野に撃沈

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。ペンタックスK10Dをバッグに野山と路地を彷徨中。現在 野に撃沈2 に引越しました。

川苔山に登る②

2008-05-29 | 登山
<前回からの続き>

 バス停から少し歩いた清東橋の付近。


林道歩きは車が殆ど通らないのでのんびり歩けた。道路わきで目に付いた花はガクウツギとマルバウツギ、コゴメウツギなど。




 コアジサイも咲き出していた。


 何時の間にか山の奥深く分け入っていた。


林道の終点からは左に折れ、沢沿いの道を暫く歩いていく。本流に流れ込む小沢にはわさび田が作られているが半数ほどは放置され野に帰ろうとしていた。


 沢筋で一番良く見られた花はクワガタソウだ。薄いピンク色の花弁に赤紫色の筋が特徴のゴマノハグサ科の花だ。


 よく見ると個体差なのだろうか、赤色の強い花も見られる。


 クワガタソウ以外にも、ラショウモンカズラやコチャルメルソウ、ミヤマキケマン、ヒイラギソウ、ヒメレンゲが良く目に付いた。








 黄色の花が目に鮮やかなヒメレンゲ。


 ほぼみどり一色の世界を歩いていると、時おりヤマツツジの鮮やかな朱が目に入ってきて驚かされる。


 沢には数え切れないほどの小橋がかけられ、それをわたって行く。


 古い看板が苔むした岩壁に倒れたまま置かれている。



 途中沢から少しはなれたところで珍しい花を見かけた。花の形はカキドオシやラショウモンカズラなどに似ているが葉の形が違う。どうやら図鑑で見知っていたオウギカズラのようだ。


 アカネ科のクルマバソウ。ヨツバムグラやキヌタソウとよく似ている。


 白い小さな花は三脚を一切使わない私にとっては難しい被写体だ。またそういう花に限って薄暗い林内に咲く。


 形のユーモラスなアミガサタケ。

 
 やっと獅子口小屋跡まで来た。


 其処からすぐの沢を渡った先に獅子口といわれる、湧き水の流出口がある。うまい名をつけたものだ。ここで水を頂き、補給する。


 獅子口を過ぎると沢筋から離れ、急な登りが始まる。所々に見慣れた白い斑入りの葉がある。フモトスミレだ。


 どうやら300mほどの登りを終え、やっと尾根筋にたどり着いたようだ。初夏の陽射しが眩しい。前方にすっかり荒れ果ててしまった茶屋が見えてきた。


 尾根に出てからの道は視界が開け、爽やかな風が吹き渡り気持ちが良い。思わず足取りも軽くなる。時おり梢のきれた所からは奥多摩の山々が望めた。道の脇にはシロヤシオやミツバツツジが咲いている。空の青とツツジの白と赤、カエデの新緑、いちご類の黄色の花と世界は突然色彩に溢れてきた。











 頂上にたどり着いてやっと遅めの昼食をとった。腰をおろし、爽やかな風に吹かれながら頬張るおにぎり。眼下には奥多摩の峰々がたおやかに広がっている。大自然を肴に食べるおにぎりは何ともうまかった。



 下山時ハンショウヅルをみつけた。飾らない赤紫の色が印象的だった。

川苔山に登る

2008-05-28 | 登山
 青梅線の川井駅で降りたのが9時55分過ぎ、バス停まで急いでやっと9時58分の上日向行きに乗れた。川苔山への登山は今回で3度目だが、以前の2回は何れも日原街道沿いの川乗橋から百尋の滝を経由するもので、川井から大丹波川を遡るコースは今回が初めて。

 <感想>1363mと低山であるにもかかわらず、アプローチが長かった。写真を撮りながらではあるが、歩き初めから登頂まで4時間近くかかった。殆ど休憩時間を取らずにだ。登りの林道終点から始まる川沿いのコースは変化に富んでいて楽しいが、下りは杉、檜やカラマツの植林地帯を単調に下るだけで変化に乏しい。頂上の展望もそれほどきかない。標高差1100mを登るならもっと楽しめる山が幾らでもありそうだ。唯一のとりえは駅から近いということ位か。

 <コース・時間の概略>10時20分上日向から歩き始める→11時6分へリポート前通過→11時16分林道終点→12時50分獅子口小屋跡→13時33分横ヶ谷平→13時56分頂上、昼食20分→大ダワを経て大根の山の神15時40分→鳩ノ巣16時10分

 <途中であった人> 頂上付近で4人、下山時2人。獅子口コースでは登山者に出会わなかった。

 <出会えた花> フタリシズカ、ヒメレンゲ、ムラサキケマン、ミヤマキケマン、クワガタソウ、コチャルメルソウ、ツルカノコソウ、ウワバミソウ、オウギカズラ、ラショウモンカズラ、ヒイラギソウ、フモトスミレ、スミレサイシン、クルマバソウ、フタバアオイ、チゴユリ、ハンショウヅル、木の花はガクウツギ、コゴメウツギ、マルバウツギ、シロヤシオ、ミツバツツジ、ヤマツツジ、モミジの仲間、コアジサイ、エゴノキ等々。

 花の写真は次の日に。

赤塚植物園ー木の花

2008-05-26 | 植物園
 赤塚植物園は今年3月9日に行って以来だからほぼ2ヵ月半ぶり。初夏とは思えない陽射しが照りつけていた。

 園のすぐ入り口にはユリノキの大木がある。別名チューリップツリーの名の通り、チューリップに似た可憐な花をつけていた。


 野草の小経にはソヨゴの小さな花が敷きつめられている。

 ソヨゴは余り聞かない名だが、ニシキギ科モチノキ属の常緑樹で10月ごろに赤い実をつける。


 管理棟の脇には大きなユーカリの木があるが、その下でブラシの木が真っ赤な花を自動洗車機のように何本もつけていた。。


 ミズキ科のヤマボウシは手裏剣のような十字架の4弁花をつける花だ。ヤマグワの異名の通り、9月ごろには芳香のある赤い実をつけ、食してもうまい。



 イボタノキは咲き始めたばかり。

 山野草の小径を登りきった所にオオヤマレンゲの白い大きな花を見つけた。甘くて爽やかな香りを周囲に放っている。同じモクレン科のタイサンボクやホオノキと似た花を咲かすが、下向きにうつむいたように咲かすのが違い。尤も上向きに咲かすウケザキオオヤマレンゲというのがあるそうだが、私は見たことはない。


 タニウツギやウツギなどのウツギの仲間も今が盛りと咲いている。これはとりわけ花姿の端麗なバイカウツギ。


 近くには同じユキノシタ科のユキノシタも咲いていた。


 これは下の大きな花も3弁で珍しい。



 小路を隔てた所には万葉草花園が設けられている。入っていくと柑橘系の強い香りがしてきた。

 名札にはタチバナとある。

 奥のほうでは紫陽花の仲間が幾つか植えられていた。ヤマアジサイだけはもう花を咲かせている。


 すぐ近くではマタタビの仲間、サルナシの花が咲いている。

 図鑑で見るとこれはどうやら両性花のよう。

 こんもりと小山のように茂っているのはつる性のテイカカズラの花。



 里の野の花が一段落するこの時季は、補うように木の花が多く咲いてくれるので飽きない。私の好きな紫陽花やハナショウブの花も間もなく咲き出すことだろう。





近所の公園まで

2008-05-22 | 散歩
 ここ2週、休みの日になると決まって天気が悪くなる。山へ登りたいのだが吹きなぐりの悪天候ではしょうがない。仕方なく昼近くまで天気の回復を待って、少し離れた公園まで散歩に出かけた。

 道々、垣根越しに様々な花を見ることが出来る。
これは初めて見た。赤紫色のオドリコソウのような花を咲かせている。

 ラミウムという名で呼ばれているらしい。

 西洋オダマキは最近ではたくさんの花色が見られるようになって来た。これは比較的稀少な白色の花。


 カルミアもよく見かける。これは赤色の濃い種。


 咲きかけのシラー




 野生化しつつあるゼニアオイ



 完全に野生化してしまったコバンソウ。

 背景の赤紫はシラン。

 白色のシランも近頃よく見かける。


 芝生の上ではたくさんの雑草化した花がしのぎを削っている。
アメリカフウロ。


 ニワゼキショウも多い。以前は白と赤紫の二色だけだったが最近は薄青色の混雑種?も見られるようになって来た。

 ネットの花の名前の掲示板によるとそれぞれ細かな名がついているようだ。

 普通の白と赤のニワゼキショウ。




 暫く歩いているうちに壁一面に蔓の草を這わせている家を見かけた。よく見ると白い花が咲いている。キウイの花だ。


 やっと公園に着いた。
どくだみの花が一輪だけ咲いている。


 天気が良くなり、陽射しが射し込めてきたせいか虫が出てきた。キバナコスモスに小さなバッタがいる。


 ウマノアシガタにとまるホソタヒラアブ。


 シランの上に止まったヒョウモンチョウ?はこちらをじっとうかがっている。


 セセリチョウのなかま。


 ナツアカネだろうか


 可愛らしいイイボタノキの花


 木陰の薄暗い所ではサイハイランやヤセウツボがひっそりと咲いている。




 春に白い小さな花を咲かせた後、こんな実をつけるヤブジラミ。名はこの実が衣服に引っ付きやすいことから付けられた。


 自然が良く残され、手厚く保護されているこの公園の中では、今では見る機会の少なくなったオオバノトンボソウやイチヤクソウがじきに咲き始める。
花茎を伸ばしたイチヤクソウ。


 草原の広場ではキツネノアザミが初夏の風に揺れていた。

 つくば植物園②

2008-05-18 | 植物園
 <つづき>私が初めて見ることの出来た珍しい植物を中心に載せてみよう。
 まずはドラゴンフルーツの実。


 名札にはストロパンツス・ディワリカーツスとあった。中国原産のキョウチクトウ科の木らしい。

 原生動物のような何とも奇妙な形をしている。

 ゲットウ。別名アルピニア。ショウガ科の花で日本では九州南部から沖縄にかけて自生する。


 名前をメモし忘れた。ラン科の花のよう。



キングサリ。キバナニセアカシアといった風情か。マメ科の花で有毒らしい。


 同じくマメ科のヒスイカズラ。フィリピンのミンダナオ島などの限られた熱帯雨林の地域にしか自生しない。日本の温室で見かけたのは3ヶ所目。


 カニのような色形のグレビレア・アルビナ。オーストリア東部原産。


 ウォーターポピー。南米原産のハナイ科の水生植物。3弁の可愛らしい花が特徴だが、ポピーとはそんなに似てはいない。


 白花のハンショウヅルは見たことがなかった。


 普通のハンショウヅル。



 花の枯れかかったタイリンオモダカ。アメリカやオーストラリアでは水田の雑草らしい。


 白い苞のないミズバショウといった趣のオロンティウム・アクアティカム


 キボウホウヒルムシロ。水面からサメが大きな口をあけているかのような花だ。





 食虫植物の一種、サラセニア。


 メンデルの葡萄


 帰りがけにクレマチス展を覗いた。


 園内滞在4時間、様々な植物に出会えて夢中で過ごすことができた。季節を変えてまた訪れたい植物園だ。