<作戦名はL・O・V・E>
塾のバスを降りてからミエは、[しつこいミエ]としてリベンジに臨む。
「よーっし!塾で再チャレンジだ!」
そこで叫ぶのだ。往来の真ん中で、大きな声で。
「ねぇ!チョルキムチョル!私見たんだからね!」
「あんた、私を・・愛してるんだって〜?!」
顔色の変わるチョル。
「なっ!」
バカ笑いするベ・ホンギュ。
そしてそう叫ぶチョル——・・・・。
・・・という光景を、ミエは想像して笑っていたのである。
しかし実際の彼らは、スタスタと塾の建物に入っていくところだった。
必死に追いかけるミエ。しかし二人はすでにエレベーターの前だ。
「ねぇ!待ってよ!話聞いてってば!」
ミエが到着する前に、二人はエレベーターに乗り込んだ。
扉が閉まる。
「あっ、ちょっと・・!」
バンッ!
すると斜め前から来たジョン・ソラと、思い切りぶつかってしまった。
しかもその拍子に何か踏んだ。
「あっごめん!大丈夫・・」
よく見てみると、中学生が持ってちゃあかんやつ!
「ん?!」
「ヒィッ!」
ミエがソラのことを見上げると、彼女はじっとミエのことを睨んでいた。
あたふたするミエ。
「あ・・これはその・・げっ!」
なんと、向こうから塾長がやってくるではないか。
ミエは何も考えられなくなり、咄嗟に足でそれを踏んだ。
「あぁ、君たち来てたのか。何してるんだ?早く上がりなさい」
そのおかげか、塾長は何も気づかずにそのまま通り過ぎて行った。
「車どこに停めたっけな〜」
落ちる沈黙・・・・。
<緊急事態>
しばらくそのままの格好でフリーズしていたミエだが、
「あ・・・」
ゆっくりと足を外してみた。
スッ・・
「ヒーーーーッ!!」
そこには、無惨にも踏み潰されたタバコが・・。
ミエは平謝りである。
「ぎゃーっ!ごめん!塾長先生が急に来たから・・怒られるかと・・どうしよう〜!」
慌てるミエの前で、ただ俯いているジョン・ソラ。
「こ、これって何円くら・・」
しかし次の瞬間、ドスのきいた低い声がその場に響いた。
「この・・クソ・・・」
「い・・・」
まずい、と思ったがもう遅かった。
ジョン・ソラの方から、黒いオーラが立ち昇る・・・!
第六十八話④でした。
ひーっ!ソラちゃんてば、塾にそんなん持ってきちゃだめ!
この二人、身長差が20センチくらいあるので、上から睨まれてミエは相当怖かったと思われます・・
第六十九話①に続きます