北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

雨宮処凛さん来県、福島みずほ社民党首と対談

2013-04-21 | 活動報告
 作家の雨宮処凛さんと社民党福島みずほ党首を招き、「若者と雇用」格差社会を許すな!をテーマとした社民党「若者アクションプログラム2013」が金沢で開催された。

 福島党首から「安倍政権のもとで『今、国会は』」と題した国会情勢報告があり、続いて雨宮処凛さんとの対談である。
 雨宮処凛さんは、若者の雇用、貧困、格差問題などを中心に発言し、行動もする作家で、石川県内でのこうした機会が待ち望まれていたが、ようやく実現した。
 雨宮さんが来るということで、社民党の集会では珍しく?若者の姿も会場のあちこち見受けられた。


 対談の内容を荒っぽいメモから少し紹介したい。
 最初に非正規労働者の問題の深刻化に加え、ブラック企業の横行や、今年に入り朝日新聞が数回特集を組んで実態を暴露した大手企業内の「追い出し部屋」など、正社員を取り巻く環境も激変している実態が紹介された。
 福島党首も、退職を考えている若者の状況を詳しく聞くと、「とても石の上にも3年、もう少しがんばりなさい」とは言えないひどい労働環境があると指摘する。
 雇用の流動化といえば聞こえはいいが、企業が首切りに向け、どんどん悪知恵をつけている中で、怒ることさえできず鬱へ、ときには自死へと追い詰められる若者が増えているという。
 労働者の権利の否定どころかまるでモノ扱いではないかと驚くが、怒るどころか「こんな自分でも採用してくれた会社に感謝している」という返事が返ってくることにさらに驚く。小、中、高、大学での教育、就活、そして就職の中で自己肯定感がことごとく踏みにじられていることが大きな原因ではないかという。

 こうした中で打ち出された生活保護費の削減は、低所得者層に広く影響を及ぼす。加えて兵庫県小野市で制定された生活保護者の行動を通報する条例が可決されたことは人権の底が抜けたようだと雨宮さんは指摘する。
 昨年相次いだ餓死事件の特徴は、一人住まいの高齢者ではなく、埼玉は親子3人、札幌は姉妹という家族の餓死であり、さらに生活保護の申請がされていなかったことも共通点。貧困ビジネスの拡大や生活保護すら既得権益とみなすバッシングが横行する中、社会への信頼感がなくなってきているという。
 こうした中での自民党改憲草案はさらに人権の制限、抑制に向かう。

 法的な権利を含め、過労死しない情報を得ることはとても大切だと説く。
 さらに、杉並区のデモ割(デモ参加者にデモ終了後、商店街が割引をする)の例を紹介し、分断からつながりをつくっていく取り組みが重要と訴えた。
 
 アベノミクスにマスコミは浮かれるが、ますます深刻化する雇用と暮らしの実態はほとんど報道されない。危機感と課題を共有するうえでとても刺激的な対談だった。

 夏の参議院選挙は原発に加え、憲法、そして雇用や暮らしも大きな争点となる。争点は明確なのに野党間の協力関係は進まない。歯がゆい政局が続く。
 


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