ひろし君の読書や旅日記

昨日より今日が少しは面白くなるかな て思って

「法哲学入門」は、面白い

2019-02-23 15:12:10 | 読書感想
       一つの読み物として楽しめる
長尾龍一「法哲学入門」は、その難しそうな題名に似合わずに一つの読み物として楽しめます。著者の長尾龍一という方は、東京大学の教授などをして来た方なので難しそう話が好きな人みたいに思えますが、この本は少し違う感じがします。
例えば、第二章・人間性と法では、桃太郎の鬼ヶ島の征伐に付いて「これは全くの強盗行為である。大正国語版の特色は、鬼が何か悪い事をしたという記述が全然ないところにある。」「桃太郎の行為が強盗からの強盗であることに変わりはない。さもなくば、財産を着服せず、被害者を捜して返還すべきであろう」と、話が思わぬ展開になっていくのです。また、第三章・法とは何か、では「○○をなした者は☓☓の刑に処す、という刑法の条文は、☓☓の刑に処されたくなければ○○はしない方がお得ですよ、という勧告以上のものを含んでいるだろうか」という展開になります。
      法律は「正義」や「良心」とは別なことかもしれない
なにか、私達庶民からみると法律によって定められている事は、しっかりとした根拠を社会的な「正義」や人間性の「良心」などによって形作られている様に思ってしまいます。しかし、この本を読み進んで行くと「そう思う人もいれば、その様には思わない人もいる」、でもそれは解釈の問題でしかない。という事らしいです。
それを簡単に言えば、法律と「正義」や「良心」の問題は基本的には別の事だという事らしいです。でも、それの方が救われますよね。法律で正義や良心を押し付けられたら社会て、ファシズムや戦前の神国日本みたいになってしまいますよね。それでもしつこく法律と良心は不可分に関係に有る、という考えもあります。「この良心の命令を体系化したものが自然法で、それは基本的には時代や社会を超えて共通なものだという思想がある。」のだそうです。長尾さんは、この様な考えには批判的に書いていますけど。
    れでは全体の一部てどれ位?
先日、国の行政機関の仕事を請け負っている友人に聞いたのですが、「一部とは、全体の90%でも別に構わない」と国の行政機関の人から解説されたそうです。ほんとうにあの人達てぶっ飛んでますね。でもこれって、国会での「朝ごはんは食べましたか?」の質問に「朝、ごはんは食べていません」(朝、パンなら食べた)の話と同じですよね。でも、こんな感じの役人や議員が多い私達の国は、本当にヤバイ感じですよね。
そんなわけで、読み物として「法哲学入門」は、お勧めの一冊です。

「敗北日本 生き残れるか」を読む

2019-02-01 19:52:29 | 日記
    経済同友会代表幹事・小林善光は言う
先日の新聞のインタビュー記事で小林善光は、日本の現状に付いてとても深刻な状況を的確に語っていました。内容を大雑把に言えば「平成の30年間、日本は敗北の時代だった」と云う言葉にまとめられています。
経済同友会と云う組織は、他の経済団体が企業単位の加盟に対して個人加盟と云う特徴が有るみたいです。その組織の代表幹事が日本は敗北している、と深刻な事を新聞インタビューで語るて、勇気有りますね。では、具体的にどんな指摘だったのでしょうか。
「テクノロジーは悲惨です。半導体・太陽電池・光ディスク・リチウムイオンバッテリーなど、最初は日本が手がけて高いシェアをとったものもいつの間にか中国や台湾、韓国などに席巻されている。」「次世代規格の5Gに至っては、日本メーカーのシェアはごくわずか。」「6年間で約60兆円のGDPが増えたといいますが、国と地方の借金は175兆円も拡大しました。」
更にショックな地政学的な現状を突き付けます。
「今は米国依存ですが、さらに従属を深めた米国の別種の州として生きていく。これを断ち切れば、うっかりすると中国の一つの市、北京や上海になる形もあり得るでしょう」
と日本が今のままの形で延命することの地政学リスクを指摘します。この事に関しては、国際政治学者のイアン・ブレマーは、今までのグローバル化は遠からず終焉しアメリカと中国の基準に分裂するだろう、と言います。その時、日本はどちらの方の基準に付くのか、厳し選択の時を迎えると予測しています。
更に日本は厳し高齢化と少子化の時代に、ほとんど有効な対策を取らずに平成30年間を過ごしてきました。厚労省の「将来推計人口」の予測では、合計特殊出生率1.44(2017年実績は1.43)で考えると2065年の人口は8,808万人と今の人口から30%以上の減少になると考えられています。
この様な急激な人口減少は、更に日本の国力を低下させるのは明白な事です。

新年そうそう、恐ろし気なお話ですが森加計と偽装・嘘がお得意のアベ達の日本は上手くいっている、なんてホラ話しよりは小林善光の警告の方が数十倍真相に迫っていると思います。