包丁をホルダーに収める際、刃の向きは取り出したり入れたりする側とは反対に向けます。なるべく危なくないようにという配慮からです。
店を始めた頃、包丁を何処にどう置くか何も知らず主人に叱られました。
と言っても出刃や柳刃はもちろん触るわけもなく、自分が使う賄い用包丁の扱いについてです。私は使いかけのままあちらこちらに放置するような人間で、ステンレスの調理台とガラスのネタケースの上に直に置いた時はハッキリと注意を受けました。
「つるつる滑って危ない、ぶつかって刃が欠けるかもしれない、とにかく堅い面に刃物が当たって“カチャ”っていう感触がなんかいやなんだ。包丁を置く場所にはじゅうぶん気をつけて」と。
基本的に包丁はまな板の上かホルダー内か、ということを理解した出来事でした。