五月乃家

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「私はうつ」と言いたがる人たち

2009年06月22日 | どくしょ


だいぶ前に、別な精神科医の書いた
「擬態うつ病」という本も読んだんですが、
精神科医がこういう本を出すっていうことは、
いかに世の中「自称うつ」が増えているかってことですね。

私は精神科で働いたことも、自分がうつになったこともないけど、
学校で習った記憶が正しいとすれば、今、世間に蔓延してる「うつ」は、
典型的なうつ病の症状に当てはまらないとは思います。

もちろん、「うつ病」にはいろんな型があることは知ってますが、
最近「非定型」と呼ばれるようになった、現代型のうつは、
仕事中だけ不調、仕事終われば絶好調。とか、
過食・過眠とか、いわゆるうつ症状の真逆なんですよね。
それを、全部「うつ病」と診断しちゃうのは、いささか乱暴すぎます。
「前うつ状態」とか「仮性うつ病」とか、病名つけられないものかな。
非定型って言っちゃうと、なんでもアリになる気がする・・・。
本当に苦しんでいる深刻なうつの人に、失礼じゃないかとさえ思います。

香山氏による「うつ病セレブ」は、うつの診断書もらって休職し、
海外旅行や留学へ行くとか、転職活動をする人たちだそう。
対して、「うつ病難民」は、うつになった途端生活に困窮する層や、
うつ病の社員のために、被害を被り難民化する人たちのこととか。

誰しもストレスから軽い「うつ症状」になることはあるけれど、
その先は、ある程度自分でコントロールできる可能性もあります。
気の持ちようよ!とか、休んでられる境遇だからよ!
なんて言ったら、きっと怒られるだろうけど、
「ストレスから来てる」と自覚がある「うつ」であれば、
自助努力で何とかできるはずだ、と思うのです。
少なくとも遊びに行ったり、転職活動が出来るくらいの気力があるならば。

今日のヤホーニュースで、退職強要された3割が心の不調を訴えている、
というのがありましたが、私も昔、退職を強要された1人。
それも、自己退職に仕向けるために、かなりひどい目に遭いました。
当然相当なストレスだったわけですが、当時すでにシングルマザーだったので、
病んでるヒマもなく、即刻方向転換し、看護学校に入学したわけですよ。
うちの母も、父が亡くなり、女手ひとつで私を育ててくれたのですが、
精神科に通って薬を飲んでたってことを、だいぶ後になって教えてくれました。
そんなそぶりは全く見せなかったので、ビックリしたものですが、
母は強いなーってしみじみ思いました。

最近見かけなくなった「ヒロシ」がつぶやいてた
「ひきこもるほどの金がありません・・・」
という台詞。まったくそのとおりです。

お金もヒマもあるから、うつになるというわけじゃないけど、
ゆるいうつ病でいられるためには、お金とヒマが必要です。
昭和の高度成長期の時代は、みんな貧乏で忙しかったから、
そんなに大勢うつ病になるなんて話なかったですもんね。

あ、言っておきますが、深刻なうつ症状と闘っている方々・・・
食事もとれず、外にも出かけられず、眠れず、何も興味がもてず、
常に自分を責め続け、死にたいと感じている方に対して、
ヒマだからよ、なんて言ってるわけではないので念のため。
うつは、ストレスだけが原因ではありませんしね。

うつは「こころの風邪」じゃないって、私も思いますよ~。
精神科の敷居が低くなったのはいいことだけれど、
「うつ病」が自分のアイデンティティになる世の中は、やっぱり変!!!