「傲慢と善良」辻村深月著
結婚を口にする彼女と、まだ今は結婚できない架(かける)は別れてしまう。
別れて数年。
周りの友人たちが次々に身を固めていくのをみて、
にわかに焦りだし婚活を始めたが…。
母親の言うままに進学、就職した真実(まみ)は、
今度は結婚を願う母親の言うままに婚活するが、
思うところあって実家を離れ東京で架と出会い婚約したが…。
第一部は架の目線、第二部は
真実目線で綴られていく。
そしてエピローグは…。
何が「傲慢」なのか「善良」なのか。
前に毒母なる言葉が流行ったけど真実の母親もその傾向ありで、
素直で真面目な娘は逆らうことができないでいたが、
三十路半ばで独り立ちしていく真実の様子に、
読みながら笑顔がうかんできたな。