
志賀原発を廃炉に!訴訟原告団長として裁判の報告をしてほしいとの要請を受けて、第13回を迎えた「大東亜聖戦大碑」の撤去を求める全国集会に参加(大東亜聖戦大碑のこと、撤去の会のことについてはこちら参照)。
今日の集会の記念講演は琉球大学名誉教授の高嶋伸欣(のぶよし)さん。歴史認識や沖縄問題などで雑誌の論文などでよく名前は見かけるが直接話を聞くのははじめてである。今日の演題は「沖縄から見た日本のナショナリズム ―沖縄と教科書問題を中心として―」

領土問題とナショナリズム、沖縄の基地問題と「本土」の構造的差別、教育勅語と改憲問題、教科書問題、昭和天皇の戦争・戦後責任などなど、ナショナリズムの関わる現代的な課題を歴史を紐解きながら一段も二段も深く掘り下げ本質に迫っていく。研究者であると同時にアジア諸国にも頻繁に足を運ぶ行動派でもあり、教科書裁判はじめ自らたたかってきた経験、実績ももつ。一言ひとことにリアリティと説得力がある。
約2時間半ぶっ通しの実に内容豊富な講演は、こちらの頭がついていけなかったが、問題をとらえる視点は多いに勉強になった。
ところで高嶋さんは筑波大学の前身である東京教育大大学院の修了ということで、大学の先輩にあたることを今日はじめて知る。しかも家永三郎さんらと共に筑波移転反対闘争にも中心的に関わっておられたということで、機会があったらぜひ当時の話も聞いてみたい。
「大東亜聖戦大碑」は、撤去を求める声を上げ続けているが、残念ながら展望は開けていない。
むしろ安倍政権による改憲や集団的自衛権容認の動きなどをみたとき、侵略戦争を美化する「大東亜聖戦大碑」の狙いが徐々に現実のものとなろうとしている。
今日の集会で挨拶した金沢出身の菱木政晴さん(政教分離訴訟全国交流集会)は、現在の日本について「日本中に聖戦大碑がある状況」と表現した。正鵠を射た指摘だ。
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