野に撃沈

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。ペンタックスK10Dをバッグに野山と路地を彷徨中。現在 野に撃沈2 に引越しました。

八王子城跡散策

2008-03-21 | ハイキング
 

<前回からの続き>
 蛇滝口まで戻り中央道の下に小さく設けられたトンネルを通る。ジグザグの砂利の敷きつめられた坂道を登り、高台に上がると裏高尾の梅林が見えた。


 陽当たりのよい傾斜地で早咲きの桜の花が咲きかかっていた。


 圏央道と中央道の合流地点では随分と回り道をさせられた。大きく掘られたトンネルの入り口からは絶え間なく車のエンジン音が響いている。急な階段を登り切ったところにキブシやアブラチャンが花をつけていた。


 


 久しぶりの登りで早くも息が上がってきた。そろそろ標高が500mほどになったろうか。この辺りの木々に葉は見られず依然として冬のままだ。


 それでもよく見ると春の到来は感じられる。林の間にマムシグサの葉が背丈を伸ばしていた。

 日当たりの良いところではタチツボスミレが見られる。

 やっと富士見台まで来た。ここで昼食にする。それにしても鄙びた道だ。まだ一人のハイカーにも出会わない。


 詰の城といわれる大天守跡。


 八王子城山に着いた。一帯には神社や本丸跡の祠など木造の建物が幾棟か立ち並ぶ。


 二重に囲われた八王子神社。


 本丸跡。



 見晴らしがよい。眼下に八王子市外、遠くには都心のビル群が煙っている。


 小宮曲輪、親子の狛犬が珍しい。




 梅林が見えてきた。




 梅の木下にはスミレやホトケノザ、キランソウなどが咲き始めている。この辺で初めて数人のハイカーとであった。

 金子丸を通り過ぎ暫く下った頃、八王子城跡管理棟が見えてきた。「日本100名城 八王子城跡」の幟が数本立っている。」以前来た時は無かった見学者用駐車場が新しく出来ていた。ここから御主殿跡を訪ねる。

 きれいに整備された大手門跡。


 古の武将たちが行き来したであろう古道。


 最近改修されたばかりの真新しい曳橋。


 城の入り口に当たる虎口(こぐち)の石段。


  


 門の向こうにはただ広い何もない広場があるだけ。今から400年以上前の安土桃山時代。城主北条氏照は前田利家に攻め立てられ、僅か一日で落城したといわれる。この御主殿跡からは7万点もの遺物が発掘され、その中には中国や遠くベネチア産のものまであった。

 帰りは高尾駅まで約3kmを歩いて帰った。南浅川にかかる橋を渡る頃には夕暮れ時を迎えていた。





裏高尾ー早春を彩る花たち

2008-03-19 | ハイキング
 先日は春ののどかな陽気に誘われ裏高尾、旧甲州街道から八王子城跡にかけて歩いてきた。



 高尾駅から歩いて20分余り、旧甲州街道の関所跡についた。紅白の梅とサンシュユの色合いがきれいだ。



 旧街道沿いには石碑や地蔵が多い。


 この2,3日の気温の上昇で、野の花たちも冬の休眠を解きいっせいに目覚め始めたようだ。


 左上から菜の花、ヒメオドリコソウ、フキノトウ、オオイヌノフグリ。


 ツクシ、赤花ミツマタ、トサミズキ、ヒュウガミズキ。


 ムスカリ、ムラサキケマン、ショカツサイ、キブシ。

 ちょうど卒園式が行われていた。


 通りの至る所に”圏央道反対”の看板が見られる。そのうしろを最近圏央道とつなげられた中央高速道が走っている。





 高尾山の中腹にトンネルを掘ろうと工事中の橋の下を通った。建設反対の人々の声を無視し莫大なお金をつぎ込んで、工事のための工事が行われている。



 懐かしい井戸水をくみ上げるポンプがあった。。錆びが見られないので、今でも現役で使われているのだろうか。


 無造作に打ち捨てられた芸術作品たち。


 蛇滝口を通り過ぎた。
 
 ハナニラ、おもしろい花の形のツバキ、左下は花色の濃いスミレ園芸種だろうか。石垣の隙間にたくさん咲いていた。右下はツルソバ。


 シバザクラ、ハコベの仲間、ナズナ。白花沈丁花が蕾を綻ばしていた。野の花と庭に咲く園芸種の花とが入り混じってカラフルな春を演出している。


 ホトケノザ、ツルニチニチソウ、キランソウ、福寿草もしぶとく咲き残っていた。

 
 左上は葉の色形からサクラソウの仲間か。あと三つはスミレで、右下はタチツボスミレ。

 小仏川を渡った先の山の斜面が梅林になっていたが、手入れがされておらず老梅がツタに絡まっていて痛々しかった。斜面のいっとう奥に小さな祠があった。


 右側には中央高速が通っているが、左手の高尾山側は里山の風景が広がっている。


 日影の釣堀池が見えてきた。


 はじめは小仏の梅林まで行く予定だったが、花を撮るのに夢中で思ったより時間がかかってしまった。予定を変え日影沢の分岐で引き返し、蛇滝口から八王子城跡へ向かった。

カタクリの咲く殿ヶ谷戸庭園

2008-03-16 | 公園
 今日の日曜日は昼から都立の殿ヶ谷戸庭園に行ってきた。この庭園は国分寺駅のすぐ前にあり、広くは無いもののハケ(国分寺崖地)の湧水が見られ、良く往時の武蔵野の自然も残されている。折りよく「早春の殿ヶ谷戸とカタクリを楽しむ」というイベントが3月15日~23日の期間行われていた。

 入り口すぐに置いてあった鉢にはオキナグサのような花が活けてあった。


 入園料150円を払って入ると入り口には満開の梅が。


 湧水の近くの斜面にカタクリを見つけた。咲いているのは十数株ほどか。




 午後の明りの下、花弁をすっかり反らしている。





 傍らにはシュンランも咲いている。


 気の早いニリンソウも数輪咲いていた。


 斜面を登った先には馬頭観音の石碑が置かれている。


 これは自生の株なのか。どうも時季から言って温室で育て植栽されたもののように思える。しかとは分からないが…、








 咲いているのは2,3分ほどで蕾のものが多くまだ群生とは言い難い。





 園内は狭いのでゆっくり見ても30分程だったが、カタクリだけでなくシュンラン、ニリンソウと早春を代表する名花を見ることが出来て大満足だった。

 鹿威しの音を背に出口へ向かった。


谷保天満宮から根川緑道を歩く

2008-03-14 | 散歩
今回の散歩コースと所要時間を概略メモしておこう。

 国立駅前ー25分→谷保天満宮ー15分→城山公園ー少し迷って20分→くにたち郷土文化館前通過ー30分→根川貝殻坂橋ー根川沿いに40分→残堀川との分岐地点ー20分
→立川駅

 駅前の大学通りにかかる陸橋から駅方向を見る。枝先が赤みを帯びてきているようだ。


 古刹谷保天満宮。親子の狛犬ははじめてみた。


 梅園に入ってみる。




 手入れのされてない梅の古木が痛々しい。かっての梅の名所も今は昔ということか。




 小川に沿った散策路が続く。中央高速の下、付近には田んぼも僅かながら残されている。


 谷保の城山公園はキツネノカミソリの群生が見事。以前ここを散策中にはアオゲラを見つけたことがあった。


 くにたち郷土文化館。ちょっと覗いただけすぐに退出した。


 途中からサイクリング道路になる。立ち木の並びの切れた先に多摩川が見えた。


 貝殻坂にかかる、背の高い何とも趣のある橋。


 ここから根川の緑道が始まる。川の両岸の桜並木は季節になると素晴らしい景観を見せる。


 トサミズキが花穂を伸ばしていた。


 道端のタネツケバナもみずみずしい緑をしていて、思わず食指を誘われる。


 この緑道は途中、幾つかトンネルをくぐって行く。


 根川緑道はA~Dまでの4つのゾーンに分かれている。ここは柴崎体育館前のBゾーン。


頭上を通っていくのは多摩都市モノレール線。


 狭い流れでも小魚は豊富に泳いでいる。チュウダイサギが人目を気にせず漁をしていた。


 ここが水源。下水処理された水とは思えないほど水はきれいだ。


 ササヤブの中に置かれた歌碑は、若山牧水の妻喜志子のもの。「ひとりゐは あさこそよけれ わか竹の 露ふりこぼす 風に吹かれて」とある。


 行き着いた先は残堀川となっている。


 水面に青く光るものが飛び込んだと思ったら、カワセミだった。


 この後は立川中央通りまで戻って駅まで歩いた。駅につく頃には軽く汗ばむ程の陽気だった。総歩数は久しぶりに25000歩を超えた。

ユキワリソウ咲くー赤塚植物園

2008-03-11 | 植物園
 日曜日は赤塚植物園を訪ねてみた。近くの赤塚公園では梅まつりの最中で、その流れかいつもより人が多い。

 管理棟では早春の花のスケッチ画展が開かれていた。

 コウヤボウキ、本当に名のように箒そっくりだ。


 キクザキイチゲが咲いていた。


 枯れ草を押しのけて可憐な姿を見せているのはユキワリソウだ。


 


 ユキワリソウのピンク。三っつ揃って咲いていたその下にセミの抜け殻が。

 ユキワリソウは、ミスミソウやスハマソウなどの別名があり、また同じ名を持つサクラソウ科の花もあって紛らわしい。

 傍らではセツブンソウも咲いていた。


 枯葉の中から覗いているのはクロッカス。




 大きな木の根株の周りが青紫色に染まっている。よく見るとムラサキハナナが咲いている。狂い咲きだろうか随分時期が早い。

 この花もたくさんの和名を持っている。オオアラセイトウ、ハナダイコン、ショカツサイ等など。

 そのそばではカタクリが花茎を伸ばし今にも咲かんとしている。




 薄暗い木の下ではオウレンが繊細な花を咲かせていた。


 ツグミ大の野鳥が頻りに土を掘り返している。珍しい、シロハラだ。


 草の花はまだまだ咲き揃わないのだが、木の花は随分揃ってきた。
トサミズキ。


 ミツマタ。


 沈丁花に似たナニワズ。


 珍しく花弁が虫に食べられてないツバキ。


 これは一見サンシュユに似るがダンコウバイといいクスノキ科。


 こちらがミズキ科のサンシュユ。


 ミモザにもギンヨウアカシアやハナアカシアの別名がある。


 大樹に寄り添うように咲いていたユキヤナギはやはり狂い咲きか。


 
 この日はコートを脱がないと汗ばむほどの陽気だった。これで二月来の寒波による遅れを取り戻して、野の草花たちも少しは目覚めてくれるだろうか。