goo blog サービス終了のお知らせ 

ホイッスルバード あいざわぶん

社会のあらゆる事象にホイッスルを吹く

松山市『釣島探訪記』3

2013-01-03 10:57:00 | ノンジャンル
再び海岸まで下りてきて、小学校の分校に行く。
ところが、分校は既に廃校になっていた。
玄関から中を覗くと、最後の卒業生と、今後は
内地(松山市内)に移住する子供たちの写真が
飾られている。
校舎の隣には、先生が寝泊りする為の白い宿舎が
建っていて、誰も住んで居ないのがもったいない。

島の周りはぐるりとコンクリートの堤防が築かれ、
舗装されているので歩くのは楽である。
クマゼミの死骸が何匹も落ちている。
蛇もお出ましになったが、動きが早くて種類を特定
出来なかった。

間もなく島を一周して港に戻る頃、弁当を使うのに
丁度いい場所があったので昼食にする。
岩場には沢山の貝がへばりついて居て、剥がす為の
ドライバーを持ってこなかったのが残念だ。

港近くには丁寧に積まれた沢山の蛸壺がある。
ところが、後で住民に訊いたところ、不漁の為と、
元々数少ない漁民の高齢化の為、現在は漁が行われて
いないと云う。
考えてみると、釣島は基本的に、蜜柑農家の次男坊や
三男坊が、開拓する為に他から移住して来た人たちの
島である。
蛸漁師の数など、数名だったに違いない。

港に戻ったが、船が来るまでは時間はたっぷりある。
最後は島の猫探しだ。
島の猫は人見知りをしない確率が街場の猫に較べれば
高いだろう、という私の想像は全くの外れで、何匹も
見かけるのだが全て警戒心が強い。
これは恐らく、島民の猫に対する扱いが邪険なのだな、
と勝手に想像したのだが、どうだろう。

ここで是非、紹介したい猫のカップルが居たのだが、
残念ながら写真をアップ出来ないのである。
画面右下に猫の夫婦が居て寄り添っている。
画面左の後方には、島では数少ない若夫婦が港に着けた
船で仕事をしている。
ピントは手前に居る猫夫婦に合っている。
この写真が、私が昨年撮った中でベストフォトなのだが、
何故かアップ出来ないのである。

歩き疲れた私は、帰りの船が来るまで、港の小屋で昼寝
をして過ごした。小屋は船を待つ為の専用小屋である。

私と一緒に島に降りた釣り人二人も小屋に戻ってきた。
釣果を見せてもらうと一人は大漁、一人は不漁。
不漁だったお爺さんは、釣れそうもない場所から全く
動かなかった人である。

時間通りに船は港に入ってきた。
荷受けする為の島民一人と、釣り人二人と、私の四人は、
船を降りた時と全く同じ顔ぶれだ。
猫夫婦は何処かに消えている。
船が着いて、ようやく時間が回り出したような気がした。

釣島探訪記 終了
それにしても、何故写真がアップ出来なくなったのか、
全く理解が出来ない。
1回目の写真がアップ出来たのだから、不思議である。
写真がもったいないので、近い内に、もう一度挑戦して
みます。


松山市『釣島探訪記』2

2013-01-03 09:49:00 | ノンジャンル
釣島には平地が殆どなく、民家は港がある海岸沿いに
数十件、細長く並び、軒を重ねるように建っている。
海岸には波除け堤防が続き、島を一周している。
日当たりの良い所に奇麗に烏賊が干してある(写真)。


【ここで問題発生!】
又も写真がアップ出来なくなりました。
理由が全く解りません。
仕方がないので、ここからは文章だけで進めます。


200mも歩くと山に通ずる道が見えてくる。
体力があるうちに灯台に行こうと思って歩いていると、
島民を支える給水施設(海水濾過施設)が見えてきた。
この施設は、まだ出来て10年も経たない(写真)。

バタバタに乗った島民が上から下りてきた(写真)。
港で船を待っていたお婆さんに続く第二島民だ。
なんとも長閑な景色ではないか。

更に道を登ると島々が視界全面に見えてくる(写真)。
手前に見えるブルーシートが掛けられている物は、
収穫した蜜柑を運搬する小型モノレールだ。
このモノレールが出来るまでは、急坂での作業を
強いられていた訳で、考えるだけでも苦痛である。

灯台に到着(写真)。
隣には立派な宿舎もあるが、現在は灯台も宿舎も役目を
終えて誰も居ない。
明治時代から建っていた貫禄がある。

蜜柑畑を囲むように、必ず、この木が植えられている。
初めて見るので不思議な実に驚く(写真)。
灯台から麓に下りる途中で、第三島民に出遭う。
放し飼いの犬が、畑仕事を終えて家路につくお婆さんに
纏わり付いて可愛らしい。
このお婆さんに訊ねたところ、さっきの木は槙(まき)
だと言う。実は食べられる、と聞いて更に驚く。
ついでに水の話も訊く。
何しろ、産まれも育ちも釣島の人である。
お金よりも節約するのが水で、若い頃は特に苦労した、
との事。
飼い犬は後ろを振り向き振り向き、私たちの前を行く。
きっとこの犬も釣島しか知らずに死ぬのだな。

【次回に続く】


松山市『釣島探訪記』1

2013-01-02 23:46:00 | ノンジャンル
無知ゆえに写真がアップ出来なくなり、延び延び
になっていた『釣島探訪記』。
遅ればせながら、本日から3回に分けて掲載する
ことにした。

10月5日(金) 午前9時00分。
釣島に遊びに行くため、三津浜フェリー乗り場で
出航を待っている(写真)。
いま、舫(もやい)が解かれようとしているのだ。



釣島はツルシマと呼び、以前紹介した興居(ごご)島
の横にチョコンと浮かぶ小さな島である。

島の猫を観たい。
灯台を観たい。
小学校の分校を観たい。
蛸漁の話を訊きたい。
水道の話を訊きたい。

フェリーは釣島に直行するのではなく、陸地(四国本土)
の北にある高浜港を経由してから釣島に向う。
釣島に直行すれば15分で着くのだろうが、40分で着く
ことになる方が船好きな私にとっては嬉しいことである。
瀬戸内海では船が揺れる、ということも余り無い。
島々の景色を堪能できる、ということなのだ。
例えば以前に紹介した四十島で、別名ターナー島がある。
夏目漱石の「坊ちゃん」にも出てきて、それから別名の
ターナー島という呼び名の方が有名になってしまった。

ほら、釣島が見えてきた(写真)。
ひょっこり瓢箪島を連想するが、実は瀬戸内海には列記と
した「ひょうたん島」(愛媛県)があるので、この比喩は
使わない方がいいのかもしれない。



釣島は忽那(くつな)諸島・有人7島の中で一番小さな島
なので、降りたのは私の他にオジイサンの釣り人が二人。
二人は船が離岸すると、そこに陣取って釣りを始めた。
帰りの船は15時47分の便があるだけで、約6時間の
遊び時間である。

船を出迎えた島のオバサンに話を訊くと、島を一周しても
30分も掛からぬそうだ。
有名な灯台へはゆっくり歩いて20分程度らしい。
6時間のんびり行動、で充分である。

【次回に続く】