高倉健さんと東峰村の関わりは「こころ」です。
合併前の東峰村の旧宝珠山は炭坑があったところです。高倉健さんの父上はその宝珠山炭坑で幹部職員として働いていました。健さんは小学校の頃、夏休み、冬休みに父上に会いに列車で宝珠山を訪ねていたのです。そこで目にした炭坑の活気、美しい棚田、空、星・・・。少年のこころに焼き付いていました。
いつしか村民有志の１通の手紙から健さんに気持ちが通じて交流がはじまりました。もう長いおつきあいのようですが実際に東峰村で目にする健さんとのつながりはあまり目立ちません。一般的に考えれば健さんの生まれ故郷ではないのにこのような交流が続いているのは不思議ですし、逆にこれほど交流が続いているのにあまり目立った動きがないのも不思議です。昨年の８月から東峰村に住み込んでやっとわかりかけました、その不思議の背景が。地域性がそもそも奥ゆかしいのです。
あれだけの大スターですから村民が知らないわけではありません。しかし何人もの方が口を揃えて話されるのは健さんご自身が「こころのふるさと宝珠山」とおっしゃってくれているのだから我々も過剰に騒ぎ立てずに健さんが訪ねられたらゆっくりとしていってもらえるようなふるさとであればいいのでは・・・、と、いう感じなのです。こころを大事にされる土地柄です。奥ゆかしい所以です。少年の健さんが出会った宝珠山、今、あらためて村民のみなさんに感じてもらえるような企画が静かに進行中です。
新しいメディアの可能性として、とうほうTVは奥ゆかしいテレビを目指しているのかも知れません。
