青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第六十八話①

2022-09-10 | 第六十七話〜第六十九話

ミエの頭の中に、大きなハートマークが浮かんだ。

そのハートの名前とはまさしく、

”愛” である。

歌謡曲で愛を歌う歌手の歌声を思い出す。

「愛とは〜!」

[ファン・ミエにとって”愛”とは]

それに初めて触れたのは、小学生の時だった。

[退屈な、お茶の間で偶然見つけた、]

[コーティングされた野花のようなものだった]

偶然見つけたその花と一緒に、”愛”が綴られた手紙を見つけたのだ。

「ジンオクさん、僕はジョンナムです。

良い天気の下で、空を見上げて道を歩いていると、時々ふと、地面に咲く小さな野花が目に入ります。
 
ジンオクさんのことを思い出したので、恥ずかしいけれどそれを持って文具店に入って、店の人に話して・・」
 

「お父さんがお母さんに?」

その”愛”の結晶、ファン・ミエにとって”愛”とは。

[ブラウン管越しの、]

タイタニックにもロミオとジュリエットにも、

[知らない外国人達の、]

いつも読んでる漫画の中にも、

[二次元の美人とイケメン達の、]

大ヒットした映画の中にも、

[大人達の、]

「あなたが私に・・君の罪が何かと聞かれた時・・・この人のことを・・愛している!」
 
 
変な体勢でドラマに釘付けのミエに、「ミエ!首痛めるよ!ていうかこの映画年齢制限は?!」
 
と母からのお小言が飛んでいた。(が、ミエの耳には入っていない)
 
今までのミエにとって”愛”とは、
 
[まぁ、線引きされた向こう側にある、面白い話だ]

[ だったのだけど・・]

今までならそれで済んでいた。

けれど今は——・・。

 

 

「名札を注文するのかい?名前は?」「ファン・ミエです」

「あぁ、女の子のなのか」「はい」「2日位かかって、1200ウォンだよ」「はい」

「名前が・・なんて言ったっけ?ファン・・ミ・・ミキ?ミンヒ?」
 
 
ミエの名札を注文しようとしているチョルを見て、ミエはパッと嬉しくなった。
 
えっ!私の名札買ってくれんの?!

と同時に可笑しくもあった。

なーんだよ照れ隠しかぁ?と先ほどのチョルの態度を思い出して笑う。

「ちょっと!チョ・・」

声を掛けようとした矢先、チョルの声がミエの名を口にした。

「ミエ」

「えーっと”エ”は愛するの字の”エ”?」「はい」

「愛するの・・”エ”です。美愛」

まるで呼吸を忘れたかのように、ミエは動けなくなった。

文具店のおじさんとやり取りを続けるチョルの後ろ姿を見ながら。

「二日後においでね。はい、これお釣り」「どうも」

けれど徐々に・・・

え・・・

そしてだんだんと、とんでもないことを聞いてしまったと自覚する。

えええーーーーっ!!

カタン

ふと後方で物音がしてチョルは振り返ったが、そこには誰もいなかった。

それもそのはず。

見つからないように、ミエが身を隠したのだ。

バッ!!

「・・・・」

なんとも言えない感情が、胸の中を渦巻く。

自分の名前にある”愛”が、ミエの頭の中でぐるぐる回る———・・。

 


第六十八話①でした。

 

おお!ミエのパパとママ、ロマンチックですね〜

しかし娘に見つかってますよ!笑

若い頃のパパママを見てみたいです

 

六十八話の表紙はこちら!

愛の天使、ミエー!!めちゃ可愛い

 

第六十八話②に続きます