その1からのつづき
怖くてまともにお風呂入れない日が続き…女子力も下がりっぱなし。
久しぶりにしっかりとした入浴を、と、
向かったその温泉の閉館時間は夜9時30分。
到着したのは台風が岩手県に最接近する予定の夜11時から4時間ほど
前のこと。
風が強くなってきていましたが外出を控えたほうがいいと感じるほどで
はありませんでした。
ですが、
台風が接近中の火曜日の夜ということもあり、
いつも混雑している人気の温泉もさすがにいつもの平日よりは利用者が
少ないようにみえました。
通いなれたフロントに回数券を出し
女湯へ。
ロッカーに貴重品とインスリンポーチを入れ、
脱衣カゴには持参の麦茶と着替えを置いて待望の入浴タ~イム!!!
ヒヤッホ~イ!
ヘビもいないし、万が一いてもですね、まわりに、
ヘビなんてへっちゃらそうなおばさんたちがいっぱいいましたから、
「きっと闘ってくれる」そう思いました。
おばさんの存在、時にこんなに心強い・・・・
さー、
このところ入浴は最短でテキトーに済ませていたから…
今日は思う存分ゴシゴシしてやるー(≧▽≦)!!
久しぶりに座って体を洗えました。
家ではヘビがいるんじゃないかとキョロキョロドキドキして
落ち着かなかった湯船。
こんなにゆっくりくつろげるのは何日ぶりだろう。。。。
露天風呂では台風の生ぬるい強風が裸体を刺激してきます。
時々雨がしぶきとなって顔に頭に降り注ぎ…
はぁ、荒天の中の露天風呂。気持ちいいわぁ。。。
堪能するってこういうこと言うのよね。なんて
思いながら、あまり長湯ではない私、心からのんびりと
短い時間を過ごしました。
後は冷房の効いた場所でドライヤーして、
湯上りのコーヒー牛乳を飲めば
最高の休日をしめくくれる・・・・
はずでした。
さあ、自動販売機に行~こう!と、ロッカーを開けると、あれ?
ない。。。。。
ないないない。
インスリンポーチも車のカギもスマホもあるけれど、
おサイフが! ないーーーーーーー焦!!!
なぜなぜなぜなぜなぜ
おかしい。
ロッカーに確かに入れたよ。一応脱衣カゴも確認するけれど、ない。
ないないないないーーーーー
えー?車?
いやいや、ちゃんとロッカーに入れたってばー
あれ?そもそも、家から持ってきてない?
いやいや、それもない。ちゃんとバックに入れたのも覚えている。
プチパニック
コーヒー牛乳はお金がないので断念せざるを得なくなりました。
フロントの人に事情を話すけれど、真剣にはとりあってくれません。
「一切責任を負いません」って
貼り紙があるから…そういうことなのでしょう。
温泉を責めるつもりもなんてない。
だけど、、、、
冷たい人だね。もう頼らないからいいよ。
急いで外へ。風がさらに強くなっていました。
ライトを灯し、車内をチェック。 ない。
じゃあ、家?
家に向かう道路には強風で飛んできた木の葉や枝が散らばり、そして、
急いで帰るところなのかカエルがピョコピョコたくさん跳ねていました。
轢かないように走りたいけど、頭の中、おサイフのことでいっぱい。
カエルを安全に横断させてやる余裕はありませんでした。
おサイフ、確かにバックに入れて持ってきてロッカーに入れた。
家に帰ったってあるわけない!!!!!
それでも確認しないわけには行きません。
家についてひととおり確認。 ない。
ないないないーーー
温泉に電話をかけ、今から行くのでもう一度確認させてほしいと告げると
「閉館が近づいている」と迷惑げ
すみません、9時30分までには行けますから
対応があまりにも非人情的なのに悲しくなりながら、本気で荒れはじめた
雨風の道をまた温泉に向かって走る。
なんでない?なんでなんで?
ロッカーは昔式のスチールロッカーで鍵はまわしてもまわさなくても抜けるタイプ。
もしかしたらまわしたつもりがまわしてなくて、
施錠しないまま鍵を抜いたのか?
鍵をかけなかった・・?
普段、コーヒー牛乳代だけをポケットに入れて行ったりもしていました。
財布は持って行かないこともあったのに、
今日はバックに入れたまま行ってしまったけれど
脱衣所は危険でも、ロッカーに入れていたら大丈夫って思っていたのが
甘かったのか…
用心が、足りなかった…
ショックでショックで、頭が真っ白です。
再び温泉にたどり着き、親身とは程遠いフロントに断りを入れ、
使ったロッカーと脱衣カゴの付近をくまなく調べるけれど
ない、どこにも、ない。
財布にはこの日、千円札が10枚ほど入っていました。
が、この際お金はまぁ、いい。
免許証、健康保険証、会社のカードキー、7千円の入ったWAON…
他にもチャージしてあったり、コツコツポイントをためてきた
ポイントカードが数枚、スポーツジムの会員証、病院の診察券、
そしてそして、クレジットカードにキャッシュカード
それらを・・・・・
お願い!返してーーーー!!!
お金はやるから、命だけは…そんな気分でした。
お金はいいから、免許証と会社のキーだけは…
どうか、どうか、返してください…
温泉のフロントは人が代わっても相変わらず「我関せず」。
少し迷惑そうだったけれど
名前と電話番号と財布の特徴を記入したメモを残させてもらいました。
もしも出てきたら連絡いただきたいです・・・・・・
可能性は低いと、ほとんど期待しないでそう告げて温泉を後にしました。
最接近の時間が近づいた台風の荒れ模様が、私の気持ちを
ドラマチックに演出するかのようでした。
コーヒー牛乳も飲めず激しい横殴りの雨に絶望感をかりたてられながら
帰る道、あ、免許不携帯・・・・
「もう運転もできない」。
今になってそう気づいたのでした。
つづく