本当の愛

何かの本で仏教では愛は嫌う物である・・・要するに良く無い物である、と言うのを読んだ。

愛欲、溺愛、愛憎・・・なんか字面で追うと良く無い物かも知れないなぁ～と、思うし、LOVEが愛に訳されたのは誤訳であった、なんてのも読んだ記憶が有る訳で、おっさん的には愛という字は好きではない。

しかし、コレだけせの中に愛が溢れ返ってしまった今となっては、ナニを持って愛に変わる表現を当てられるか・・・困っちまいます。

愛は恋よりも心が上・・・ってのも何かで読んだんですけれども、コレなんかは単なるこじつけで、ドーでも良い事なんですけれども。

で、愛って、何だろうなぁ～・・・やっぱし、愛で一番先に頭に浮かんじまうのは凡夫でありますから男女の愛になっちまう訳です。

で、愛した人に愛されないと辛い物になっちまう訳ですが・・・いや、自分の体験だけで語ってはダメか？　愛されなくても、そうと気付かれなくても遠くで見てるだけでも幸せ、なんてのを聞く事も無くわ無いけれども・・・それって、ホントに愛なのか？　そんなに軽いもんかね、あんたの想いは？と、疑いたくなっちまいますけれども。

しかし、愛と言うのは、突き詰めてみると、愛していると言いつつも、愛して下さいと・・・私は貴方を愛しているのですから、私を愛して下さいと言うのが願いなんじゃないかと思う訳で、それだとやっぱし、愛しているのは結局は自分・・・愛してもらえる自分の姿が到達点、と言う事です。

で、愛と言うのを考えて行くと・・・まっ、下世話な世界の住人であるおっさん特有の話しなのかもしれませぬが、やっぱし、とある仏教者が言うように、娑婆に横行している愛は良く無い物である・・・要するに「欲」であると言うのに頷いちまう訳です。

が、しかし・・・たまにとんでもないニュースを見たりする時に、ああ、この人の愛はホンモノだわなぁ～・・・なんて事を思ったりもする訳です。

例えば、息子が殺人犯だとします・・・で、家に帰って来て、お母さん、今日も一人殺して来ちゃった、と息子が告白した時に、母ちゃんは、ナンでそんな事をするの、と、叱りながらも、温かいご飯を食べさせ、明日からはそんな事はしないでね、と、笑顔で抱きしめる。

ああ、このお母さんの息子への愛はホンモノだわ・・・息子が殺人鬼でも、ウンコ垂れでも愛し続けるんだ・・・息子が背負っている社会性なんてドーでも良くて、信じるとか、道徳とか、常識の外で、息子を純粋に愛しているんだな、なんて思う訳です。

いや、おっさんも取り敢えず人の親な訳で、全く親の言う事を聞かない馬鹿娘を呪ったり罵ったり、世間並みに親子の断絶など楽しんだ時期も遇った訳です。

これは、なんて事は無い訳で、自分の思う方向からズレた娘は愛せなくなっちまう訳です。

と、言う事は、娘を愛していると言いながら、愛しているのは、自分に撮って都合の良い娘な訳でして、それは、取りも直さず、自分の要求を愛している訳であります。

まっ、簡単な説明でアレなんですけれども、要するに、殺人鬼の息子を警察に突き出しもせず、飯を食わせ続ける母ちゃんは偉い・・・社会の常識や法律なんかよりも自分の息子を愛し続ける・・・コレこそが愛でしょう？

いや、その後にどんな社会的制裁が有ろうとも殺人鬼の息子を庇い続けた母ちゃん・・・これはアメリカのニュースで見た話しから書いた訳ですが・・・自分を完全に捨てた愛・・・コレだけを愛として認めたいと思うんですけれども。

いや、愛に限らず・・・滅私の気持ちで人にあたる事が出来なければ、それは、インチキじゃないか？　なぁ～んちゃって・・・あっ、閉店の時間だ!!!