テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

ピノッキオ

2010-11-07 | ファンタジー
(2002/ロベルト・ベニーニ監督・脚本/ロベルト・ベニーニ(=ピノッキオ)、ニコレッタ・ブラスキ(=青い妖精)、カルロ・ジュフレ(ジェペット)/111分)


 だいぶん前にNHK-BS放送を録画していたR・ベニーニの実写版「ピノッキオ」を観る。本場物ですな。
 キツネとネコの悪巧み二人組も、指南役のコオロギもディズニーのアニメと一緒。ストーリーもほぼアニメ通りだった。

 実写版といってもCGを使ったファンタジー色を出したもので、しかし子供の頃から知っている物語なので、近代的なCGでは返ってお伽話ムードが弱まった感がある。
 しかも、てっきり字幕スーパーだと思っていたら、再生すると吹き替えだった。
 ベニーニ扮するひねたピノッキオの声はユースケ・サンタマリア、ゼペット爺さんは“磯野波平さん”の永井一郎。永井さんは順当だが、しわがれ声のピノッキオは如何なものか。ベニーニの風貌にユースケの声は合っているが、そもそもオジさんのベニーニのピノッキオがおかしい。

 松の木の人形ピノッキオが出来上がるまでが、もう少しゆっくり語られるかと思っていたら、開始早々にピエロのような格好をしたピノッキオが登場し、しかも軽快に動き出し、しゃべりだし、おまけにコレが嘘つきで暴れん坊なのも興ざめだった。子供だから元気なのは良いとしても、根っからの悪そう坊主のような言動は取っ付きにくい。原作のニュアンスがそうなっているんだろうか?

 ピノッキオが驢馬になる前夜のお祭り騒ぎの描写にはフェリーニを意識した趣があるが、ダイナミックさで劣るな。
 それと、ディズニーではピノッキオとゼペットは海で鯨に飲み込まれるが、コチラでは大きな鮫だった。

 映像を観れば力作なのは分かるけどなぁ・・・。

・お薦め度【★=特に、お薦めはしません】 テアトル十瑠

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4 コメント

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なんの意図があるのか (十瑠)
2010-11-10 14:19:58
わからないので、悪評サクサクなんでしょう。

ピノッキオ=男の子は全世界的に刷り込まれていますからねぇ。
でも、コレはピノッキオをおじさん化させたのではなく、オッサンが子供を演じているだけなんですよ。子供が演じては拙いようなシーンは無かったはずですけどねぇ・・・。
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見てないんだけど (anupam)
2010-11-10 13:20:27
悪評サクサクみたいですがね。

ど~して
おっさんがピノキオ?

彼は「ライフ・イズ・ビューティフル」でピークを迎え、もう終わった感が強いな
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破格の予算をかけて映画化 (十瑠)
2010-11-07 15:16:33
プロの方のブログに、「イタリア映画としては破格の予算をかけて映画化」されたとありました。
あちらには優秀な子役は居なかったんですかねぇ?
周りをベテランで固めると、余計に子共の無邪気さが伝わって良いものになるような気がするんですがね。
裏事情をちょっと知りたくなりました。
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そうなんですよ!! (宵乃)
2010-11-07 11:24:13
ピノッキオのおっさんにしかみえない風貌に、あのユースケさんの声!
やってることがディズニーアニメと同じでも、こんなんじゃ憎たらしさしかわいてきませんよね!!
わたしもこれは興ざめでした。
ピノッキオもCGにして、ベニーニは素直に年相応の役をやればよかったのに・・・。
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