吉祥寺どんぶり

スタ丼なる食べ物がある。
国分寺、国立あたりの店で出ているメニューで、豚肉の野菜炒め、いや豚肉のニンニク炒めに少々の野菜が加わったものがご飯の上に乗っているというもの。

あの辺で学生時代を過ごした人たちにとってはスピリチュアルフードともいえる存在らしいが、国分寺の隣の隣町で過ごしてきた自分にはそんなに思い入れのある食べ物ではない。
むしろご飯の芯までニンニクが染みているあの感じが、嫌いではないけど何度も食べたいものではないなという気分を増幅させる。

ところで、国分寺から５駅東京寄りの吉祥寺駅の南口を下り、小田急バスが押しのけるように通る狭い路地沿い、未だに行列が絶えない天下寿司の隣に吉祥寺どんぶりなる店がある。

吉祥寺どんぶりは基本的にはスタ丼と同じだが、ニンニク味としょうが味が選べる。
営業で回るサラリーマンが、食後にニンニクの香を漂わせないようにしょうが味を作ったとか。
ただ実際には、客のほとんどはニンニク味を頼んでいた。



味噌汁と生卵がついて５５０円。
しょうが味の丼は、確かにニンニク味よりもソフトな感じだが好きな人には物足りなく感じるかもしれない。

あと物足りないのは肉の量。
ご飯半分ほどで尽きてしまい、あとは食べ放題のキューリのＱちゃんを丼にかけながら食べるという状況。
１５０円増しの肉２倍に誘導するための作戦だろうか。

なんだかセコさも感じる吉祥寺どんぶり。
油そばにつづく武蔵野市発のＢ級グルメに発展するかどうか。