子育て・私流

子供を三人育て、孫も五人になった。
男親の私がどのように考え、子供や孫に接してきたかを書く。

焦土の東京で 11 15才で初めての土方仕事

2007年05月08日 | 終戦後の生きざま・私流
15才での初めての仕事現場だ。

仕事は、「鉛筆の芯を造る工場の中に、鉛筆の芯を作る材料(黒鉛と炭ともう一つ何か不明)の粉を入れて、煉りあげる。」ロールを据付設置するための「基礎工事」だ。

工事が始まって、今日で5日目になる。

穴掘りに、二日。
杭打ちに、一日。
コンクリートの打ち込み作業に、今日を入れて二日目。
今日も5人全員での仕事だ。

さて、今日でコンクリートの作業が終わるのか。また、手もとめられない、休めない作業が始まる。

私の感想は、「もう昨日までの仕事で、身体も慣れていないので、くたびれて、へとへとだよ。」
「今日には、作業を終わりにしてもらいたい。」と思うのみ。

次兄が朝一番から、材木で幅15センチ四方・長さイチメートル位の箱を4個作っている。

私 「兄貴、長い箱を作っているが、これはなんに使うの。」と聞くと。

次兄「これはな、アンカー・ボルトと言って、ロールの足を止めるために、頭にネジ目の切ってある長い鉄棒を「基礎コンクリート」の中に埋め込む穴を作るためのものだ。」

私 「次兄に説明されても、なんだか良く解らないよ。」

次兄「仕事をよく見ていれば、だんだん解るよるよ。」と言う。

職人Aか外で、4個の箱を図面を見ながら寸法を測って、材木に横に並べて釘打ちしている。
     何か、神輿を乗せる台みたいな形に仕上がっている。

職人AさんとB、次兄の三人が工事中の穴の中に、この箱を繋いだまま持ち込み、基礎コンクリートの中心点を調べて据えつける。 

《二日目のコンクリートの打ち込みだ》

コンクリートの打ち込みの二日目が始まる。

昨日と同じ手順で、今日は私と手元のCさんも手順に馴れて来たので順調に進む。

手伝いの手順にも大分馴れてきた。

「4・6の鉄板」の上に先ず砂を入れる。昨日は砂は、バケツから一山どさっと富士山みたいに置いたが。
今日は、山脈みたいにして鉄板に流すように置く。

これで、職人Bと次兄の仕事が一歩すすんだ事になる。この砂の山脈に所定のセメントを撒く。

二人が、かき混ぜている間に、砂利と水を二人の手元に置いて置く。

職人Aさんが、掘った穴の中から「今日のコンクリー練りは、馬鹿に順調じゃないか。」の声がかかる。

仕事は、コンクリートの打ち込み、その上に割り栗を並べる。この作業の繰り返しだ。
ただ、気をつけるのは、今日は工事の穴の中に「アンカー・ボルト」を止める箱が4個あるので、仕事がやりづらいことだ。

職人Aさんが気を使って進めているのは、4個の箱を寸分も動かさないようにして作業している。


職人のAさんが、昼食の時に全員に向かって言った。

A「この作業は、今日中に土の表面まで打ち終わるぞ。頑張ってくれ。」
 「多少遅くなっても、終わらせるぞ。」と言う。
 「今日の予定が終われば、明日は休みだ。」

全員「やっと、休みが取れるのか、頑張ろうという気になる。」


《職人Bの、ダジャレ・ギャグ》

ここの仕事を契機に、次には、もっと大型の工事現場に、私は職人AとBの手伝いとして、派遣される。

この際に、私に浴びせかける「雑言、ダジャレ・そしてギャグ」の数々の道具編を考えてみました。

《ギャグ類の道具編》B職人が、どんなことを言ったか貴方も考えてみてください。

① スコッブ・シャベル   参考事例を一緒に考えて
            A「黙って仕事をしろ、このおシャベル野労」
            B「スコップ。(ストップ)のダジヤレ」
            C「少しやれ。(スコップやれ)」
② カナヅチ・トンカチ・ゲンノウ
            A「この、脳天トンカチ。早くやれ。」
            B「カナヅチでゲンノウ(脳)を叩き割ってやるぞ。」
            C「とんかち(トンチンカン)なことを言うな。」
③ ドライバー・ネジマワシ
            A「頭の悪い野労だ。ドライバーで、頭の中のネジを締めろ。」
            B「働きの悪い野労だ。ネジマワシ(ネジを廻す)をするぞ。」
④ スパナ・ネジマワシ
            A「スパナ(スパット)とやれ。」       
        
⑤ プライヤー
            A「お前は、プライヤー(ブライド)が無いのか。」
⑥ ペンチ
            A「お前は、ペンチ(公園にあるベンチ)落ちだ。野球の二軍落ちのダジャレ。」
⑦ ハンマー
            A「ハンマー飯か。(早くも昼飯か)。」
⑧ ハサミ
            A「馬鹿とハサミは、使いようで切れる。」
⑨ ツルハシ
            A「ツルハシ頭(ツルッハゲ頭)」
⑩ 釘ヌキ
            A「(お前の頭の釘を締めろ。)少しでも釘が表に出ていると、(他の人に)布地に引っかかるじやないか。」
⑪ タコ
            A「この蛸(タコ)野労。まごまごするな。」

《こんな、ダジャレは、10年後の私の反面教師となる。》

しかし、このままでは「私の品格がすたる。」

私が、考えている品格は次のとおり。
「仁・義・礼・智・誠・考・忠・庸・恥・勇・名・克」
この中の文字の心を尊びて生きていくことだ。


次回にも、私がB職人から、浴びせられた雑言を60年前を思い出して書いてみます。どの位の数が出てくるかな。