青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第六十八話③

2022-09-18 | 第六十七話〜第六十九話

「たっだいまーーーっ!!」

”キム・チョルをからかってやろう”、ファン・ミエの頭の中はそのことでいっぱいだ。

「ちょっとあんた!さっき文房具屋で見たぞ!あんたが私を、愛してるってー!!」

みんなの前でそう叫んだら、チョルは血相変えて飛び上がるだろう。
 
「はっ?!なんで知って・・!」
 

想像するだけでもワクワクが止まらない。

ミエは待ちきれずに、まだ塾の始業まで大分あるというのに家を出た。

「めっちゃ面白そう!塾行ってきまーす!!」

後ろで母の「ミエ!あんた外出禁止・・」という声が聞こえたような気がするが、

それどころではない!

そして道に出るやいなや、キム・チョルと出くわした。

「あっ!ここで会ったが100年目!」

「ちょっと!さっき・・」

ミエがそう言おうとすると、チョルは急にハンドルを切って、

ミエの前にキッと自転車を止めた。

「名札あったか?」

「え?」

突然真正面からそう聞かれ、ミエは普通にその問いに答える。

「ううん、まだ・・」

はっ

しかしすぐに本来の目的を思い出した。

「じゃなくて、あんたさっきさ、」

チョルは一瞬ギクッとしたが、

すぐに気になっていたことを話し出した。

「つーか・・さっきこの辺でバカ笑いしてたのはお前か?」

「え?そうだけど?」

「はぁ?!お前一体なんなんだよ!」「へっ!?何が?!」

「何がってお前・・!」

首を傾げて目を丸くするミエに、チョルは何も言えなかった。

ミエを前にすると、いつもこんな感じになる。

「お前、一日中心ここにあらずでぼーっとしてたよな。

特に何かあったわけでもねぇのに、一体なんなんだ?」

「ええ?何って・・」
 

ミエはチョルの言っていることがよく分からなかったが、とにかく今はチョルをからかうことで頭がいっぱいだ。

「いやそれよりさ!さっきあんたが・・」「さっきの毛虫の話じゃなくて!」

「え?毛虫・・?
 
 
会話は、噛み合わないまま続いていく。
 
「そもそもお前さ、歩くときはちゃんと前見て歩けよ。
 
飛行機探すとかなんとか言ってっけど、それってなんでだ?一体何してんだ?」

「え、それはさぁ!」

「そんなことしてなきゃ、ぶつかることもなかっただろ?」

「さっきもそうだよ。なんで他のことばっか考えんだ?

転んだら危ないって分かんねーのか?今よそ見してんのもわけわかんねーし」

「いや・・・」

ミエはよく分からないけれど、チョルの顔が見れなかった。

「痛くねーのか?倒れながら頭ぶつけでもしたんじゃねーの?」

「え?何言ってんの!私は全然元気だし・・」
 

「もし後からでも痛くなったら、絶対お前の親に言えよ。

頭じゃなくても、違うとこ痛めてるかもしんねーから」
 
「いや・・」
 

「分かったな?」

そう言ってミエを見つめるチョルの目を、ようやく見ることが出来た。

肩越しにだけれど。

「あ・・」

「つーかさ、」

「お前何か忘れてない?」

「えっ?」

その突然のチョルの一言に、ミエは頭を悩ませる。

「何?何を?私何か忘れてる?」「・・・もういい」

「しゃんとしろよ」

最後にチョルはそう言って、そのまま自転車で走り去って行った。

ビュンッ

ポカンと口を開けて固まるミエ。

はっ

「ちょ・・!ねぇ!話聞いてよ!ねぇーっ!待ってよーっ!」

我に返ってそう叫んだものの、もうすでにチョルの姿は見えなくなっていたのだった・・・。

 


第六十八話③でした。

 

えーーっと。。。チョルの言う「何か忘れてる」ってのは、チョルとミエが一緒に遊ぶ約束のこと・・で合ってますかね?!

チョル、読者も忘れてたよ! いつか実現するのかな?!

 

第六十八話④に続きます