韓国の大法院(最高裁)が、朴槿恵(パククネ)前政権の意向を受けて元徴用工らの民事訴訟の進行を遅らせたとされる事件で、ソウル中央地検は18日、当時の大法院長(最高裁長官)だった梁承泰(ヤンスンテ)氏(70)について職権乱用などの容疑で逮捕状を裁判所に請求した。梁前大法院長は容疑を全面的に否認している。

 大法院長に対する逮捕状請求は初めて。検察関係者は18日、拘束令状を請求した理由について「梁氏は最終的な決定権者であり、責任を問う必要がある。単純に報告を受けただけでなく、事件を主導したことが陳述や資料で確認された」と述べた。

 また、同地検は18日、前大法官(最高裁判事)の朴炳大(パクビョンデ)氏(61)に対しても、職権乱用などの容疑で逮捕状を請求した。同地検は先月も朴氏に対する逮捕状を請求したが、裁判所側が棄却していた。(ソウル=牧野愛博)