韓国検察は3日、文在寅(ムンジェイン)大統領の側近、曺国(チョグク)法相の妻、チョン・ギョンシム韓国東洋大教授を容疑者として事情聴取を始めた。韓国の聯合ニュースなどが伝えた。チョン氏は9月6日に私文書偽造の罪で在宅起訴されたが、事情聴取を受けるのは初めて。検察は逮捕状請求の可否も判断するとみられ、曺氏をめぐる不正疑惑にも捜査が及ぶ可能性がある。

 同ニュースは、事情聴取はメディアの取材を徹底して避ける「非公開召喚」で行われていると伝えた。

 チョン氏は娘が2014年に釜山大医学専門大学院を受験する際に、勤務先だった東洋大の総長賞を娘が受けたとする偽の文書を作成した疑いがもたれている。娘は大学院に合格しており、この文書が有利に働いた可能性がある。また、自身が多額を投資したファンドが出資する企業が、自治体からの受注を急増させた疑惑も出ている。ここに曺氏の関与が明らかになれば、現役法相が捜査対象となる異例の展開になる。

 一方、文氏は9月30日、「検…

韓国チョ法相 初の国会論戦 捜査介入と追及され終始弁明

韓国チョ法相 初の国会論戦 捜査介入と追及され終始弁明

韓国で家族ぐるみの不透明な投資などの疑惑をめぐる捜査のさなかに就任したチョ・グク法相が初めて国会の論戦に臨みました。チョ法相は自宅の強制捜査の際に担当検事と電話して介入したと追及されたのに対し、「妨害はしていない」などと述べ、終始弁明に追われました。

韓国のチョ・グク法相は家族ぐるみの不透明な投資や娘の名門大学への不正入学などの疑惑をめぐる捜査のさなか、今月、ムン・ジェイン(文在寅)大統領に指名され、法相に就任しました。

チョ法相は26日午後、初めて国会の論戦に臨み、冒頭「検察改革という重要な任務を果たすため、最善を尽くす」と述べて意欲を示しました。

論戦では早速野党が、今月23日にチョ法相が自宅の強制捜査を受けた際に担当検事と電話していた事実を取り上げ、「不法な職権乱用だ」などと厳しく追及しました。

これに対しチョ法相は「妻の健康状態が悪く、配慮してほしいと言ったが、捜査の妨害はしなかった」と述べるなど、終始弁明に追われました。

チョ法相を巡っては検察が26日、チョ法相の弟とその元妻を事情聴取するなど捜査を加速させており、野党はさらに攻勢を強めると見られます。

チョ法相 数々の疑惑明るみに

チョ・グク法相をめぐっては、家族や親族の関係するさまざまな疑惑が明るみになり、検察の捜査が進められていて、チョ法相自身の直接の関与があったかどうかが焦点になっています。

なかでも厳しい学歴社会の韓国で若者を中心に強い反発が広がっているのが、チョ法相の娘と息子に関する入試をめぐる疑惑です。

この疑惑では2人が受験の際に大学などに提出した証明書に偽造の疑いが持ち上がり、検察は今月、関連する大学を捜索しています。

2人の証明書はチョ法相が2009年から教授を務めていたソウル大学の関連機関で作成されたことになっていましたが、大学側は作成を否定していて、検察がチョ法相自身の関与を調べていると報じられています。

また、チョ法相の妻が娘の受験に有利になるよう、みずからが教授を務める大学の表彰状を偽造していた疑いもあり、今月6日、私文書偽造の罪で在宅起訴されました。

一方、家族ぐるみの不透明な投資の疑惑をめぐっては、今月16日、チョ法相の妻の資金を運用する会社を経営する親族の男らが横領などの疑いで逮捕されました。

一連の疑惑で初めての逮捕者で、検察はチョ法相の妻が不正な利益を得た疑いもあるとみて、資金の流れを捜査しているとも報じられています。

そして、検察は今月23日、チョ法相の自宅の捜索に踏み切り、パソコンのハードディスクなどを押収したと見られています。

しかし、ハードディスクは事前に別のものに交換されていて、検察はチョ法相がこの事実を知っていた場合、証拠隠滅のほう助などの疑いもあるとして調べていると伝えられています。