平成23年度スタートを目指して、小学1.2年生の書写授業に『水書』なるものを導入するための準備が始まったようです。
『水書』?
ですよね〰
これは、墨の代わりに水を筆に含ませて、専用の用紙に書く事を『水書』と言うそうです。
水なので服も教室も汚れないので、低学年には向いていますね。
とは言うものの、専用の用紙に書いても、時間が経つと消えてしまいます。
どんなにうまく書いても消えてしまうのですから、後から評価する事は出来ませんし、写真やビデオに撮っておくのも、先生の負担が大きくなるので不可能でしょう。
『水書』の目的は硬質書写の向上においているらしく、硬筆→水書→硬筆のサンドイッチ方式で授業を行う流れだそうです。
筆の太さも鉛筆に似たものを想定しているらしく、サンプル品では六角柱の、つまり鉛筆型の筆も提案されているそうです。
この『水書』、書道界からの強いプッシュがあって、導入実現に動きだしたと思われますが、その真意は書道の裾野を広げるため、幼少期における書道教育の実施にあったことは明白です。
日本語を使って多くの人とコミュニケーションをとりながら平穏に暮らし、日本語を文章にして記録するだけでなく、芸術性と規律ある自由な生き方を表現できる日本の書道文化は、日本人のアイデンティティ構築に大きな影響力があるのです。
書道教室で六歳から筆を持たされていた私としては、小学三年まで毛筆授業がない学校教育の現状を打破する方法として有効だと考えます。
小学生に小筆を持たせた時の力の入りようは、鉛筆だけで絵や文字を書いてきた弊害です。
早期から筆を持たせる事で、筆記用具に合わせた持ち方や筆圧があることを学んでくれる事でしょう。
そして、筆による表現が無限であることを知るはずです。
鉛筆より太い筆で水書させたかったところですが、そこはまず、導入に向けての妥協点として、探し出した結果、『鉛筆に似た太さ』だったのでしょう。
結果出すためのよい交渉がなされていたのではないでしょうか。
関係者の方々のご尽力に頭が下がります。
和翠塾でも『水書』導入に向けて、試してきていましたが、文科省の方向性が決まってきた段階で、一気に実施できるような準備をしておくつもりです。
新製品が出始めたらテストしないといけませんね。