写真を載せようとしているのに、システムエラーと
表示されて掲載できない時が何度かある。
その理由が私には皆目解らないので、文章と写真の
関係がぐちゃぐちゃになってしまい、大変恐縮して
いる。
今回は「原付バイクで行く大分の旅 付録編」と
して、大分駅前から乗った佐賀関行きバスの車内
で見た光景を書いてみたい。
これまでの旅で何度も経験しているのは、始発で
は大勢の客が乗り込み、走る度に少しずつ客が
降りて行く、ということである。
ところが「急行・佐賀関行きバス」はまるで違う
のだった。
大分駅前で私と一緒に乗車したのはたったの三人。
それから停留所に停まる度に一人、二人と乗り込
んでくるのだ。
その大方は70歳以上の老人で、バスが停留所に
近付くと、オバアは手を挙げ、ジジは首をカクン
とさせて運転手に合図を送るのである。
最前列の椅子に座っている私にはそれが全て見え、
そのうち風景よりも興味深く思えてきたのだった。
もう既に20人以上の乗客になった筈である。
そのうち、ポツリポツリと降客も出てくる。
バスを降りて、バスの前の横断歩道を直ぐに渡り
始める老人も当然出てくる。
しかし運転手は悠然としたもので、ジジが道路を
渡り終えるまで、後続車がバスを追い越さぬよう
に車体で道路を塞ぎ、ゆっくり発車するのである。
アナウンスも朴訥な運転手だが、彼は自分の使命
をしっかりと認識しており、実に頼もしく感ぜら
れるのだった。
手押し車のオバアは、どう見ても90歳の高齢者
に見える。
運賃箱の前で、オバアはゆっくりとポケットに手
を入れて、出てきたのは10円玉。しかし必要な
のは100円玉である。再びポケットに手を入れ
て今度は100円玉を取り出した。
・ ・・転ばずにステップを降りられるのかな・・・
と想った瞬間、私の直ぐ後ろに座っていた還暦を
過ぎたと思しき女性がオバアを支えてバスから
降ろしてあげている。
オバアの嬉しそうな顔。
運転手はそうなるのを知っていたのであろう。
何もなかったかの如く、滑るように発車する。
相変わらずバス停ではオバアが手を挙げ、ジジは
コクリと首で合図を送り、バスに乗り込んでくる。
やがて左手に海が見え、日はガラス越しに車内を
温めている。
運転手はカーブの度に速度を緩め、それはそれは
おおどかに車体を回転させる。
今朝のニュースでは若い女性がインタビューに
応えて、こう言っていた。
「政治のニュースを見るとストレスになる」
全くその通りである。
それに較べ、このバスに見える市井の人々の光景
の、なんと心地よいことか。
大分駅前5番乗り場。
大分バス。佐賀関行き急行バス10時10分発。
旅の醍醐味を味わえる素敵な70分だった。
破格の880円也。
表示されて掲載できない時が何度かある。
その理由が私には皆目解らないので、文章と写真の
関係がぐちゃぐちゃになってしまい、大変恐縮して
いる。
今回は「原付バイクで行く大分の旅 付録編」と
して、大分駅前から乗った佐賀関行きバスの車内
で見た光景を書いてみたい。
これまでの旅で何度も経験しているのは、始発で
は大勢の客が乗り込み、走る度に少しずつ客が
降りて行く、ということである。
ところが「急行・佐賀関行きバス」はまるで違う
のだった。
大分駅前で私と一緒に乗車したのはたったの三人。
それから停留所に停まる度に一人、二人と乗り込
んでくるのだ。
その大方は70歳以上の老人で、バスが停留所に
近付くと、オバアは手を挙げ、ジジは首をカクン
とさせて運転手に合図を送るのである。
最前列の椅子に座っている私にはそれが全て見え、
そのうち風景よりも興味深く思えてきたのだった。
もう既に20人以上の乗客になった筈である。
そのうち、ポツリポツリと降客も出てくる。
バスを降りて、バスの前の横断歩道を直ぐに渡り
始める老人も当然出てくる。
しかし運転手は悠然としたもので、ジジが道路を
渡り終えるまで、後続車がバスを追い越さぬよう
に車体で道路を塞ぎ、ゆっくり発車するのである。
アナウンスも朴訥な運転手だが、彼は自分の使命
をしっかりと認識しており、実に頼もしく感ぜら
れるのだった。
手押し車のオバアは、どう見ても90歳の高齢者
に見える。
運賃箱の前で、オバアはゆっくりとポケットに手
を入れて、出てきたのは10円玉。しかし必要な
のは100円玉である。再びポケットに手を入れ
て今度は100円玉を取り出した。
・ ・・転ばずにステップを降りられるのかな・・・
と想った瞬間、私の直ぐ後ろに座っていた還暦を
過ぎたと思しき女性がオバアを支えてバスから
降ろしてあげている。
オバアの嬉しそうな顔。
運転手はそうなるのを知っていたのであろう。
何もなかったかの如く、滑るように発車する。
相変わらずバス停ではオバアが手を挙げ、ジジは
コクリと首で合図を送り、バスに乗り込んでくる。
やがて左手に海が見え、日はガラス越しに車内を
温めている。
運転手はカーブの度に速度を緩め、それはそれは
おおどかに車体を回転させる。
今朝のニュースでは若い女性がインタビューに
応えて、こう言っていた。
「政治のニュースを見るとストレスになる」
全くその通りである。
それに較べ、このバスに見える市井の人々の光景
の、なんと心地よいことか。
大分駅前5番乗り場。
大分バス。佐賀関行き急行バス10時10分発。
旅の醍醐味を味わえる素敵な70分だった。
破格の880円也。