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岸本晃の住民プロデューサーNEWS

物事のわかり方、CAN10年で考える

 近々、CANフォーラムhttp://can.or.jp/という「内からの地域情報化」をすすめる任意団体が10年を迎えるのでシンポを開く。「内から」というのは「地域の中から」という意味で「インフラもソフトもすすめるし、それを使う人間も地域の中から(育てよう)」 という発想で気に入っている。CANの実態がそうなっているかは別問題だが、この11月25日(日)に10周年記念シンポジウムhttp://can.or.jp/modules/info/index.php?page=article&storyid=1を開くので、この機会をぜひ活用してCANのあり方を考えようとしている(と私は思う)。もともと放送局から情報発信という分野に入ったので当初はCANの皆さんから珍しがられた記憶がある。こちらからしてもやはり集まっているパソナリティーがテレビとは違う感じがしていたが、地域の中から変えようとする力や努力はテレビの人間よりもはるかに強いと感じた。CANに入るきっかけは日経地域情報化大賞の新聞社賞受賞だった。この頃は山江村を含む人吉球磨広域行政組合で住民ディレクターが100人を超え、民放やCATVでも日常的に住民ディレクター番組を制作していた頃だったと思う。当初、よくどこそこで話をしろといわれ山江村や国体のときの住民ディレクターの活躍ぶりをVTRで披露した。反響が大きかった。だんだんわかってきたのはネット系のみなさんの集まりではほとんどがパワーポイントのようなもので文字とグラフと一部写真というプレゼンテーションが多く、退屈だった。そこへ行くと映像の持つ迫力は圧倒的だ。しかし、一方で学者さんが多いので、説明的なことは映像では伝えきれないことがあり、どうしてもグラフや表に行くのだなとわかった。しかし私にとってはつまらないのは変わらない。

 ただ、だんだんといろんな方と接しているうちに杉並住民ディレクター代表の高橋明子さんのような人も出てきて、自分で映像で発信する人も増えてきた。高橋さんは東京の人間でありながらNPOくまもと未来に加入するほど積極的だった。昨年、SFCの修士論文で住民ディレクターの企画力養成の仕組みを解析したが、これまでの多くの論文や著書の執筆者をはるかに超える当事者学者だった。何せ自分が住民ディレクターとして杉並区でグループの長となって立ち上げてしまったり、全国の住民ディレクターの交流会を企画、実践した人だ。論文のほうでは随分当事者であることがプラスマイナス両方大きかったらしく一時は悩んでいたが、出来上がった論文は素晴らしかった。

 モノをわかるというのはそのど真ん中に入らないと、結局「見ているわかり方」は説明はできるだろうが、実際にそのど真ん中にいる人間にはほとんど役立たない。住民ディレクターをやり続けて確信している。ひどい人は自分の論文に勝手に取り上げていて、あとで送りつけてくるっていうのもある。学生にいたってはすべてプリズムのホームページから抜粋しているのに、「いっぱし」に住民ディレクター活動を評価している。こんなのは教える教授が悪い。いろんなところで学生さんと一緒になるが、とにかく基本がなってない人が多い。学者批判になってしまうのでこの辺にしておくが、子どもや青年たちはやはり背中を見て育つ。
 山江村の青年たちが親父や母上の背中を見て故郷に帰ってきてがんばっている姿はさわやかだ。しかし、この青年たちも数年もするとすっかり大人たちのようなあの「疲れた目」と「口癖」になっていることも多い。地域の怖さだ。

 内からの地域情報化という言葉はCANに入った頃から気に入っているし、気になっている。CANはこの現場を他のどの団体よりも多くを経験している人がいるので、お役目があると思う。10周年記念シンポジウムで応援歌を歌ってくださる方がいらっしゃればぜひ顔を出してください。私も勿論現場におりますので。
(写真はCANのHP)

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