よしだルーム

吉田政勝の文学的な日々

クロッカスが咲く季節に

2016-04-09 12:08:53 | 日記
4月5日、帯広の某病院へ手土産を手に友だちを見舞いに行ったら、
ナースステーションで「Tさんは退院されました」と言われた。
3月初めに私は風邪をひいて熱を出して寝込んだ。彼を見舞いにゆきたいが、
風邪をうつしてはいけないと自制した。その後、私はじんましんで病院に通い
薬を飲み続けた・・・。



私は彼は治って退院ではないと想像した。彼は白血病なので専門医と
最新の治療方法を求めて転院したと思った。

Tさんと私は、若いころ帯広の夜の街で5~6人で徘徊し遊んでいるうちに
親しくなった。夏の野外コンサートにも行った。
彼はやがて、脱サラしてレストラン&宿泊の経営に乗り出した。
彼からデザインの仕事をもらい、彼のイベントも手伝った。
仕事をしているとクライアントからイヤな思いをすることがあるが、
彼の言動で傷ついたことがない。京都の大学を出てきているから
彼には知性がある。私はそういうインテリが好きだし話ができる。
知的レベルが低く、独りよがりな人はバカなことを口走るから幻滅する。

すると8日、Tさんからメールがきた。「東京にいます」と。

9日私は彼あてにためらいながらメールを送った。
「俳優の渡辺謙も白血病で治療し復帰した。東京で良い治療方法あるはず。
芽室のKさんも肺ガンといわれたが、治療薬効いて職場復帰している」

すると、ただちに彼からメールが届いた。
「ありがとう」

たった5文字、それを見つめていると涙が流れた・・・。


彼の無事の帰還を念じ、これを書いた。
(2016年4月9日)