野に撃沈

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。ペンタックスK10Dをバッグに野山と路地を彷徨中。現在 野に撃沈2 に引越しました。

高尾山

2006-12-31 | 野の花
 大晦日の今日、朝早く高尾山へ登ってきた。今夜からは初日の出や初詣客で大混雑になるのだろうが、登山客も疎らで境内の茶店も既に準備を終えたのか店を閉めひっそりとしていた。
 高尾ケーブルカー駅。これには乗らず1号路を登った。



 金比羅台からの展望。もう少し早く来れればもっと澄み切った展望が得られたのにと後悔。それでもおぼろげながら東京湾や新宿の高層ビル群が望めた。

 

 参道の巨大杉並木。


 薬王院。






 奥の院は夜間立ち入り禁止とかで出口だけがふさがれていた。


 やっと大見晴台まで登ってきた。所要時間70分。




 ここからは紅葉台、一丁平、城山とシモバシラを探しにハイキング。

東京夜景④-銀座後編

2006-12-25 | 日々雑感
 ミキモトのツリーの前は一段と人だかりがしていてなかなか近づけなかった。やっと近くまで寄れた時,ツリー下に置かれた2対の人形を見つけた。

 銀座中央通りの4丁目一帯は、三越や松屋といった老舗のデパートが立ち並んでいる。行きかう人の数は次第に増え、肩を触れ合わずに歩くことはもはや出来ない。


 日本橋駅のそばのコレド。





 日本橋の方まで来ると途端に人通りが少なくなった。都心環状線の高架下に東海道の起点となった日本橋がある。



 三井本館前ではビルの壁に浮世絵を映写していた。



日銀本店と三越の間の通りを抜け、都心環状線の高架をくぐって丸の内方面へ。去年の今頃は東京ミレナリオで大変な人込みだったが、今年は開催されず通りは閑散としていた。並木に飾られたオレンジ色の発光ダイオードが今年のイルミネーションの目玉らしい。この色は今までの冷たい人を寄せ付けないような美しさではなく、何処となく温かみを感じさせてくれる。癒しの光とでも言ったところか。



新丸ビルの中に入ってみると、吹き抜けの広間に置かれた巨大ツリーに向かって大勢の人々が携帯をかざしている。手を精一杯伸ばし対象を自らの通信機器の中に写し取るその姿は恰も新しい祈りの形態のようだ。



 日もすっかり落ちた。そろそろ一日限りの小放浪も終わりに差し掛かったようだ。東京駅の赤レンガは何時見ても郷愁を覚えるが、ライトアップされている時は尚更そうだ。駅は諸事の起点であり終点であるから、様々な人々の思いが混ざり合いしこりとなって残るのだろうか。歴史を重ねた古い駅舎は尚更いけない。じっと見ていると胸がつまり訳もなくセンチメンタルになってしまう。



東京夜景③-銀座

2006-12-21 | 野の花
 丸の内線霞ヶ関駅に降り立ったのが4時半を回った頃、既に冬の早い陽は沈みかけていた。日曜日とあって日比谷公園内を歩き回る人にスーツ姿のサラリーマンは少なく、大半が家族連れの観光客だった。そして銀座の夜景が目当ての素人カメラマン(僕も含めて)が数人。松本楼に灯がともりはじめた。


大噴水も点灯するとはついぞ知らなかった。



 日比谷公園を抜けた所に帝国ホテルが見えてきた。左はみゆき座。



有楽町駅に近づくにつれて人通りが多くなって来る。この建物は日比谷シャンテ。





 ガード下をくぐりぬけ、人の流れに身を任せて数寄屋橋までやってきた。日曜の夜だというのに歩くのも儘ならないほどの人出だ。銀座ソニービル前の大きなツリーを前に大勢の人が携帯をかざしていた。

 

 

 巨大なツリーも派手なシャンデリアも、人目を引くショーウィンドーも見ることなく、無表情に過ぎてゆく人がいる。わき目もふらず足早に、忍び寄る夜気に追い立てられるように、或いは過ぎ去って行く年を追いかけるかのように。歩き始めて一時間、銀座の中心地4丁目にやってきた。夜空に浮かぶ白い建物は銀座和光。



 続く。


東京夜景②ーペンタックス21mで撮る

2006-12-17 | 野の花
 早くも黄昏はじめた表参道から代々木公園脇を通って新宿方面に歩いた。井の頭通りを富ヶ谷交差点で右折し山手通りを北上する。長期の地下鉄工事が続いて通りは人気もなくやけに殺風景だ。初台で甲州街道に行き当たる。ここに新国立劇場通称東京オペラシティがある。


 大きなクリスマスツリーのそばに不思議なオブジェがあった。



 
 甲州街道を新宿方面へ歩いて行くとパークホテルがある。

 ホテル前の新宿中央公園から都庁通りに入って新宿住友ビルまで来た。ここのイルミネーションは規模は小さく特に人目を引くものはないのだが、周囲の高層ビル群の風景と相俟ってなかなかの風情がある。都会の夜の小さなオアシスといったところか。


 新宿駅南口に近づくにしたがって人通りが急に増えてきた。新宿サザンナイツのイルミネーションが人を呼んでいる。



 このイルミネーションで造られた青いボックスには、次々と老若男女のカップルたちが吸い込まれていく。中では何やら祈っているようだ。おかしいのは殆どのカップルの祈りの時間が、まるで定められているかのように同じことだ。合図もないのにほぼ同じ時間で出て行く。幸福とは群れの中に溶け込み、個性を放擲し均質化していくことだと固く信じ込んでいるかのように。
 

 4時間余の放浪の締めくくりとして歌舞伎町コマ劇場前にやってきた。ここの噴水池が埋め立てられた頃から、この街は次第にエネルギーを失ってきているように思う。更に近年夥しい街頭の監視カメラの設置がそれに拍車をかけた。かつて互いの唾が吐きかかるほどに人と人との距離が近接し、むき出しの欲望をぶつけ合って巨大な坩堝の如き猥雑なエネルギーを作り出していた。往時の歌舞伎町も今は疾走を止め静かに休息している。何も映ずることのないホワイトアウトした大画面の下、人々は背を丸め顔をうつむけ押し寄せる夜気に身を浸していた。

原宿表参道ーペンタックス21mで撮る

2006-12-14 | カメラ
 思い切ってペンタックスの21mレンズを買った。つけているカメラ(k100D)とほぼ変わらない値段なので、小心者の僕にとっては大変な勇気がいった。でも素晴らしい。今までのシグマ18-50mも値段の割りに気に入っていたのだが、やはり描写に格段の差がある(ように思う)。解像感に優れているのに、色や線の描写に柔らかな味が感じられる。逆光で撮ってもフレアーが発生しにくい。更にパンケーキレンズ並の薄さがスナップ写真には絶好、と今の所良いとこだらけだ。買ったその足で早速都心ー表参道の夜景を撮りに出かけた。








 煌びやかなショーウィンドウやイルミネーションに見入って暫く通りをうろついていた。時を忘れ夜もすっかり更けたと思っていたのだが、顔を上げて見ると空はまだ茜色を残したままだった。遠く欅の梢の先で、一羽のカラスがじっと此方を窺っていた。