はなナ

二度目の冬眠から覚めました。投稿も復活します。
日本画、水墨画、本、散歩、旅行など自分用の乱文備忘録です。

●2018年を振り返り

2018-12-30 | Art

あまり書き残せなかったけれど、
今年は美術展については自分史上まれに見る幸運な一年。

池大雅展、高山辰雄展、小倉遊亀展、田中一村展、横山崋山展、加藤晋展、石井林響展と、

ずっと個展があるといいないいなと思っていた展覧会が、一挙に実現してしまったのだから。

これでもう思い残すこともなくなってしまった。

いやいや
思いは叶うのかもということで調子にのって、つぶやいておこう。
長谷川等伯展、小林永濯展、エミール・ノルデ展、ガブリエレ・ミュンター展、ほかドイツ絵画展、渡辺華山展、アイヌ文化展、小林古径展、前田青邨展、もう一度バーネット・ニューマン展、、、
いつか開催されますように。

アイヌの文化については、北海道では展示があちこちであるようなのだけど、東京で大きく開催されることが大事だと思うのだけど。

部外者の勝手な思いなのだけど、前の二風谷資料館で見た、生活用品や衣服類に亡き萱野茂さんがひとつひとつつけた、「これを使っていた○○さんは、漁の時に、、」というたくさんの解説カードが忘れられない。アイヌの世界観、縄文時代からの変遷や北方地域のつながりも興味あるし、現在も生活の端々にまだ失われてしまってはいない文化だと思うし、博物としてではなく生きた説明をつけられるひとがまだまだいるうちに、ぜひ。


それから、ムンク展やフェルメール展、ブリューゲル展、フィリップスコレクション展、縄文展なども心に残っているけれど、
それとはまた別に、 今年意義深い展覧会だったと思うのは、板橋区立美術館の「池袋モンパルナスとニシムイ文化村」展、サントリー美術館「琉球展」、足立区郷土博物館「大千住展」の、地域特化?型展覧会。


「池袋モンパルナスとニシムイ文化村」展では、会場の半分ほどを使って、池袋界隈で暮らした沖縄の画家たちの、戦前と戦後の沖縄での画をすくい上げていた。

琉球展では、変幻する螺鈿の輝きに息をのんだ。螺鈿の調度品を見る機会は時折あるけれど、あれほどの輝きのものはなかった。さすが琉球王。 そして、南の海洋交易があんなに豊かに広がっていたとは。

さらに今年は、沖縄の書道会の方々の書を見る機会に恵まれた。これはすばらしかった。実は拝見するまで、トロピカルな沖縄と書道が結びつかなかったのだけど、無知っておそろしい。中国文化の影響も受けてきたせいなのか、沖縄の書道文化の厚さ深さ。圧倒される迫真の書だった。

地方に栄える文化を感じた年だった。
その意味では、全国を網羅した千葉市美術館「百花繚乱」も貴重だったのだ。 江戸時代の絵師たちのゆるやかなつながりが興味深かった。

そうすると、東京の街もいち地域としては、同じなのかもしれない。
「大千住展」は、足立区の千住の商家や豪農たちが日頃のつきあいから育んだ地元文化を感じられる企画だった。昔からご近所の絵師にお仕事を頼む機会がなにかとあるのだなあ。

そういえば、今年一度、北朝鮮の現代の絵を数枚見る機会もあった。中国風の、墨に着色した山水画のような絵だった。中国人のかたの所蔵品だそうだけど、北朝鮮には仕事として描く部署があるのだそうな。拝見した絵も、輸出用として描かれたのだろうか。

来年は「東博で初詣」で、イノシシ画を見るのが最初になりそう。

皆さま一年ありがとうございました。
よいお年をお迎えください。


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