【日本の解き方】新型コロナ、日本は「感染国」ではない証拠 人口比では韓国が「ワースト」に データに基づく客観的評価を
- <iframe frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe>中国と韓国からの入国制限が始まった
新型コロナウイルス問題で、政府は9日、中国と韓国に所在する日本大使館で発行した査証(ビザ)の効力を停止する施策を始めた。香港・マカオ・韓国はビザなし入国の特例も停止する。
筆者は1月22日のラジオ番組で、隔離政策や入国制限に言及したほどで、こうした策を初期段階で実施する要性を認識している。政府の対策は1カ月以上も遅れたことになるが、やらないよりはマシだ。
もちろん、こうした入国制限は緊急事態なので一時期に限定される必要がある。いずれ解除されるが、その判断を正確にするためには、どの国もデータに基づき、入国制限の根拠を客観的に判断する必要がある。
日本も入国制限の対象になっている。インドは日本人に発行されたビザを無効にするなどの措置を実施した。トランプ米大統領も、日本を入国拒否の対象とする可能性を示唆している。新型コロナウイルス発生源の中国ですら、北京市が日本などからの入国者に14日間の自宅隔離観察または集中的な医学観察などの措置を発表している。
日本が感染国というイメージになっているが、これはマスコミの責任が大きい。というのは、多くの国内メディアでは、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の感染者約700人を含めて、日本の感染者数として報じている。そうした国内報道がそのまま海外で報道されるので、日本は感染国とされてしまうのだ。
各国の感染者数は、5日現在で、中国本土8万272人▽韓国5621人▽イタリア3089人▽イラン2922人▽その他(クルーズ船)706人▽日本331人▽フランス285人▽ドイツ262人▽スペイン222人▽米国153人▽シンガポール110人▽香港105人などだ。
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これらを人口10万人あたりでみると、韓国11・0人▽中国本土5・6人▽イタリア5・1人▽イラン3・6人▽シンガポール1・9人▽香港1・4人▽スペイン0・5人▽フランス0・4人▽ドイツ0・3人▽日本0・3人▽米国0・1人だ。
</aside>どちらのデータを見ても、日本が感染国とはいえないだろう。乱暴だが、あえてクルーズ船の感染者数を日本に含めたとしても0・8人であり、感染国とはいえないという結論に変わりはない。はっきりいえば、政府が手をこまねいているうちに、マスコミ報道で日本の悪いイメージができあがりつつあるだけなのだ。
日本が打ち出した入国制限措置に対して、韓国は即時撤回を求め、対抗措置を実施した。しかし、前述したように韓国の感染率は世界一なので、隣国の日本としては警戒せざるを得ない。対抗措置というのは、日本の感染率の低さを無視した議論だ。こうしたときにはどの国であっても科学的データに基づいた冷静な判断が求められる。
筆者が日頃からデータに基づき客観的な判断を心がけているのは、こうした状況でパニックに陥らないためだ。感情に頼るだけではデータを読むことはできない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一
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