四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

新子はコハダに、スミイカの子供=新(しん)イカは一パイで二貫とれる大きさに、イクラは皮が軟らかく粒が大きくなってきました

ほうぼう

2011-02-04 00:29:00 | わたしの魚(ウォ)キペディア 第1回~第

わたしの魚(ウォ)キペディア 第40回 ほうぼう010

十年近く前のことです。テレビを点けたら、さかなクンがホウボウについて話しているところで、たしかこんなことを言っていたと記憶しています。

ホウボウという名前は全国のいろんな場所、『方々』でとれるというところからきているという説や、浮き袋を使って鳴く時に『ボー、ボー』っていうのが転じてホウボウになったという説、その他いろんな説がある

胸鰭の下の方が足のようになっていて、砂地を泳ぎながらエビや貝などを捕獲し、食べている

気が弱い魚で、砂地を歩いていてバッタリ敵に出くわすと青い胸鰭を開いて正面から見た時に大きい魚に見えるように相手を威嚇し、それでも相手が逃げていかなかったら自分がヒレをたたんで逃げる

それからしばらくして魚のことが載っている食物事典でホウボウを調べると、似た魚のカナガシラとともにブイヤベースの具材に使われていることがわかりました。過去に二度ほど食べたことのあるブイヤベースの思い出を辿ると、頭をぶつ切りにしたものが入っていたような気がして主人に伝えました。
「歩留まりのよくない魚だからね、ホウボウは。頭がでっかくて身はそんなに取れないし。ブイヤベースみたいに魚を丸ごと使う方が賢明だよ」
と主人は言いました。
寿司屋で白身といってホウボウを使う人はめったにいないそうです。

じゃあどうして仕入れるのと訊くと
「美味いから」
と答えが返ってきました。