宿題会も一段落した塾の屋上では、威勢の良いミエの叫び声が響いていた。
「やぁ〜〜っ!!とおっ!やぁっ!!」
「取る!取るぞ〜〜!私ならできるーっ!」
ベ・ホンギュのさばくボールを取ろうと奮闘するミエを、微笑ましそうに二人が見ている。
じゃれ合ってんなー、とヨンヒが呟き、ジョンウクが静かに笑う。
「シールももらって宿題も全部終わったからもう用無しってことなん?!
必死に食らいつくミエだが、ホンギュは鼻で笑う。
「いやーダメなもんはダメだって。お前は足だけは早いけど運動音痴・・」
その時だった。
バッ!
不意にホンギュの足元からボールが掬われた。
ミエは高らかに笑いながら、そのボールを掻っ攫う。
「うわっ!待てっ・・!」「イエーーーーーッ!!!」
「ドリブルもできるもんね!」
「ね?!私の言ったこと合って・・」
ミエがそう言って後ろを向いた途端、足がもつれた。
バランスを崩し、宙に浮くミエ。
目の前に、目を丸くするキム・チョルがいた。
ミエはチョルに語りかける。
[ってなわけでさ、チョル]
[あんまビックリしないでよ、ね?]
チョルの元へと飛んでいくミエ。
チョルは咄嗟に手を伸ばす。
ミエの手がチョルに届き、二人の顔が近づく。
二人の間に見えた空に、飛行機が飛んでいた。
ベ・ホンギュも、チャ・ヨンヒも、パク・ジョンウクもみんな固唾を呑んだ。
バキッ!
ミエの額がチョルの顎に衝突し、その衝撃で後方に倒れる。
「うわ〜っ!危ない・・!」
が、その倒れていく方向にジョハンが飛び込んできた。
このままでは踏む、とチョルの危険信号が点滅する。
「わっ!?」
彼の上に被さる瞬間、チョルは咄嗟に身を捩った。
そしてそのまま三人は、各々地面に転がったのだった。
ガンッ
寝転がる三人を見て、こちらの三人は口をあんぐりと開ける。
と、次の瞬間各々動いた。ヨンヒはそっぽを向き、ホンギュとジョンウクはチョルの元に駆け寄る。
「なーんだキスすんのかと思ったのに。つまんね」「おい!大丈夫か?!」
チョルは地面に座りながら、青い顔をしていた。
それもそのはずだ。
誰も何も説明していないのだから。
「な・・」
「何なんだこれは?!」
・・というわけで、ミエはずっと心の中でチョルに語りかけていた”秘密”を、
一からチョルに説明することになったのだった・・。
第三十七話⑥でした。
あーーようやくチョルがこの宿題会の存在を知りましたねw
ここからどう物語が動くのか・・
そして助けようとするも逆に邪魔になっちゃうジョハン君がいいですねw
ちょっと佐藤先輩味あって気になります、ジョハン君・・
第三十八話①に続きます
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