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あれこれ徒然を語る

随筆的日記を長崎から発信!

父の日

2009-06-17 | 心境
父の日近し
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父の日が近い。6月の第三日曜日、今年は21日である。長崎駅改札口前の掲示板には幼稚園児が描いた『お父さん』の顔がいっぱい並んでいる。毎年恒例の光景である。デパートも大型商業施設のお店も父の日商戦になっている。きれいな包装にリボンで飾られたプレゼントが今度の日曜日に世のお父さんたちの手に届くのだ。まごころと一緒に。
わたしは父の日のプレゼントを一度も贈ったことはない。わたしが8才のときに亡くなった父は、外国航路の船員だったこともあって、そんなやりとりのできる環境はなかったのである。当時、小学校、中学校ではこの時期になると『お父さん』、『父』なるテーマで作文を書かせるのが常だった。いつもわたしを悩ませる作文のこの題材。書く作文の内容が膨らむことはなく、自分には父がいないので、その分、母の日には二倍の感謝をしているなんてことを素直な少年らしく書くしかないのである。
そして結びは『生前父の好物だった○○を仏壇に供え、おまいりをすることにしている。』といった内容になるのだ。
何年生のときか、そんな作文がなにやらいい賞をとってしまったことがあった。
喜んでくれる先生。でも当時の少年の気持ちは複雑だったような気がする。
でも母はほめてくれたので、うれしくはあった。
自分が成長して思えば、母こそ、父のいない自分の息子が書く作文に揺れる気持ちで向き合っていたはずなのに、心から喜んでくれる姿に深い慈愛を感じる。そして当時の先生の気持ちも理解できるようになった。
しかし、この『父の日』はわたしにとっては特別な日でもなんでもない。
わたしと家族のアニバーサリーではないからだ。
年中行事としていい一日を過ごしたい。


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