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岸本晃の住民プロデューサーNEWS

京都の町家で講義した熊本発の社会事業ビジョン

 京都が続くが先日同志社大学の総合政策科学研究科の谷口教授に呼ばれて町家での講義をさせていただいた。企業家を目指す社会人、学生が受講生だったがとても反応が面白かった。最近、ビジョンの話をすることが増えているが、私がテレビ局にいた頃、今やっているようなことをイメージしていた。つまり、住民が主体的になって自分の日々の仕事や活動を自らが発信し、ネットワークを紡いでいき、お互いが豊かに生きる地域や社会を作ることだ。その結果が住民ディレクターだ。テレビ局ではそんなことを本気でやろうと誰も考えていなかったのである日突然やめて、次の日から現在の準備に入った。

 同志社大学の町家講義のときも「こういう感じだったなあ」と思い出しながら話していた。参加されている方々が食や教育、環境や芸術を自分たちの視点で見直し自分たちの手で創る作業を丁寧にやっておられる方が多かった。熊本の98市町村時代、県内を回っていた頃にそういう地道な活動をされている方々の取材をよくしていた。皆さん、本当に小さな集まりだがビジョンは大きかった。今、どうされているだろう?しかし、京都で出会った皆さんのお話を伺いながらきっと熊本のあの方々も元気にやっておられるだろうと感じた。この方々を応援することもテーマだった。市町村の地域作りから始まったが、やっとある種、都市部で生活をきちんと見つめておられる「生活者」の方々と出会えてきたことがうれしい。

 私のビジョンとしてはまず過疎地域の課題を真芯で捉え、解決する方向を見つけ具体的な解決策を実践するには都市部の自律する生活者との連携が欠かせないと見ていた。また、テレビ番組のほうもそういう人たちの出会いの場が必要だと考えていた。町家でお会いした女性のひとりは美術館を一人一人が与えられた価値ではなく自分たちで考え自ら生み出していく場としての箱と捉えているというようなことを言われていた。巨匠やブランドだからということに惑わされずに自らが産むという住民ディレクター精神と共感する発想だった。また、学生の一人は京都市内の商店街で「まちかど放送局」を始めている。課題は多いが、大いに期待したいチャレンジだ。

 少し前に紹介した熊本市の住民ディレクターの草分け的番組「使えるテレビ」も今、美術が専門だった園田君にチーフディレクターを任せてからアート的な感覚が入ってきた。ただアートが入ったのではなく、生活空間の空気をそのまま包み込みながら気持ちよいテレビ画面を作り出しつつある。13年目を迎えていまだに実験番組だが、この実験はそろそろ新しい何かを生み出しそうだ。京都とともつながって行きそうだ。
(写真:熊本市内で放送中の「使えるテレビ」)
 

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