野に撃沈

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。ペンタックスK10Dをバッグに野山と路地を彷徨中。現在 野に撃沈2 に引越しました。

モロコシの実

2006-07-30 | 散歩
 今週はずーっと朝から晩まで働きづくめ。大して暑くはなかったのでまだましだった。が、来週も全く今週と同じで月曜日から土曜日まで通して仕事。しかも暑くなるだろうなぁ。徒労感と脱力感が入れ替わり襲ってくる。

 体はフル回転状態なのに頭はからっぽ。一日の行動概略のメモ代わりとなっている、カレンダー型の行動表も一週間あっさりと空白が続いた。書き込む出来事もなければ気力もない。抜け殻のように徒に生きた一週間だった。
 
 おかしな風に聞こえるかもしれないが仕事自体は嫌ではない。寧ろある意味楽しんでいるとさえいえる。ただ仕事をしている自分が嫌なのだ。出来れば、仕事をしている事が生きている事とさしてかけ離れてはいないようなそういう仕事に就きたい。低収入だってかまやしない。日々が充実してさえいれば良いじゃないか。
 まぁ、あと2,3年で子供も自立して行くだろうからそれから先の事だ。

 写真はモロコシの実。高粱(コウリャン)と言った方が通じるだろうか。現在の私と違って青青として中身がぎっしりと詰まっているのがとてもとても羨ましい。

北海道旅行⑦ーどちらが幸せか

2006-07-27 | 旅行
 北海道シリーズは今回で打ち切り。最後の写真は組み写真としよう。上は礼文島の北端スコトン岬で集団で日向ぼっこをするゴマフアザラシ。一頃タマちゃんで話題になったあのアザラシと同じ種類だ。下は今をときめく旭川の旭山動物園のゴマフアザラシで園内の人気動物となっている。

 古典的な問いで恐縮だが、野で生きることと飼育されて生きることと一体どちらが幸せなのだろうか。勿論アザラシはそんな事は考えないで生きているのだから、こうした問い自体が無意味であり、ある意味人間の驕りとも言えるだろう。そしてその考えは正しい。それでもなお、アザラシに一体どちらを選ぶのかなお尋ねてみたい気がする。案外、アザラシたちは野生を捨てて、安逸で危険のない、長命の保証された飼育環境の方を選択するのじゃないだろうか。
 それを知ることが少し恐ろしい。

 それにしても旅をすることは楽しい、そしていろいろな事を考えさせられる。人は様々な形で小さな期間限定の旅を楽しみ、繰り返しながら生きていくのだろう。言ってみれば人生自体が後戻りの叶わぬ旅なのだ。

北海道旅行⑥ー広大な迷路

2006-07-25 | 旅行
 緯度の高い北海道では、4時少しになると日が昇る。つられて我々も4時半ごろには目を覚ました。嬉しいことに天気はすっかり回復している。5時過ぎには起き出して朝の丘散策に出かけることにした。Tシャツに長袖のシャツを着込み出かけたのだが、小半時もせずに脱いでしまうほどだった。

 歩を進めるごとに作物が変わっていく。花の最盛期を迎えていたジャガイモ畑は白や仄かな赤紫色に染まっていた。刈り取り間近の麦畑は何と言ったらいいのだろうか、そう陽にさらされた麦藁帽子の色だ。黄色の花の点在するカボチャ畑、ビートらしきものが植わっている畑、蕎麦や豆類の畑と作物は多岐にわたっていて、そのおりなす色模様がパッチワークの丘の名の所以となっている。この辺一帯は 美瑛の丘ではパノラマロードの丘と並んで見所の多い地とされている。一応観光マップを片手に散策を始めたのだがすぐに現在地が分からなくなった。

 余りに広すぎる。道は自在に緩やかな起伏をなし、しかも折れ曲がっている。いわば緑の広大な迷路を彷徨っているかのようだ。視線を遮る高さのものは一切なく、視界は遥か遠くまできく。かえってそのことがせせこましい都会の空間感覚に狎れきった我々を迷わすのだろうか。が、かまやしない。何を見る目的があるわけじゃない、そぞろ歩き、透き通った光線を浴び、爽やかな風に身をさらすことが出来さえすればいいのだ。朝食までの2時間余、身を緑色に染めながら広大な畑の中を彷徨っていた。

MyHpに美瑛の丘upしました。 

北海道旅行⑤ー朱色の川

2006-07-23 | 旅行
 ファーム富田のある中富良野から美瑛までは富良野線で30分弱。列車に乗っている間に雨は止み、雲の切れ間から時折日が射すほどに天気は回復してきた。車内はこれからそれぞれの宿へ帰る観光客たちでいっぱいだった。

 美瑛駅に降り立ったのは7時20分前。暫く宿からの車を待っているうちに日は落ち始めた。やって来た迎えの車に乗せてもらい丘を幾つか越えていく。辺りが夕日に照らされてみるみるうちに茜色に染まっていった。今夜の宿のある通称”マイルドセブンの丘”の付近まで登ってくると光はいっそう色を帯びてきた。この夕日は写しておかねばと、宿の少し手前で車を降りた。

 足元から伸びた一本の農道がジャガイモ畑を突っ切っている。未舗装の農道は赤く燃え立ち、遥か遠く十勝岳の麓へと続いている。今しがたまで降っていた雨の名残りか、ぬかるみの道は燃え立つ落日に濡れて輝いている。それは起伏の中を蛇行しながら流れる一筋の川のように見えた。朱色に燃えて流れる命の川だった。

 その日泊まった宿の名は”星の庵”といって、広大な麦畑の中に立つ一軒宿であった。その夜、テレビも冷蔵庫もエアコンも一切ない部屋で我々は夢を見ることなく眠った。

北海道旅行④ーファーム富田

2006-07-23 | 旅行
 稚内から朝早い”スーパー宗谷2号”に乗って旭川まできた。話題の旭山動物園を見学した後、列車で中富良野のファーム富田へ。雨脚が強くなってきたのにも拘らず沢山の観光客が来ている。時折甲高い中国語の会話がそこかしこで聞こえてくる。海外から客をひきつけるほどにあの”彩りの畑”の絵は鮮烈なのだろう。

 雨の中を暫く無言で歩く。”トラディショナルラベンダー畑”、”花人の畑””倖の畑”と歩を進めるたびに原色のパノラマが繰り広げられていく。視線を原色の畑に灼き付けられながら、足元のぬかるみを忘れて歩いていた。