北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

評価対象断層は陸域6本、海岸3本+α

2020-03-13 | 志賀原発


原子力規制委員会の新規制基準適合性審査会合が今日(3月13日)開かれ、志賀原発の海岸部の活動性評価対象断層の選定をめぐって議論が行われた。


新型コロナウイルス対策で規制庁側も北電側も参加者全員マスクをつけての開催だ。

志賀原発の敷地内(陸域)には10本の断層が走り、その中から選定された6本の断層の活動性をめぐる議論が始まっているが、「原子炉を冷やす」ために欠かせない原子炉補器冷却系の取水配管が通る海岸部にもたくさんの断層が走っている。これが活断層と評価されたら、配管の付け替えをしない限り運転開始はできない。技術的に可能かどうか知らないが、可能だとしてもかなり大規模な工事が求められることになる。
当初の予定では昨年の秋に審査会合が開かれ、海岸部の評価対象断層が選定されるはずだったが、北電のデータ不足が原子力規制庁から指摘され、追加調査が強いられたため、開催が年を越して今日までずれ込んだのだ。

今回、北電は追加調査のデータを踏まえ海岸部の断層を提示した。
驚いたことにそこにはこれまで11本だとされていた海岸部断層が10本増えて21本とされている。


この荷上場に続く桟橋の下を配管が通っている。

活動性の評価はこれからだが、よくもまあこんな断層でズタズタな土地に配管を引いたものだ。
いや、そもそも断層がどう走っているかも調査をせず、岩の裂け目は「波の浸食でできたもの」として無視してきたのだ。
安全に対するなんたる意識の低さ、これだけでも呆れてものも言えない。
原発運転の資格なしだ。

今日の審査会合では北電が示したK-2、K-3、K-14の3本の断層の活動性を評価することは確認されたが、これ以外にも規制庁からデータの見直しが指摘された断層もあり、評価対象断層の最終確定には至らなかった。

それでも海岸部の断層選定議論と並行して、今後、陸域部6本、海岸部3本、さらに福浦断層など周辺の断層についての議論を進めていくことが確認された。
おそらく北電は審査が前進したとコメントするのだろうが、評価対象断層は審査会合を重ねるごとに増えておりゴールは闇の中だ。
加えて「活断層の可能性否定できず」とした有識者会合の評価書があるのでマイナスのスタート(規制委・石渡委員)だ。

展望のない再稼働路線。
撤退の決断ができない経営陣。
今年は今まで以上に強く廃炉を迫っていく年となる。




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