な要請であった。---中略----。

 公正取引委員会には、事前の研究に努めるとともに、旧国営事業側だけでなく、民間金融機関で発生する問題点も十分把握し、「専門的能力」、「公平性等」の点で信頼を受けるに足る存在となるよう要請しておきたい。(喬木)
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また、郵政改革については次のような記事がありました。
 
 第72回「郵政改革の評価」(BizPlus、日本経済新聞社)

(日本総合研究所 理事 高橋 進氏)

民営化の具体的な論点
 8月6日、経済財政諮問会議は小泉首相が「改革の本丸」と掲げる郵政民営化の基本方針の骨子を固めた。この骨子を評価する前に、改めて、郵政民営化に際して踏まえるべきポイントを整理してみよう。民営化そのものはあくまでも手段であって、民営化によって達成すべき目標は、国民全体の真の利益向上である。そこで民営化に際しては、以下の論点が具体的にクリアされなければならない。

 第1は、郵政事業の市場への円滑な統合である。郵貯・簡保の規模縮小を通じて資金の流れが是正されなければならない。郵便事業についても、民間との公平な競争が確保できるかどうかがポイントとなる。

 第2は、新会社が収益性あるビジネスモデルを作れるかどうかである。経営の自由度の拡大と民間とのイコールフッティングはコインの裏表として、両者のバランスを確保しつつ、収益性のあるビジネスモデルを描くことが課題である。

 第3は、ユニバーサルサービスの中身である。どこまでこれを義務付けるのか。その見返りは何かがポイントとなる。

 第4は、リスク遮断とシステミックリスク回避の仕組みである。巨額の資金を運用する金融会社が誕生することになるが、新会社が経営の健全性を維持し、国民負担が発生するような事態を回避できる事業分離・組織形態が実現できるか。

 第5は、完全民営化までのロードマップである。民営化(2007年)から2017年の完全民営化までの長いプロセスをどうコントロールするかによって、改革の行方そのものが左右される。

骨子の評価

 クリアすべきポイントに照らして骨子を評価すると、次のような点が指摘できる。

 第1は、郵政改革が一歩前進したことである。すなわち、(1)郵貯の新規契約分について政府保証を廃止するなど、民間金融機関とのイコールフッティングが重視されたこと(2)4事業を分割し独立の株式会社としたこと(3)職員の非公務員化が明記されたこと――などである。

 第2に、しかしながら、民営化が自己目的化し、郵政事業の規模縮小よりも、収益性確保のための業務範囲の拡大が重視されており、焼け太りの懸念さえある。これでは巨大な規模を維持したままでの民営化となり、郵貯・簡保を民間金融システムに吸収していくという展望も開けない。具体的には、(1)移行期間における制度設計が不明であるが、郵貯と簡保会社の完全民営化が実現せず、政府が出資する持ち株会社の傘下にとどまることから、金融事業についてデファクトの政府保証が残る恐れが強く、イコールフッティングは実現しない(2)郵貯・簡保のユニバーサルサービス義務にかかわる骨子の表現はあいまいであり、これもデファクトな保証につながる恐れがある(3)地域分割問題も実質先送りで実現しない公算が大きい――ことが指摘できる。

 第3は、将来の国民負担発生の恐れが残ることである。郵貯の新旧勘定の一体運営に伴う巨大な運用リスク発生の恐れがあり、それについての政府の責任があいまいである。持ち株会社化ではリスク遮断が不十分になる恐れがあり、金融事業会社の完全民営化が必要である。また、「見えない国民負担」の抑制も十分に担保されていない。

 第4に、公的事業のプレゼンス縮小の観点が極めて不十分である。郵便のユニバーサルサービスや地方自治体向けサービスが当然のこととされているが、こうした問題は地方の活性化や行政改革の文脈のなかで別途議論すべきことであり、郵政改革と安易に結びつけるべきではない。また、郵貯の銀行業務への参入は「官から民へ」の流れに反する。さらに、資金の出口である財投改革が同時に十分議論されていないことも、公的金融の縮小を展望することを困難にしている。

 郵政改革の最終的な決定するのはまだこれからであるが、上記の点について、さらなる検討が行われることを望みたい。

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2005/2/11 (金) 後深草院二条(とわずがたり)、田中宇の国際ニュース解説

2005-02-11 10:25:28 | 日記
 2005/2/11(金)くもり

 「後深草院二条」、「田中宇の国際ニュース解説」

 3年ぐらい前、この2つのサイトにはよく見に行っていました。(ブックマーク)

 「後深草院二条(とわずがたり)」

 作者の後深草院二条(ごふかくさいんにじょう)が、自分の過去を回想して語るという形式で、作中のヒロインでもあります。その点、今でいう私小説というべきもので、『源氏物語』より『蜻蛉日記(かげろうにっき)』などの王朝女流日記文学の系列に入ります。時代は、『源氏物語』の頃からおよそ三百年ほど後のこと、幕府は北條氏の時でした。(瀬戸内晴美)

 ホームページの作者は、「小太郎」さんという人で、後深草院二条(とわずがたり)について詳細に、研究、検証しています。持論と他の研究者を比較しながら、とわずがたりの作者捜しをしておられます。私は、推理小説を読むような感じで読んでいました。すごいところは、文献の多さ、この文献すべてにあたっていると思うと、感嘆するのみです。

  今日の読書:「てのひら般若心経」ひろさちや 小学館文庫
  今日の音楽:桑田佳佑「月」
  今日のお酒:焼酎水割り2杯





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