ホイッスルバード あいざわぶん

小旅島旅独り旅「佐柳島」編 パート5

佐柳島のベンチの上で午前五時過ぎに起床。
なんと寒くて目が覚めたのだ。
こういう時は飯を喰らうに限る。

イワタニ社製のコンロに火を点けて朝食作りを
始める。(小型コンロでキャンプに便利です)
先ずは鍋で湯を沸かし、鰯の缶詰を温める。
カップに茶葉を入れ、湯を注いで茶を淹れる。
残りの湯でインスタント味噌汁を作って完成。
昨夜作ったお握り二個が主食である。

身体が温まったところでウインドブレーカーの
上下を脱ぎ、ペットフードを持って猫探しだ。
・・・お~、居るわ、居るわ!・・・
一匹につき、一握りずつ餌をやる。
牙を剥いてシャーッと私を威嚇している猫も、
餌をやると妙に懐いてくる。















餌をやりながら写真を撮るのは難しい。
しかも私のカメラは一眼レフではないので、猫
の撮影に向いているとは言い難い。
餌をやりたいし、触りたいし、写真も撮りたい。
贅沢言うな、と私の中の十四歳は嘆く。
ふぉっほっほっ、と私の中の八十歳は笑う。
五十七歳はデリヘル嬢を相手にしている如く
猫を撫で回し、嗚呼柔らかい、と呟く。

集落の一番南にはお寺があり、その先は路が
無く、行き止まりになっている。
子育てをしている猫は、そこが安全な場所だと
解っているのだろう。
父親そっくりの四匹の子猫と暮らしていた。
母親に全く似ていない四匹の子猫は、野良猫
らしく私を警戒するのだが、母猫は私が持って
いる餌をきちんと認識しているのだろう。
母親が強いのは、子育てをしている雀も同じ。
女は、やはり、怖いぐらいに強いのである。
持っていた餌を五匹に全部食べさせた。









昨夜月が出てきた所から朝日が昇っている。
防波堤の先に陣取って夜通し釣りをしていた
二人に話を訊きに行った。
メバルを釣りに来たのに、釣果はさっぱりで、
小鯵ばかり釣れると云う。

時は朝の七時を回っている。
道路で寝ていた二匹の猫が、私に気付いて
大きな伸びをした。

【明日は最終回】






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