終わり良ければ全て良しといいますが、旅行でも第一印象とともに、旅の終わりはとっても重要なファクターです。
僕が今まで一番満足のいくエンディングを迎えられたと思った旅を挙げるとすれば、それはヨルダン旅行のときでしょう。
ヨルダンでの最終日。
僕は夕暮れの市街地を見渡せるアンマンで一番のビューポイントのアンマン城へと向かっていました。
ぼくをその場所に向かわせたのは、ワディ・ラムという赤い砂漠の一日ツアーで一緒になった星野さんの言葉でした。
「日が沈んだ後に、何かが起こるんです。でもそれは今は言わないでおきましょう。」
その謎解きをするために、僕は丘の上のサンセットビューポイントを探し、そのときを待ったのです。
待ってる間、僕はタクシードライバーのアリが買ってくれた、やたら種の多い果物を食べてました。一粒一粒噛締めながら食べていると、アンマンで出会ったたくさんの親切が思い出されて、夕陽が目に沁みました。
やがて日は沈み、いよいよあの瞬間がやってきました。
いったい何が起きるのでしょう?
しばらく待ってみましたが何も起きません。
仕方ないあきらめるかと思ったそのときでした。
突然街中がコーランの声で包まれたのです。四方八方のモスクから湧き上がる声。まるで大舞台で喝采を浴びているかのような快感と興奮。
それまで、朝早くから起こされてうるさいとしか思っていなかったコーランの響きが、そのときばかりはとても神秘的なものに感じられました。
やがて街が静けさを取り戻す頃、夕景は夜景へと変わってました。
街への道を下りていくと、そこには少し恥ずかしげに「ハロー」と話しかけてくれる子供達の笑顔また笑顔。
そんな至福のときの中、僕の旅は幕を閉じたのでした。
この写真を見ると今でもあのときの気持ちを思い出します。
終わりが良かった旅の思い出は、時が経っても美しいままなのです。
帰るときには、楽しい思い出になっているので不思議です。日本に帰ってくると、すぐにまた行きたく(戻りたく?)なっちゃいます。。。
日の出のアザーンも、マグレブのアザーンも大好きです♪
何かを尋ねるとわらわらと寄ってきてなかなか離してくれなかったり。
ちょっとしたものを買うのにも値切らないとぼられたり。
やたらとハイテンションなイスラムミュージックに安眠を妨げるアザーン。
でも帰ってくると何か物足りなく感じるんですよね。
それでまた行ってしまうと。
その気持ちよくわかります。