つれづれすけっち

ワタシらしく。 ワタシなりに。

「江戸の誘惑」展 ~神戸市立博物館~

2006-05-29 00:38:27 | つれづれ
駆け込みで行って参りました!「江戸の誘惑」展。
何やらドキッとするタイトルですが・・・

この展覧会で展示されたのは、アメリカボストン美術館に所蔵されている「ビゲロー・コレクション」と言われる肉筆浮世絵約80点。医師ビゲローがボストン美術館に寄贈したものなのだが、これらは一部を除いて館外に貸し出されたことがなく、しかもその大半がボストン美術館でも展示されたことがなかったという大変貴重な作品ばかり。
「肉筆浮世絵」は一般に言われる浮世絵(版画)と違い、一点もの。どこかのお金持ちから依頼されて制作された世界に一点しかない特注品、ということのようだ。

平日にもかかわらず、会場は人、人、人!!
私のような駆け込み組みが多いようで、入場券を買うところから長蛇の列。さらに入場してからも場内はものすごい人!(ちなみに、私が観終わった15:00すぎ頃からは何と入場制限までかかっていた・・・)
肉筆浮世絵の状態を保つため、場内の照明はかなり暗かった。暗い場内、展示物近くに点るほのかな照明が、またなんともいえない雰囲気を作り出していた。

私は美術館に行くとよくイヤホンガイドを借りる。今回もいつものように借りたのだが、今回はちょっと・・・
江戸時代の浮世絵がテーマだったので、ガイドの語り手が落語家の柳家花禄さんだった。やはり噺家さんが語り手だと画の説明だけに終るはずがない。展示品の説明に入る前の前置きがやたら長く、「早く本題に入って!」としびれをきらしてしまうことがあったのだ。どの展示品にも人が群がり、一ところでじ~っと鑑賞できる状況ではなかったので、最後まで聞いていると他の作品に移動する人とぶつかってしまうというかなり迷惑な状況に。しかも私が持っていた大きい籠バッグが人に当たる、当たる・・・本当にスイマセン。
イヤホンガイドに面白い人を起用したとは思うが、もうちょっと作品中心に話してもらえるとよかったかなぁ。

展示されていた肉筆浮世絵はすばらしいものばかり。遊女を描いたものが大変多いのだが、どれも色っぽく、艶っぽく、あでやかで、凛として美しい。同じ日本人の私が見てもオリエンタルな雰囲気に思わずゾクゾクしてしまう。当時、この肉筆浮世絵を手に入れた外国人ビゲローさんもきっとこの魅力に心を奪われ、コレクションとして集めていったのだろう。

少し話が変わるが、神戸の人って本当におしゃれな人が多い。
というのも、この「江戸の誘惑」展を観にきていたお客さん(特に女性)のスタイリッシュなことと言ったら!特に印象的だったのが頭にサングラスをヘアバンドのように(?)掛けていた女性2人組。下手すると「ど根性ガエル」だが、モデル並みの雰囲気のその2人組はバッチリ様になっていた!すごい・・・こんな人達、梅田ではちょっとお目に掛かれない。

それとまた違う話なのだが、展覧会に来ていたお客さんの話その2。
私の目に留まったのは70代ぐらいの男性と、40代後半ぐらいの女性のカップル。(美しい方でした)一目見て「この人たちって一体??」不思議な雰囲気の2人で、どうしても夫婦には見えなかった。
だって2人は手をつないでいたのだから・・・
腕を組んでいるのでなく、手をつなぎ合っていたのだ。
夫婦でつないでいけなくはないし、そういう仲のよい夫婦もいるだろう。だけど、夫婦には見えない。じゃあ、何?何?何?ものすご~く気になってしまった。「お客さんとママ」なのか「社長と愛人」なのかそれとも???
画を観に来ているのに、何で人間ウォッチングしてるんだ?!私。
(結構人間ウォッチングは好きなのです)
まぁ、それだけ人が多かったということで。
浮世絵と同じぐらいなまめかしい二人でありました。

この「江戸の誘惑」展は残念ながら先日28日で終了。
現代の日本人が時代の流れとともに失ってしまった「何か」を思い出させてくれるような、不思議な魅力溢れる展覧会でした。