No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

秋色の台温泉

2023-10-30 | 街:岩手











花巻の神社に行ったのであれば、当然温泉に立ち寄るべきだ。それが古からの習わしに違いない。花巻には「定宿」と称す鉛温泉があるが、この時期には「しっとり、ひっそり」した台温泉を愛でたくなる。嗚呼、台温泉。川沿いの細い道に何軒もの温泉旅館が軒を並べる。かつて存在した商店も飲食店も閉店し、温泉街には何もない。享楽目当ての観光客もいない。ただ静かな時間が流れる。台温泉のお湯は熱い。それは刺激的な熱さではなく、一度身体を沈めれば馴染む優しい熱さである。川のせせらぎ以外の音は存在せず、まるで胎内に籠もるが如く時間を過ごすことが出来る。この日、温泉街は秋色に染まっていた。

ちなみに台温泉は袋小路状になったどん突きに位置する。その奥には行くことができず、そこに来た人は例外なく来た道を戻っていく。妙に安心するのは何故だろう。

※昨日掲載の神社に導かれた「町」の写真を明日移行掲載します。本来の順序(時系列)と逆になってしまいました。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR


コメント    この記事についてブログを書く
« 聖なる場所で聖なるものを見た | トップ | 土沢AGAIN①〜もう一度歩け »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿