この店は一見、単なる小さくて古いだけの店に見えるかもしれない。しかし考えてみて欲しい。その取扱品目、つまりは事業内容を・・・。燃料を押さえ、物流を押さえ、米を押さ、塩(旧専売公社)までも押さえる。もしかすると、加えて煙草あたりも押さえていた可能性もある。地方でこれらを押さえれば、確実に蔵が建つはずだ。似たような出自の店が、大会社に発展した例は枚挙に暇なし。しかも角間川町は鉄道や大きな街道が存在しない内陸部の町である。古くから雄物川を水運路として使ってきた。昔は独占状態でウハウハでもおかしくない。それがこうやって普通の商店の顔を維持し、しかも長らく営業をしてきたということは、誠実な商売をしてきた証左である。決して阿漕なことはしなかったのだ。もう少しだけ欲張れば、秋田県有数の店になった可能性も大きいと思う。それが良かったのかどうかは、それは当事者が決めることである。その結果を僕は尊重したい。
LEICA M10 MONOCHROME / APO-LANTHAR 35mm F2 VM
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