図書館で「選書」を体験した。通常は、図書館司書などが会議で選んでいるが、新企画で「読書好きな町民も加えて購入する」図書を選定した。
私は、上の5冊を選んだ。
本を読むことは、バカを卒業する近道だとわたしは考える人間だ。
テレビの情報は偏りすぎていて、まともな知識は身に着かない。
ま、娯楽程度と考えれば失望はないと思う。
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哲学者のカントは、13歳で母と、22歳で父と死別した。
大学に学ぶときは、教会から経済的援助をうけていた。家庭教師をやり、
生活をしのいでいった。少しでも余裕があるときは、妹たちにいくらかの金を送っていた。
カントは25年もの間、その妹たちに一度も会わないでいた。
たまりかねた、ひとりの妹は、カントに会いに来た。
カントは妹が誰だか分らなかったという。
そしてカントは妹とわかると、居合わせた周りの人に妹の教養のなさを詫びたという。
カントは自分が大学教授の立場にあることに鼻にかけたわけではなかった。
そのような虚栄心ではなく、妹の馬鹿さかげんに我慢できなかったという。
たとえ身うちでも「馬鹿」は許せなかった、ただそれだけだったという。
私には、九州の兄がいる。近くに妹がいる。もう15年も断絶している。
その「馬鹿」さに我慢できないのである。
人は、どこか理想や「先義後利」の要素がないと、俗物として形而下で這いつくばう人生になる。読書は人間としての「知の滋養」なのである。