本日は第4土曜日で「源氏物語を原文で読む会」の例会日である。
本日読み解いていったのは、葵を亡くして傷心の源氏が(例によって)女々しく、(出家したいが、忘れ形見の若君や二条院で寂しがっているだろう若紫のことを思えば、それも叶わぬこと・・・)とメロドラマのヒロインよろしく悩む中、六条御息女と文を交わしたりするくだりである。
六条御息女は未亡人とはいえ、前東宮(皇太子)の奥方で、東宮が亡くならずに帝位についていれば、帝の正室となるはずだった女性なので、最高の位とそれにふさわしい教養、趣味を身につけた人間である。当然プライドも高い。
私は源氏と六条の関係においては、源氏の誠意不足が諸悪の原因ではないかと六条に非常に同情的である。
生霊となって恋敵たちを次々と死に追いやる情の強(こわ)さは情の深さに他ならない。
表層では貴婦人の手本としての枠から決してはみ出さない意志の強さを示していても、心の奥底にたぎるような恋慕の情を抱えたあわれな女心を、若い源氏は汲み切れないのだ。今も昔も所詮男性にとって女性は性愛の対象であり、その心情に寄り添ってくれる男性などめったにお目にかかれないのではないかという気がするのだ。
源氏物語では、魅力的なのは源氏ではなく、人間らしい悩みを抱えて、しかし懸命に生き抜こうとする強さを持つ女性群の方である。
写真は友人に京都土産としてもらったハンカチ。
本日読み解いていったのは、葵を亡くして傷心の源氏が(例によって)女々しく、(出家したいが、忘れ形見の若君や二条院で寂しがっているだろう若紫のことを思えば、それも叶わぬこと・・・)とメロドラマのヒロインよろしく悩む中、六条御息女と文を交わしたりするくだりである。
六条御息女は未亡人とはいえ、前東宮(皇太子)の奥方で、東宮が亡くならずに帝位についていれば、帝の正室となるはずだった女性なので、最高の位とそれにふさわしい教養、趣味を身につけた人間である。当然プライドも高い。
私は源氏と六条の関係においては、源氏の誠意不足が諸悪の原因ではないかと六条に非常に同情的である。
生霊となって恋敵たちを次々と死に追いやる情の強(こわ)さは情の深さに他ならない。
表層では貴婦人の手本としての枠から決してはみ出さない意志の強さを示していても、心の奥底にたぎるような恋慕の情を抱えたあわれな女心を、若い源氏は汲み切れないのだ。今も昔も所詮男性にとって女性は性愛の対象であり、その心情に寄り添ってくれる男性などめったにお目にかかれないのではないかという気がするのだ。
源氏物語では、魅力的なのは源氏ではなく、人間らしい悩みを抱えて、しかし懸命に生き抜こうとする強さを持つ女性群の方である。
写真は友人に京都土産としてもらったハンカチ。