一つの読み物として楽しめる
長尾龍一「法哲学入門」は、その難しそうな題名に似合わずに一つの読み物として楽しめます。著者の長尾龍一という方は、東京大学の教授などをして来た方なので難しそう話が好きな人みたいに思えますが、この本は少し違う感じがします。
例えば、第二章・人間性と法では、桃太郎の鬼ヶ島の征伐に付いて「これは全くの強盗行為である。大正国語版の特色は、鬼が何か悪い事をしたという記述が全然ないところにある。」「桃太郎の行為が強盗からの強盗であることに変わりはない。さもなくば、財産を着服せず、被害者を捜して返還すべきであろう」と、話が思わぬ展開になっていくのです。また、第三章・法とは何か、では「○○をなした者は☓☓の刑に処す、という刑法の条文は、☓☓の刑に処されたくなければ○○はしない方がお得ですよ、という勧告以上のものを含んでいるだろうか」という展開になります。
法律は「正義」や「良心」とは別なことかもしれない
なにか、私達庶民からみると法律によって定められている事は、しっかりとした根拠を社会的な「正義」や人間性の「良心」などによって形作られている様に思ってしまいます。しかし、この本を読み進んで行くと「そう思う人もいれば、その様には思わない人もいる」、でもそれは解釈の問題でしかない。という事らしいです。
それを簡単に言えば、法律と「正義」や「良心」の問題は基本的には別の事だという事らしいです。でも、それの方が救われますよね。法律で正義や良心を押し付けられたら社会て、ファシズムや戦前の神国日本みたいになってしまいますよね。それでもしつこく法律と良心は不可分に関係に有る、という考えもあります。「この良心の命令を体系化したものが自然法で、それは基本的には時代や社会を超えて共通なものだという思想がある。」のだそうです。長尾さんは、この様な考えには批判的に書いていますけど。
それでは全体の一部てどれ位?
先日、国の行政機関の仕事を請け負っている友人に聞いたのですが、「一部とは、全体の90%でも別に構わない」と国の行政機関の人から解説されたそうです。ほんとうにあの人達てぶっ飛んでますね。でもこれって、国会での「朝ごはんは食べましたか?」の質問に「朝、ごはんは食べていません」(朝、パンなら食べた)の話と同じですよね。でも、こんな感じの役人や議員が多い私達の国は、本当にヤバイ感じですよね。
そんなわけで、読み物として「法哲学入門」は、お勧めの一冊です。
長尾龍一「法哲学入門」は、その難しそうな題名に似合わずに一つの読み物として楽しめます。著者の長尾龍一という方は、東京大学の教授などをして来た方なので難しそう話が好きな人みたいに思えますが、この本は少し違う感じがします。
例えば、第二章・人間性と法では、桃太郎の鬼ヶ島の征伐に付いて「これは全くの強盗行為である。大正国語版の特色は、鬼が何か悪い事をしたという記述が全然ないところにある。」「桃太郎の行為が強盗からの強盗であることに変わりはない。さもなくば、財産を着服せず、被害者を捜して返還すべきであろう」と、話が思わぬ展開になっていくのです。また、第三章・法とは何か、では「○○をなした者は☓☓の刑に処す、という刑法の条文は、☓☓の刑に処されたくなければ○○はしない方がお得ですよ、という勧告以上のものを含んでいるだろうか」という展開になります。
法律は「正義」や「良心」とは別なことかもしれない
なにか、私達庶民からみると法律によって定められている事は、しっかりとした根拠を社会的な「正義」や人間性の「良心」などによって形作られている様に思ってしまいます。しかし、この本を読み進んで行くと「そう思う人もいれば、その様には思わない人もいる」、でもそれは解釈の問題でしかない。という事らしいです。
それを簡単に言えば、法律と「正義」や「良心」の問題は基本的には別の事だという事らしいです。でも、それの方が救われますよね。法律で正義や良心を押し付けられたら社会て、ファシズムや戦前の神国日本みたいになってしまいますよね。それでもしつこく法律と良心は不可分に関係に有る、という考えもあります。「この良心の命令を体系化したものが自然法で、それは基本的には時代や社会を超えて共通なものだという思想がある。」のだそうです。長尾さんは、この様な考えには批判的に書いていますけど。
それでは全体の一部てどれ位?
先日、国の行政機関の仕事を請け負っている友人に聞いたのですが、「一部とは、全体の90%でも別に構わない」と国の行政機関の人から解説されたそうです。ほんとうにあの人達てぶっ飛んでますね。でもこれって、国会での「朝ごはんは食べましたか?」の質問に「朝、ごはんは食べていません」(朝、パンなら食べた)の話と同じですよね。でも、こんな感じの役人や議員が多い私達の国は、本当にヤバイ感じですよね。
そんなわけで、読み物として「法哲学入門」は、お勧めの一冊です。