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岸本晃の住民プロデューサーNEWS

身体が動く人の判断、決断の早さは企画力そのもの。(兵庫・佐用町)

 佐用町では商工会青年部の千種さん、役場の久保さんが二人三脚で動いている。昨日は3人で町内を回り、住民ディレクター「現場で養成講座」!?を実施、実に面白いことが続いた。この町は千種さんらが開発した「鹿コロッケ」がヒットしているが道の駅で肉なしオール地場野菜のジャンボコロッケを売っている生活改善グループがある。工場に行って最初はコロッケや開発中のむかごてんぷら?などの話を聞いていたが、そのうちに我々が撮っていたビデオカメラを責任者の井関さんに渡してみたら最初はたどたどしかったが、次第に自分たちの手製のコロッケやむかごてんぷら、はったい粉を作るため釜で煎る麦などを撮影しているうちにすっかり夢中になってしまった。

 と、ここまで書いてきて文章の限界を感じる。本当はさっとその模様を映像でお見せできると即、納得いただけるはずだ。が、間に合わない、しかし、そういうことを普段ささっとやれると話は早い。お互いがもっているイメージを交換する上で映像の力は強いからだ。内面の深い話は逆に文章が適しているが、人の動きや現場の様子、そのときの空気、今で言えばいかに井関さんが感動されたか、はその映像を見てもらうとあっという間にわかる。しかし、文章ではなんとなくわかるが感動は伝わらない。話を聞く人のイマジネーション力も大きい。ひとつの話を聞いていかに多くの人間の表情をイメージできるか、生活改善グループの工場と言われてその場のつくりがイメージできるか?このあたりは経験のない人にはサッパリわからない話になる。

 映像を活用するというのはそういうことなのでそろそろこのブログも映像とのリンクをしていかないと、と考えている。半年近くブログを続けて見えてきたのは当たり前といえばそうだが実際に文章と映像のそれぞれの力の連携だ。必要なタイミングで表現に適しているほうを使うことがより豊かな表現になるし、コミュニケーションにもより有効だ。メディアとしても新聞、ラジオ、テレビ、インターネット、携帯電話、SNS、セカンドライフ、地デジと新しいものに移っていくが、要はハサミは使いようだ。道具を使う人間が「何のために」使うかだけが明確にあれば道具は便利になっていく。道具ありきからの地域振興は道具に振り回される。
 
 井関さんは自分たちが作ったはったい粉やきな粉、アンパンやコロッケを多くの子供たちに食べさせてあげたい、と考えている。できたら作るところも経験させてあげて食の大切さを伝えたい、と考えている。そういう人がカメラを手にしたとき「使える」とヒラメキがあり、この道具を有効に使うことを考え始める。そういう人のための手法なので、私もまたこういう人と出会うとたっぷり時間をかけてお付き合いさせていただく。そして来月、この工場にみんなで集まり番組収録をすることがその場で決まった。

 身体が動く人は判断、決断が早い。頭ばかり使っている人は次々と疑問ばかり出てきて判断ができない、動けない。井関さんをサポートした千種さん、役場の久保さんは撮影しながらも釜の下で燃え盛っている薪の具合を見たり、煎った麦を自分も石臼でひいてみるなど身体が動く人だ、勿論同時に頭も動く。だから井関さんをフォローできるし、現場判断で番組収録という企画を決めてしまう。このサイクル、スピードが田舎だ都会だということなく必要なことだと思う。いろんな要素を瞬時にして判断して決断する「総合的な企画力」だ。

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