たまにはこんな話もしましょう

今からもう10年以上前になるが、鶴瓶と上岡龍太郎がやっていた深夜番組「ＥＸテレビ」で、大阪刑務所の元刑務官が出演し、死刑執行時の様子を語っていた。
死刑執行の瞬間は今でも夢に出てくる位、やるせない思いだったと語っているのを見て、いくら刑務官とはいえ、人を「殺さないといけない」職業を決して作ってはいけないと思った。
もともと死刑には反対の考えだったが、このテレビを見て以来、その考えが更に強まった。

だって、死刑よりも死ぬまで一生刑務所より出られない刑、生きなければならない刑の方が絶対に辛く、厳しく、そして刑を犯した本人の為になると思いません？
それに「人を殺す」人を、わざわざ作っちゃいけないでしょ？「いやだったら刑務官になるな」なんて言うのはナンセンスだと思う。「人を殺さない」というのは職業人種関係なく、人間の基本中の基本中の基本なのだから。

内閣府の調査によると死刑を容認している人は過去最高の81％なのだそうだ。
まあ、死刑を残したい残したいと思っている人がやったアンケートな訳だから、これくらいの数字が出るのは当然のだろうが、子供に対する凶悪事件が連続した直後にこのようなアンケートをやると言うのは、はっきり言って卑怯だ。
人の神経がいらだっている時に、その神経に同調させるようなアンケートをやって、それで「この国の人の多くは死刑に賛成なんすよ！」とでも言うのだろうか。
そういうアンケートは、もう少し人々の神経が落ち着いてからやるのが筋では？
確かに神経の落ち着く暇もないくらい事件が起こっていると言うのも事実だが。

わたくしは、この件に関してはアムネスティの味方だ。死刑賛成の人は最近起こっている事件のこととは少しだけ距離を置いて、考えてほしい。