五月乃家

へい、ご案内!(某師匠のHPをパクってみました)

極限状態の5日間

2012年05月29日 | 窓際ナースのお仕事
東京ビッグサイトで病院グループの学会がありました。
今年は50周年ということもあり、参加者は2300人。
後ろの方の席だったので、スクリーンを通してでないと
壇上の人の顔も全然見えないほどの規模でした。

午前中は幹部の挨拶とか話とか表彰などなど。
ゲストの特別講演もありました。
某スポーツ監督さんで結構有名な方らしいんですが、
自分のチームの報告に終始してしまい、すごく退屈でした。
企業の団結力と何とかかんとかっていうタイトルがついてたけど、
結局その話がどう関連しているのかさっぱりわからずじまい。

そんな自慢話よりも、元職員だった方の講演が感動的でした。

去年の2月までグループ内の総合病院で働いていた方なんですが、
3月から実家の近くの石巻市立病院に就職し、11日目にあの震災!
まだ業務にも慣れていない中で、どんなに不安だったことか・・・。

ニュースにもたびたび出ていた石巻市立病院は、沿岸に位置し、
津波に襲われ1階部分が壊滅的な被害を受けました。
しかし、毎月避難訓練をしていたというスタッフらの
統制のとれた行動で400人ほどの人々が無事だったとのこと。
犠牲者が職員1名だったというのは奇跡的です。

5日間建物内に閉じ込められ、通信手段も何もない状態で、
患者さんや近隣の人のケアをし、順次安全な場所に送り届け、
最後に自分たちがようやく脱出できたとのことでした。

寒さや飢え・不安を抱え、家族とも連絡がとれない中で、
協力し合いながら救助を待った経過を具体的に聞き、
本当に想像を絶する体験をされたのだなぁ・・・と思いました。

彼女が5日目にようやく自衛隊のヘリで実家近くまで行き、
同僚の家でコートを借りて、ヒッチハイクをしながら
自宅にたどり着き、家族と再会したくだりでは、
ご本人の声も震えていたし、聞いてたこちらもウルウル(T_T)

事実は小説より奇なり。
実体験をされた方の生の声は、
どんな映画や本よりも衝撃的でありました。

ゲストの講演のときは、居眠りしてる人が目立った会場も、
この講演では、水を打ったように静まり返り、
固唾を飲んで聴いているのがわかりました。
関東もいつどうなるかわからない今、明日は我が身ですからね。

そして、明けて昨日深夜のあの地震。
おりしも夜勤中だったので、本当に怖かったです。
実は、今度災害ナースの研修に行くことになってるので、
怖いなんて言ってられないんですけどね。
その研修が無駄になることを祈りたい・・・。