荒川土手

東京駅から荒川土手行きのバスが出ている事はずっと前から知っていて、そして気になっていた。
何せ、日本一の駅、日本の交通の中心地、仙台へも大阪へも名古屋へも新幹線やバスが頻繁に出る東京駅から、荒川土手行きですよ。

その何ともいえない「落差」と言ったら荒川土手周辺の住民の方には失礼かもしれないが、暇が出来たある日の午後、というか夕方、その荒川土手に行ってみることにした。

のだが。

今東京駅から荒川土手行きのバスは３０分に一本程度しか出ていない。
確かにこれだけ地下鉄が発達した現在、東京駅から荒川土手への直通需要はそんなに大きくないだろう。
そんな訳で田端駅へ向かった。
東京駅から荒川土手行きのバスは多くは短縮され、田端駅からそんなに遠くない駒込病院から荒川土手行きのバスになっている。

田端駅に着いた荒川土手行きのバスは病院帰りの人々を降ろし、地元の人々を乗せて走り出した。
京浜東北線と山手線を陸橋で超え、地上に降りると今度は宇都宮線の高架をくぐり、都電と交差する。
普段電車に乗っていては見えてこない下町の住宅街って感じの光景が展開される。

そしてバスは橋を越え、路地をぐるぐると回るように進んでいく。
立ち客も出ていたバスの中はいつの間にか数人になり、荒川の土手の上を上って、そして降りて、終点。荒川土手。

降りてはみたものの、土手の上には高速道路の高架線が併走するように走っていて、土手の上に上ってみてもいまひとつ爽快感がない。
これなら府中あたりの多摩川の方が・・・
という気はする。
土手の上をサイクリングしたり走ったりする人も見かけない。

期待外れな？荒川土手だったが長年気になっていたところに「来た」という満足感は得られた。